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TVドラマ「9ボーダー」9話実況じみた感想(2/4)


ATTENTION

※2024春ドラマという、遥かかなた昔のドラマ感想です。
・当方、1話で辛くなって一度は脱落し、6話から出戻りました。
・1〜3話は視聴済み、4~5話は公式ダイジェストであらすじだけ知ってます。
・最終話は未視聴です(9話の感想に上書きされてしまいそうだから)
・この記事は100%オタクの主観であり妄想であり欲望です ←※重要
・『』は登場人物の台詞、《》は音声解説を表現しています。
・ストーリーに入れ込みすぎてネガティブ気味です。

本編

大庭家

陽ちゃん普通に夕食手伝ってるの、もう初っ端からリアコです。

このドラマの視聴者層はほぼ間違いなく女性のはずなので、「あなたはどのメンズが好み?」みたいな話って諸所で出ていると思うんです。
(思うんです、というのは、私がSNSをしていないから)

で、予想するに、統計取ったらおそらく陽ちゃんが1位になると思います。アラサー世代だとコウタロウと競りそうな気もしますけど……既婚者や結婚をリアルに感じている人にとっては、欲しい優しさが違うんじゃないかなと。

優しさの話については6話の感想でさんざん書いたので、またここで書いて9話の感想が一生終わらないことだけは避けようと思います。

何が言いたいんだっけ。

で、その優しさに加えて、今の陽ちゃんは「これだけかっこいいのに失恋した」というこれまた少女漫画の人気投票第1位になりがちな条件まで持ち合わせています。

その、今の陽ちゃんが七苗に対してどういう気持ちでいるのか、それによって最終回の流れや八海との今後が大きく変わっていくはずなので目をかっ開いて注目していく所存です<●><●>

(ちなみに私は全部ひっくるめて松嶋くん派です。でも六月みたいなエネルギーがないから、そもそも松嶋くんタイプには好かれないんだよなぁトホホ)

話を戻そう。

そんな陽ちゃん、七苗の帰宅に真っ先に駆け付けます。
そして、『どうだった、コウタロウ?』と聞く八海に対して大きく手でバッテン。
無言のまま七苗の背後でやっているから、本人はサインに気づかない。いちいち気遣いが細やかな男です。

『ぎゅ、牛タンといえば塩だれの人!』

切り替えた六月。今日のご飯は焼肉かな?

塩だれで手を挙げたのは七苗と陽ちゃん、醤油だれで手を挙げたのは六月と八海と松嶋くん。

松嶋くんもナチュラルにおるやん。そしてごろちゃんおらんやん。

彼氏たちが普通に遊びに来てご飯食べてる家庭、不思議すぎる。いい。

個人的にはすごく健全な付き合いだと思うし、私にそういう環境があったならこういう経験したいなって、思います。

あと六月と松嶋くんがどっちもスカーフしてるのは、さすがににやついていいですよね?
もともとおしゃれさんな2人ですけど、これはさすがに示し合わせたでしょ。さすがに。

牛タンは松嶋くんの実家から送られてきたんですね。そりゃ松嶋くんいるはずだ。ナチュラルにおるやんとか言ってごめんね。

『でも神戸でビーフ食べたんじゃないですか?』

こんの100%悪意なしKY男~~~~そこが好き~~~~~~!!!

松嶋くんが天然さんなのは言うまでもないんですけど、なんでこういう発言に至ったのかという流れが毎度自然なんですよね。

今回は、他のメンバーが陽ちゃんによる無言のサインで察した中、松嶋くんだけ後ろで牛タンの準備をしていた。だから松嶋くんにはそんな事情知る由もなく、両想いだし七苗が勇気を出した以上何らかの進展はあったよね?という単純思考。

……あ、他メンバーが知り得ず松嶋くんだけが持ってる情報もありましたね。カフェでの会話。彼だけが、コウタロウの最新の気持ちをストレートに聞いていたんでした。

松嶋くん単純って言ってごめん……単純なのは私だった……。

それはそれとして、もちろん陽ちゃんレベルの気遣いカンスト人間になると最悪のパターンも想定して話すんでしょうけど、みんながみんなそうだと思うなよ。(急に荒れる)(身に覚えあり)

この後、陽ちゃんと松嶋くんで塩だれ・醤油だれが入れ替わった理由は普通にわかりません。
松嶋くん塩だれで元気よく「はーい」とか言ってますけど、さっきあなた醤油だれで同じく元気よく返事してましたよね?

