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TVドラマ「9ボーダー」9話実況じみた感想(4/4)

ATTENTION

※2024春ドラマという、遥かかなた昔のドラマ感想です。
・当方、1話で辛くなって一度は脱落し、6話から出戻りました。
・1〜3話は視聴済み、4~5話は公式ダイジェストであらすじだけ知ってます。
・最終話は未視聴です(9話の感想に上書きされてしまいそうだから)
・この記事は100%オタクの主観であり妄想であり欲望です ←※重要
・『』は登場人物の台詞、《》は音声解説を表現しています。
・ストーリーに入れ込みすぎてネガティブ気味です。



六月と松嶋君

会計事務所

こちらでは松嶋くんの海外進出の話が進んでますね。

『ニュージーランドに、ポリテクニックっていう、日本でいう大学とか専門学校みたいな学校があって』

私、この前一生懸命調べたけど松嶋くんが全部説明してくれた。ありがとうございました~完~

『そこで造園の勉強をしたいと思っています。将来的に、向こうで働けたらと』
《松嶋は背筋を伸ばし、》
『なので、ここを辞めさせてください』

六月の無表情、冒頭で七苗が「好きになんてならなきゃよかった」って言っていたシーンを思い出します。

淡々と、でも『いいと思う』という六月の言葉に対して松嶋くん、
《万感の思いで立ち上がり、》

急に難しい言葉が出てきたので調べましたけど、一瞬でいろんな感情が湧きおこる、みたいな意味なんですね。

で、このいろんな感情が何なのかっていうのが、この時点では見えてこない。まあ視聴者はうすうす気づいてますがね。

屋上

『とはいったものの、あっけなく終了かあ』

ですよね。
松嶋くんは男性で、まだ32歳。六月は女性で、もう39歳。交際の終わりが意味するところが全然違う。

「好きになんてならなきゃよかった」?

別に浮気されたわけじゃないけど、自分より夢をとるんだ~くらいは思うよね。私は思うよ。だったら好きとか言わないでよって。

いや、松嶋くんには言われたい(どっち?)

缶ビールは1番絞り。8話の風月堂で動揺した私ですけど、なあんだリアルブランド結構出てるじゃない。

ってことは、これまでのお酒もやっぱり実在するのかな。

そんなしっとりした雰囲気の中でメッセージアプリに映るのはコアラのアイコン、松嶋くんが明日の誕生日はお祝いさせてくださいなんて呑気なメッセージを送ってくる。

こんな惨めなことない……。

10月19日

大庭家のカレンダーには、「六っちゃん誕生日」の書き込みと、「自分は別と勝手な自信」という意味深な印刷済みの名言。

40代、最初の試練。
フラれたも同然の相手とデート。試練にもほどがある。

そしてタイミングの悪い男と付き合うと、植物園デートで花言葉の話するだけでとんでもなく振り回されます。

『あ、知ってる。「乙女の純潔」?』
『ああ、それ(六月が言った花言葉)はピンクコスモスで、(今目の前で咲いている)チョコレートコスモスは「恋の終わり」』

よくもまあそんな笑顔で誕生日祝えるなあって。ねえ、思いますよね。思っていいよ、六月。

『までもね、40なんてそんなあの、祝われてキャッっていう年でもないから』
『じゃ、どんな感じですか?』

30代の松嶋くんには未知の世界よね。

『……ぁあーって感じ?』
『じゃあ50歳になったら?』
『おおー!じゃない逆に』
『60歳になったら?』
『よく頑張った、ヨシ!だね』

この関係、心地良いね。これからいなくなるって分かっていても、今日来れてよかった。
やっぱり、好きになんてならなきゃよかった相手じゃないんだよ。

 『全部見たいです』

急に真面目になるやん。
軽口モードになっている六月、ガードがらがら。

『ん?』
『六月さんの、おおー!も、ヨシ!も、全部見たい』

ちょっと何を言っているか分からない、きょとんとした六月が最高にかわいい。

松嶋くんの手品は基本的に1種類なので、なんでも器用にこなすタイプじゃないとお見受けするんですよね。1話でハムスターばらまいてるし。

でも、こっちが予期せぬところで何か仕掛けてくるんですよ。本人に仕掛けるつもりがなくても、何かが起きてしまう。

六月は、もう40だしって思ってる。でも体と心の奥底にある新しいもの、刺激を求める気持ちがどうしようもなく松嶋くんとフィットしてしまうんですよね。

割れ鍋に綴じ蓋好きすぎるラブコメ好きには、とりあえずこのシーンだけでも見てほしい。

『……あー、すいませんあの、そんなに高いものじゃないですあの、いきなり重いのもあれなんで』

こうやって台詞を書き起こすと、六月と松嶋くんって明らかに「あのー」系の繋ぎ?が多いんですよね。台詞において、特に会話のテンポを重視しているカップルなのかもしれません。

