#3_madnessのこと
madness、狂気が混じるものがとても好きだ。
最初に意識したのは11歳くらいの時に「紅の豚」を観てからだと思う。あれから20年以上経って、ジブリ映画もいろいろな作品が加わったが私の中での第1位はずっと「紅の豚」である。
一番最近だと、
世田谷パブリックシアター20周年の公演で野村萬斎の創作舞踊「MANSAIボレロ」でその祈りと狂気に魅入られたり、
バレエダンサーのセルゲイ・ポルーニンのここまでの半生を描いたドキュメンタリー映画で、踊りに、独白に、ひたひたとにじむmadnessにこちらも静かに打ちのめされたりしている。
ここでいうmadness(狂気)とは何か。
苦悩と近いけどそれとは異なる。
どちらかというと本能とか本性に近いもの。
例えば
「紅の豚」のポルコロッソが時代の移り変わりや周りの人の自分に向ける気持ちを正しく理解しながらも赤い飛行機での決闘に突き進んでいくこととか、
セルゲイ・ポルーニンが「踊るのをやめたら楽になると思った」けど「楽になるために踊り続ける」道を選び取ることとか、
かっこよさの追求とその向こう側の葛藤みたいなものかなと思う。
ドロドロした感情を超えた場所、おそらく「時間の華」が咲くような内面と向き合える場所で本能的な欲求と刃を交えるような、そういう一瞬の狂気は本当に美しい。
そしてその一瞬があってこそ、その先の道が何らかちゃんと用意されるような気がするし、そうあってほしい。
自分のいる狭くて小さな世界にあって、自分もそうなりたい/ありたいと願い続ければ何かにぶつかっても先は開けると、そう思っている。
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