松嶋くんが動揺したり困ったりする場面は比較的濃いめに演出つけているので、ここで間違えたのは場違いな発言をしたとかそういうことではなさそう。
だとしたら本当に読めないひと過ぎて沼。

陽ちゃんは後ろから食材持ってきているので、直接目撃した様子はないけれど松嶋くんの気まぐれ行動に合わせた可能性なきにしもあらず。

だめだ、陽ちゃんの好感度が上がりっぱなしだ。

『あれ、お父さんと久吾は?』
『あ、銭湯。あとで食べるって』

さらっと日常の会話のフリして、なぜこの場にこの5人がいるか、2人がいないか説明されています。巧いなぁ。

最近とくに六月と松嶋くんがアツいので、六月が『うん』って渡した取り皿?を松嶋くんが『はーい』って受け取る裏のやり取りでさえ愛おしい。

今回の席順はわりと謎構造で、カメラ向かって左から時計回りで、

六月 八海 松嶋くん 陽ちゃん 七苗

ごろちゃんも久吾もいないのに、どのペアも隣り合わせになっていません。
なんでだ……。

『牛タンといえばぁ、あつ子さんの店のタンシチュー、あれおいしいですよねえ!』

ちょっとわざとらしいなと思いましたけど、場を明るくしたかった松嶋くんなりの気遣いな気がします。
現に、さっき松嶋くんをはたいていた八海も会話にのってますし。

『うん。今つくるの練習してる。玉ねぎは、2回に分けて入れるがいいよーってコウタロウが教えてく――』

《固まる一同》

別に音声解説が必要な場面じゃないので書き起こすまでもなかったんですけど、音声解説をなさっている方の落ち着いたトーンがこれまでになくしっくり来てしまって妙に笑えてしまったんです。

で、口火を切るのが陽ちゃんの『んま』(旨い)。
もうこれ言えばいいと思ってないか、陽ちゃん?

大正解です。

七苗は、もう8話と同じじゃない。もちろん遠慮はしてるし我慢もしてる。

でも、心配してくれているみんなに「大丈夫」で押し通すんじゃなく、一言一言、自分が何を見てきたのか説明している。

『住む世界が違い過ぎて、話せなかった』

住む世界が違う、は私が前回あたりから擦り切れるように使ってしまいました。でもここで七苗は、違い過ぎたって言っています。もう完全に切り離された、七苗にとってはフラれたも同然なのかもしれません。

そんな七苗を心配そうに見る陽ちゃん、八海、六月を1人ずつアップで映していくカメラ。

松嶋くんを撮らなかったのは、彼と七苗に直接の関係がないからですかね。コウタロウとの間には友情があったから、わざわざ探してまでしてカフェに誘いましたけど。

アップ×3が終わった後に引きの場面へ戻りますが、ここではたと気づきます。陽ちゃん、八海、六月は七苗の方を向いていますけど、松嶋くんは下を向いていました。で、七苗が台所にはけたところでやっと頭を上げる。

松嶋くん、何を言っていいかわからなかったんでしょうか。それとも、自分の軽率さが七苗はじめみんなに悲しい顔をさせてしまったことを辛く感じているんでしょうか。

とりあえずみんなアップで~じゃなく、繊細に取捨選別されている感じ、いい。

ビールを取り出す七苗に当然がごとく姉妹2人は駆け寄るわけですが、ここで次回予告の台詞が回収されます。

『好きになんてならなきゃよかった』

七苗の発言を受けて六月と八海に視点が移ります。

ただ、長女と三女にはそこそこ身長差があり、かつピントを見ても明らかに六月に焦点が当てられています。

8話ラストから積極的に動き始めた六月、今あなたは何を考えているのかしら。

《牛タンを豪快に食べる七苗》

『うま!』
『うまいっしょ』

七苗のやせ我慢に付き合ってくれている陽ちゃんが痛いほど優しい。
これは六月にも八海にもできない芸当です。

はァい学生みたいな恋愛している大人のお二人さん!!!また六月がお送りしていますね!!!もうここはデートコースに認定しましょう!!!!!!!