というか、このシーンはかなりの割合アドリブかもしれない。

『僕と、結婚してください』

草木がモチーフの指輪。本当に植物好きなんだなあ松嶋くん。そして手がドアップで写っているのに白くて綺麗。

大庭家

あ、やっぱり食事はスモークカフェ(旧・居間)なのね。こんな立派なセットつくっておいて、残り2話のために引っ越し先のセット使うとかありえませんからね(メタ視点)

真ん中に置いてあるのがちらし寿司なの、いい。

そんでもって、ちゃっかり左手薬指に指輪はまってますね、六月。ガールズトークしている時には外してますけど。

プロポーズに妹ズが『いいな~』と言っているのを意外に思っている六月。いやそうでしょうよ2人はまだ若いんだから。おまけに2人とも一応失恋中なんだから。

七苗『自然と出てしまった……』
八海『別に結婚願望あるわけじゃないのに』
七苗『ついでに私も』

七苗はコメディ気味に掛け合いしてるけど、これはどこまで本気なんだろう。

八海『でもいいよ。素直にうらやましい。だって、普通にいい人だもん、松嶋さん』
七苗『よく女子がいう「普通の人でいいのに~」の、すっごいハードルの高い普通ね』

いや、彼はそんな普通じゃないぞ?

でもまあ、アクも裏もないという意味ではそう思います。だから私も松嶋くん好きなんだな。

ちょっと納得しました。

でも六月は23歳で家を出て行ったあの時とは違うから、大事にしたいものがいっぱいある。
事務所、実績、家族、おおば湯。

でも何より「この先どうなるか分からない」。これが1番の理由なんじゃないかなって思います。コウタロウが帰ってくるかどうか話していた時も言っていましたしね。

『年下男子に依存して?すべてを捨てて?ついて行くエネルギーはないよ』

これはすごく現実的。これ言われたら、若い2人もさすがにやれ行けそれ行けとは言いづらい。

六月『これって相当贅沢なこと言ってる?』
七苗『いやいやいや』
八海『うん。誰かと結婚したらゴールってわけじゃないし』
六月『それは1番、身に染みてわかってる』

そう、身に染みてるよね。それでも松嶋くんを抱きしめて、手をつないで、前に進もうとしていた。

海外の話は意外だったかもしれないけど、もう傷つきたくない六月が適当な覚悟で松嶋くんを受け入れたわけないじゃないですか。松嶋くんがどんな人かなんて、一緒に仕事をしてきた六月が1番わかってる。

七苗『でもこれだけは言わせて。いいなあって思う人と一緒にいられる。これってすごいことだよ。よく考えて。後悔しないように』

六月も八海も思うところがあるだろうに、この時点で七苗にやいのやいの言わないところが愛だなあ。

そしてn回目となるコウタロウからの電話。
視聴者の我々からしても複数回ですから、彼らの世界ではもっとかかっていたのかもしれない。

六月と八海としては、以前聞いていた「連絡はあったけど~」の連絡が今も続いてたなんて初耳でしょうね。
だって七苗言わないんだもの。

最後の電話

芝田家・黒塗り車の前にて

百合子さんはおいくつなんだろう。芝田悠斗が36歳ですし、大政さんキャスティングと服装の落ち着きからいって七苗より年上な印象。ボーダーではないにしても、こちらはこちらで一世一代の決意を決めてますね。

寿前提で、退社かあ。

上司の前でも堂々と意見を言える、お茶休憩の時も人材確保の話をコウタロウにいきいきと話していた彼女もきっと、仕事を大切に頑張ってきた。それなのに退職を決めた。

『悠斗さんを支えるために専念したい』って。

でも、そのスピードはコウタロウが歩み寄ろうとするそれよりもはるかに速すぎるから《眉をひそめるコウタロウ》になる。

誰に対しても誠実でありたいコウタロウにとって、こんな苦しい展開あります?