これ、どこの橋ですか?
もし私が聖地巡礼するとしたら真っ先にここに行きたい。夜に行きたい。

ちなみにここでは、かなり急な場転しています。大庭家から橋という物理移動はもちろんのこと、台詞も松嶋くんきっかけ。

松嶋くんは陽ちゃんに比べれば大庭家との関係がかなり浅いから、その場ではおいそれと聞いたり話したりできないこともいっぱいあって、それを2人きりの時に聞いているんだろうな。

もっと2人の会話を楽しんでもいいはずなのに、大庭家全体を案ずる彼の優しさを感じます。

『きっと戻ってきますよね』
『ん?』
『コウタロウさん。七苗さんはああ言うけど、すぐにでもひょこっと戻ってくるような気がします』

この予想に関しては、単なる松嶋くんの楽観論じゃないんですよね。なぜなら先ほど書いた通り、神戸に行く前のコウタロウとサシで話をしているから。

記憶を失う前について知らされてからの気持ちを「寂しい」と表現したコウタロウの言葉を知っているのは、松嶋くんだけ。

ここについては、3姉妹と陽ちゃんにはない情報であり、実はかなりのアドバンテージだと思っています。

ただ松嶋くんにとって誤算だったのは、みんながみんな、自分がしたいと願った道を歩めるわけではないことなんですよね。松嶋くんのように。

橋シーン(?)に挿入された、百合子さんと一緒に帰って来たコウタロウをかりんが迎えに来るシーン。だんだん顔が「芝田悠斗」になっていっている気がするんです。

そして心を無にしたいときはだいたい銭湯の床をブラシでこすっている七苗。背中がすべてを語っている。

『どうだろう。もちろん、戻ってきてほしいけど、先のことなんて誰にも分かんないし。でももし、2度と会えないとしても、「好きにならなきゃよかった」なんて思ってほしくない。意味のない出会いなんてないんだから』

あ、やっぱり七苗の「好きに~」の後で六月にピントが当たっていたのは気のせいじゃなかったようです。

『私はそう信じてる』

前を向いてまっすぐ歩いている六月を見つめながら歩く松嶋くん、いい。

そうだよね。松嶋くんは、不倫されて傷ついて、焦って、モヤって、それでも頑張って生きてきた六月の人生を丸ごと愛してるから。

別作品持ち出して本当に申し訳ないんですけど、松嶋くんのこういう包容力に「名探偵コナン」の高木刑事を思い出してしまいます。
故人への想いを引きずる想い人に対して、「忘れなくていい」と言えた彼の強さ優しさを。

《六月の横顔を見ていた松嶋。六月の手を握り、歩いていく》

恋人つなぎじゃないの可愛いなあ。

そして、後のシーンを考えると、この時点で松嶋くんはちゃんと「2度と会えない」関係のことも「先のこと」も考えているんだな。いい。

銭湯

背後で扉の開く音、考えながら振り向いた七苗は何を考えていたんだろう。

3話(確か)でコウタロウが北海道に行って、帰ってきたのも確か同じタイミングだったから、もしかしたらその時のことを思い出したのかもしれない。

でも怪訝な顔をしていたから、それを期待していたわけではなくて、ただ誰に対しても「大丈夫」っていうための心の準備をしていたようにも見えます。

はい。で、答えは陽ちゃん。

『大丈夫か』
『もう全っ然。立ち止まってる暇ないの。これから工事に2か月、10月にリニューアルオープン。ローンも背負うし、何が何でも成功させないと。29歳、一世一代の勝負』

えっと、7話と8話の間にあまり差がなくて、六月の誕生日(10月)まであと3か月と言っていた。陶芸教室からコウタロウの神戸行きまではたったの2週間。

季節は7月末か8月初旬ってところでしょうか。ここ数話の時間が濃厚すぎてびっくり。

そして、背中を向けて掃除を再開する七苗に何を言うでもなく、ただそこにいる陽ちゃん。

今日はカットインな場転多めです。
もっと上手につなぐ方法もありそうですが、この後の挿入歌から考えてもおそらくわざとですね。

リニューアルオープンに向けて現実的に忙しい状況と、コウタロウを忘れようとして一生懸命忙しくしている様子を表すための目まぐるしさを演出してるのでは?

というのが、槇の読みであります。

MV

今回は「タイムマシン」という曲だそうです。

歌詞全体を読んでみて、もう当てはまらない部分の方が数えるほどじゃないかというくらい激ハマりでした。
そこに1つ1つのシーンなんてあてはめちゃったら……私、一体どうなっちゃうの~~~~?! ※喜びます。

では、音ハメタイムと行きましょう。

タイムマシンに乗ってチクタクチクタク
君といた記憶を消し去るために

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

日付が大事っぽいので、記録していきます。

8月2日。
3000万円ローンの書類にごろちゃんが印鑑を押して、銀行マンのお兄ちゃん(たぶん6話でごろちゃんがメンチ切って追い返した人)とオードリーか?というレベルでのけぞりながら笑っています。

住所が清澄9-9-9になってるのが安直に9ボーダー。いい。

こんなに苦しい中君に出会う前を
全てなかったことに

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

8月5日
施工会社と具体的な打ち合わせを行っている七苗の"笑顔"と、fukaseさんが爽やかに歌う「全てなかったことに」が逆に視聴者の心をギュッとさせてくる……。

8月7日
一方その頃、コウタロウはMRI検査。百合子さんが言っていたやつですね。
まあ頭に何かあったら最初にとるっていうイメージですけど、これだけで分かったら苦労しないよね、っていうイメージもあります。

それに、1番Aメロの直前までに七苗とコウタロウの2場面を突っ込んでくるところに、9ボーダースタッフから「この2人を『全てなかったこと』になんてさせないぞ」という情熱を感じ取ります。

僕は自分が1番好きだった
他の誰より君に会うまでは

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

8月19日。
ハイキュー!!の日だ!!!!!(別作品出すな)

日付はその場面に存在するカレンダーで表現しているわけですが、曜日までわかるタイプのカレンダーを見ていると、改めてこの作品が2024年なんだなと感じる。8月19日月曜日。私たちよりちょっと先の、でもなんだか存在しそうな未来。

そこでは副社長室で必死に専門書を広げて「芝田悠斗」になろうともがき苦しんでいるコウタロウがいて、大げさにだだっ広くはないはずの副社長室がひどく広く見える。

当然ですよね。社内でコウタロウの記憶喪失を知っているのは社長である父親と百合子さんだけ。ほかのみんなは体調を崩していただけだと信じている以上、たくさんのプロジェクトを手掛けてきた「芝田悠斗」に何か助けを差し伸べるなんてとてもじゃないけど考えられません。

そんな孤軍奮闘のコウタロウに百合子さんがテイクアウトの弁当を持ってきて甲斐甲斐しくサポートするわけですが、なんだろう、無意識な自作自演みたいな虚しさも感じる。

だってコウタロウを1人にしたのは父親で、1人じゃ寂しかろうと遣わされるのは百合子さん。

なんか、なんだろう。苦しい。

自分より大切な君を失い
僕の世界から1番がなくなった

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

8月27日
時間は多めに過ぎましたが、お昼繋がりという意味ではばっちりな流れです。

『おー、うまっそう!』
『でっしょう?』

本当、食べるの好きよね陽ちゃん。もう胃袋つかまれちゃってんじゃん。松嶋くんとランチの試食に来た時の「あいつ頑張ってんな~」からだいぶ距離が近い気がします。

お兄ちゃんと妹の関係から、もっとフラットな関係になっているような。

失恋して吹っ切れた女子ほどかっこよくて綺麗な人はいないって、最近そう思うようになりました。

つまり、今の八海は最強。

そしてそれはまるで眠気のように 僕を蝕んでく

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

9月5日
やや少なめですが会計事務所パートもありました。

七苗の打ち合わせ&コウタロウMRIのセットよりも無茶なことしてきてます。なんたって画面2分割。

でもこれは時系列じゃなくて2分割だからいい味出してるんですよね。六月はおおば湯のことに一生懸命で、一方松嶋くんは六月に見えないところ(屋上)で高等専門学校のことを考えている。