大庭家

『こうするしかないの。こうして忘れるしか』

しまった、8話から数えておけば良かった……!
七苗の、自分に言い聞かせるような台詞。1度神戸にいった分、8話よりも覚悟は決まっているように聞こえるけど、やっぱり視野が狭いから息苦しい。

こうするしか、って。しかって何よって。

八海と六月の言葉にはそれぞれ、私たちが見てきた彼女たちの焦りやモヤりが全部詰まっていて、もう全部書き起こしたい。

っていうか台本発売してくださいお願いします!!!

しかし、いまさら全部書き起こすと恐ろしいことになるので、今回の私は六月にずっと注目しているのをいいことに六月のやり取りだけピックアップします。

『「好きにならなきゃよかった」?コウタロウさんと、出会わなきゃよかった?そうやって全部なかったことにしちゃうの?』

この9話全体を通して、六月はずっとこの台詞に引っかかっていました。

私はこれを、彼女自身と成澤さんのことを考えてたのかなって思っていたんですけど、やっぱり七苗自身のことを案じているんだなと思いました。

コウタロウとの出会いを否定するということは、KURAで鬱々としていたあのままが良かった、おおば湯なんかリニューアルしなきゃよかった、久吾となんて出会わなきゃよかった。そういうことになる。

もちろん、コウタロウがいなくても変化はあったかもしれない。8話で六月が言った通り、この人じゃなきゃ駄目なんてことはない。

でも、七苗のこの台詞は、「そういうこと」になってしまうんです。

芝田家・玄関

『もしもし?』

いくらかけても出てくれなかったのに、七苗の方から掛けてくれるなんて、こんな胸の弾むことないですよね。今のコウタロウはただでさえ、百合子さんの退職で追い詰められています。七苗の声が聴きたくてしかたない。

百合子さんの前では決して出すことのできない、コウタロウの甘い声。新しいスマホから七苗にかけた時と同じ、助けてほしい甘えた声。

『コウタロウさんに会えたから頑張れた』

頑張れた。過去形です。そこから先続く感謝の言葉も全部、全部、過去形。

電話だからお互いに表情が見えない。お互いに余裕がないから放たれた字面が全て。

『七苗、俺——俺は――』

その先何を言いたかったんだろう。

遠くからもわかる華のある姿。そんな彼女が笑顔で手を振りながら、買い物バッグを持っている。いかにも家庭的で、あー嫁入り修行って今でもあるんだな~なんて現実逃避までしたくなる。

《笑顔でコウタロウを見ている百合子。決心するコウタロウ》

決心したのか。何を見て決心したんだろう。七苗の言葉か、百合子さんの姿か。

どっちもかな。結局のところ、七苗も百合子さんもコウタロウに同じことを言っているのだから。

『こっちの生活に戻ろうと思う。芝田悠斗に』

たくさんの理由を並べて『だから心配しないで』なんて、七苗みたいなこと言っちゃって。

『分かった。コウタロウさんと会えてよかった。ありがとう』

……からの主題歌です。魔法が解けてどのくらいとか、優しい嘘で包んでよとか、こんな素敵でハッピーな歌がこんなつらい仕方で当てはまるなんてつらすぎる。

百合子さんは茶碗蒸しを習うんですね。芝田悠斗の好物ですものね。

芝田悠斗になろうとするコウタロウは、百合子さんに何の話をしたいんだろう。

大庭家・電話後

ここで顔を伏せて泣いてるのが六月。でも、寄り添ったら、八海だって泣けてきちゃうね。

次回予告

『いいのか、このままで?』

どうとでも取れる陽ちゃんの台詞。

『答えって、0か1かじゃないよ』

七苗の台詞もどうとでも取れる。

最後の、七苗の笑顔が本当の笑顔でありますように。


この初稿書いている時点で6月22日の3時を過ぎていて、もう皆さんはとっくに最終回を見届けていると思います。

だから、この感想は完全に自分の記録用です。

まさか1番しんどかった9話を4記事にもわたって書くとは思わなかったけど、しんどい分だけのめりこんでしまったんだと思います。

こんな調子で、最終回は何個記事を書くことになるのやら。案外1個ですんだり。まさかね。

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