ここが同時進行であることが、嚙み合ってないのに好き合っているという9ボーダーカップルの中でも特殊な関係性をよく表している、と、私は感じています。

《一方松嶋は屋上で、オークランドの高等専門学校の願書をパソコンで記入。》

あ、ここでは悩まずにもう願書出したのね。
松嶋くんの心は、もう橋デートの時に決まってたのかもしれない。

幸せだったと思う度に
涙が溢れ出してくるんだ
今でも

タイムマシンに乗ってチクタクチクタク
君といた記憶を消し去るために
こんなに苦しい中君に出会う前を
全てなかったことに

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

9月9日
いよいよ引っ越しですね。そっか、ここは大庭家の居間じゃなくなるんだ。
みんなどこに引っ越すのかな。
たとえこの後コウタロウが戻ってくるとしても、ここにあるのはスモークカフェであって大庭家ではないんだ。

前に進んでいる証拠なんだけど、それはそれでちょっと寂しい。

そして、コウタロウと作ったマグカップはあの小包に入れっぱなしなんですね。開けたら考えちゃいますものね、「好きにならなきゃよかった」って。

でももし心から本当にそう思っていたなら、とっくに捨てられるんですよ。
捨てたいのに捨てられない、忘れたいと思うほど忘れるために思い返してしまう。

そこに丁度よく(悪く)コウタロウから電話がきたら、そりゃ動揺もします。

嫌いな相手なら着信拒否すればいい。拒否のアピールをしたいなら電話を切ればいい。そうじゃなくて、バイブレーションそのままにするっていうところに七苗の迷いが表れていて、その繊細な描写に私はくらくらしてます。

《電話に出てもらえず俯くコウタロウ》

もう……もうコウタロウに限界がきている……誰かコウタロウを助けて……。
でもその誰かは誰でもいいんじゃなくて、七苗なんだ。

タイムマシンに乗ってチクタクチクタク
君のいない時間へと帰ってゆく

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

ここで歌詞が一気に飛ぶので、2番あたりは丸々カットのようですね。
まあ、いくら全体のテーマが合っているとはいえ、元はといえば別作品の主題歌ですから。歌詞に表現された具体的な設定が9ボーダーとぴったりいかない場所もあって当然で。

いや、それにしても1番だけでもこのハマり方はすごい。

で、時は9月14日。

久吾、思春期らしく細い体をしているけれど危なげなく段ボール持ってますね。

無理して2箱持とうとしているごろちゃんから1箱持っていくときにちょっとつま先立ちしていて、かわいいけどかわいいって言ったらダメだなって気が引き締まります。

まだ体のできあがり切っていない少年らしさもありつつ、きちんと男手としてカウントされている。家族の一員として自分にも役割があるって嬉しいですからね。本当よかったなあ、久吾。

かわいい。(早速NG)

前も見れないけど上も向けないけど
僕を見つめてゆこう

SEKAI NO OWARI「タイムマシン」より

9月21日。
リニューアルするとしても看板と暖簾を残しているところに、七苗たちの「おおば湯」へのリスペクトが感じられて大変エモいことになっています。

そして七苗が貼っているリニューアルオープンのポスター、やっぱり数字に凝ってますね。住所の9-9-9はもちろんのこと、見切れている電話番号も最後は999になっています。

あと数字じゃないけど、やはり見切れているWEBサイトのURL?は最後が「.qum」になっていてちょっと面白いことになっています。

細かすぎるけど、こういうところ大好き。

ここから日付の説明がされないまま、ハルミお母さまとナオキとコウタロウが紅茶を飲むシーンに突っ込んでいきます。時を同じくして、という感じでしょうか。

覚えていないなりにも2か月一緒に暮らせばそれなりに緊張も解けてきますし、ハルミさん達が自分を思う気持ちは本物。それに応えたいと感じるのは芝田悠斗だろうとコウタロウだろうと変わらない、彼が持ち合わせた優しさですよね。

そういえば神戸ではコーヒー飲んでないな、コウタロウ。

ここからは追い上げるように季節を感じるイチョウ、コウタロウのいない川べり、そして工事の完了したカフェスペースにサザエさん一家よろしく行列を成した大庭ファミリーが入ってきます。

いや、七苗さんや。目をつぶらせてるけど、みんなに見せてなかったんかい。あ、工事があったからそりゃそうか。

列順は、引率する七苗の次から
六月、八海、久吾、陽ちゃん、ごろちゃん。

久吾はドラマ初出であろう高校の制服を着ています。ワイシャツにネクタイ、Vネックの紺ベストは襟元に沿うよう1本の白いライン。ベーシックだけど、普通の高校生って感じで、いい。

ネクタイは品が残る程度に緩めていて、シャツはゆるく腕まくりしている。真面目すぎず、でもワルくもない普通の男子高校生。
まさに久吾の過ごしたかった青春が詰め込まれている気がする。

ここで音楽はアウトロまで終わりますが、MVはどこまでが区切りなんだろう。多分ここまでかな。

今まではわりと、映画のような演出が終わる、みたいな感じで音声解説がMVの終わりを教えてくれていたので、ちょっとそれに甘えてしまいました。失敬、失敬。

新生おおば湯

ビフォーアフター

さあ、匠の技を見てゆきましょう。なんということでしょう……。

《居間のへりを利用した足砂湯。台所にまきび設備。オリジナルグッズ売り場。クラフトビールのサーバー》

足砂湯にビー玉がちょっと入ってて、もうこれだけでも来たくなる。

グッズ売り場の横にはタブレットのスタンドが立っていて、これで会計とかするのかしら。もじった固有名詞はVIZOくらいしか見えないけどクレジットカードやタッチ決済にも対応しているサインがある。令和だわあ。

こじゃれた照明とか観葉植物はあるんだけど、売り場の奥には飾り気のない在庫棚があって、確かに存在する施設なんだっていう錯覚をいちいち起こさせてくる。

責任とって、おおば湯マジで経営してくれませんか?(半ギレ)

そして、みんながおめでとう、よくやったって褒める中で、ごろちゃんが「感謝、感謝!」って言ったのを私は聞き逃しませんでしたよ。

あれだけ反対して、今のままでいいって維持張ってたごろちゃんだけど、今じゃそう言えるまでになったんだ。

もちろん元々調子のいい人ではあったけど、娘の提案のんで3000万円のローン組んで、慣れ親しんだ家を改装するため引っ越しまでして、それを「感謝」と言える。それって間違いなく素敵な変化だと思うんです。

娘たちの真剣な思いは、ごろちゃんが持っていたおおば湯への思いと大きく違っていたわけじゃないって、気づいたんですかね。

照れ隠しみたいに『ああ、肩に借金の重みが……』と冗談めかして笑う七苗と、そこに列をなして乗っかる六月と八海。

あ、次回予告で私が気になっていた3姉妹のシーンこれでした!
いいなあ、こういう家族。

と、思うところでスーツ姿の男性がおおば湯入り口にやってくる。
誰だ!コウタロウじゃないってことだけはわかるぞ?!

おおば湯・居間

一瞬だけ、女湯の暖簾が映りますが、暖簾の隣にさっそくゆきち。

これ何て刺繍だっけと思って調べたら、そうだ、パンチニードルでした。ふわふわで可愛い。

グッズだと単色べた塗りな印象ですけど、この刺繍にはところどころグラデーションが混じっていてそれがまた可愛さあったかさマシマシです。

顔周りのピンクにランダムな濃淡があったり、ゆきちの顎回りだけちょっと茶色が濃かったり、これはプロアマか器用者の仕業です。

さては八海、お前だな……?!(ガバガバ推理)

居間の窓には白い油性マーカー?みたいな、東京のおしゃれなカフェによくあるアーティスティックな呼び込み文字とイラストが描かれていて、これは七苗か八海か迷うところ。

黒板のドリンクメニューははっきり見えてありがたいです。
・燻製ウォッカのレモネード 800円
・燻製ラムのボタニカルレモヒート 1000円
・風呂上りレモンサワー 650円
・お肌潤うハーブティー 450円
・ゆきちの好きなバナナミルク 700円

値段は、まあ東京のカフェなら良心価格でしょうか。ハーブティーは種類書いてないからその時仕入れた葉で作るのかな。

銭湯併設のカフェなので、体内脱水起こしがちなコーヒーと紅茶がないのはいいとして、コーヒーミルクといちごミルクもないんですか???!!

とはいえ、種類広げ過ぎると廃棄ロス起こしますから、こんなものでしょう。ゆきちにひっかけてバナナミルクを選択したのは正解な気がします。

七苗『八海頑張ってェ』
八海『頑張ってるゥ』
久吾『あ、SNSアップしないと』

久吾の口からSNSという言葉が出るとは。

いや、プライベートでは使っていたかもしれないけど、ついこの前までおずおずと「新しいおおば湯、見てみたい」って言っていた子ですよ。それが今やおおば湯の一員として自発的に経営のこと考えてるなんて、感慨深いじゃないですか。

風呂を見て回ってきたらしい陽ちゃんとごろちゃんで観点が違うのもいいですね。

陽ちゃんはサウナの酵素風呂。ごろちゃんは『風呂の造りは変えずに他を新しく。これだったらね、常連客も納得してくれる!』。

そうだよね。ごろちゃんは常連客を大事にしたかったからね。娘たちはちゃんとわかってますよ。

久吾がSNSをアップしていますけど、今後おおば湯のSNS担当って誰になるんでしょうね。交代制かな。

というかおおば湯創業99年なんだ。9にこだわった結果なんでしょうけどすごいな。

つまり1925年創業ってことですよね?習った歴史ほぼほぼ抜けてますけど、普通選挙法と治安維持法が同時に制定された年ですよね、確か?

温故知新にもほどがあるよ、おおば湯……。

本日開店

そしてポスターに「本日開店」を雑に貼っちゃうウメケンちゃーん!
ウメケンちゃんが現れると、少なくとも彼の出番の間だけは平和であることがほぼ確なので安心できます。

開店祝いのお花は、入り口の左右に2つずつ。外側はよく見えませんが、左の内側は高木商店、右の内側はet001の辻本あつ子様つまりバルですね。赤の目立つお花の中で、凛と際立つ青いお花。

手伝いにきたあつ子さんご本人のトップスも青で、ボトムスも薄い青。全体的に青が好きなのかな?ゆるカジュアルの似合う年の重ね方、素敵にもほどがある。

9ボーダーで好きなキャラクターはたくさんいるけど、憧れは誰かって聞かれたらあつ子さんって迷いなく答えちゃう。そのくらい素敵。

そして神経の太い八海、普通に立花氏とビデオ通話してるじゃん。

目力ガンガンの立花氏、『日本帰ったら絶対行くから!』の後ろには居場所をお知らせするためですか?わかりやすくマーライオン。むしろアピール用のバーチャル背景ですか?

立花氏、交際ゼロ日婚は断られたけど、八海のこと今はどう思ってるんだろう。今の七苗みたいに失恋して潔く消える(消えようとする)タイプもいるけど、八海が陽ちゃんに対してそうであるように良き友人として付き合いは続けるのかな。それともまだ諦めてないのかな。

もうここまでくると愛しささえ感じてしまうよ立花氏。

《八海を気にする陽太》

おいおい……自分でフッておいてそれはねーんじゃないかい?
と、言いたいところですけど、告白されて意識するなんてのはよくある話。

心配で仕方なかったニートな妹が夢を見つけてどんどん輝いていって、いつの間にかアイスを鼻にくっつけて『赤ちゃんかよ』なんて言えない存在になっていく。

それに、女の子がハタチを越える時って身体も心もぐっと変化するじゃないですか。30歳とか40歳もそういうところはあるんですけど、それは社会的な立場の変化の方が大きくて、「私自身は何も変わってないのに」みたいに感じることの方が多い気がするんです。

だから八海の越えたボーダーに陽ちゃんが動揺するのは、しょうがない。しょうがないです。

さ、陽ちゃん。あと1話ですよ~(メタ的圧力)


すみません、まだ続きます。

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