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回想カブトムシ〜出会いは突然に

去年の夏、じいじが突然
息子にカブトムシを買って来た。

5歳の息子は大喜びだったが
私の心は穏やかではなかった。

そもそも虫がそんなに得意ではないし、
結局私が世話することになるのも目に見えているし。

「まったく、なんて迷惑な。
3匹も。何の相談も無しに・・。」

しかし、あずかった命を無下に出来るはずも無く
カブトムシとの生活がはじまった。

家に、家族以外の生き物がいるのは初めてだった。
息子もまだお世話は難しいが、とても可愛がっていた。
だんだん、私にも母性に似た何かが芽生えていった。

毎日毎日、餌の様子を見て、湿度をチェック。

はじめは木しか入っていなかった昆虫ケースに
遊べるスペースをつくってあげたり
落ち葉のふとんを敷いてあげたり。

夜中になると毎晩ガサガサごそごそ活動しはじめる彼ら。
時には喧嘩の仲裁などもし、ケースをわけてやることも。

しかし
カブトムシの成虫の命は短かった・・・。

うちにきてから2ヶ月足らず。
秋についにカブトムシを見送った。

一番はじめに天に召されたのは
一番つよくて大きいオスだった。

亡くなる前の夜、ものすごい勢いで
虫かごの中をぐるぐる走り回っていて
今日は一段と元気だけどどうしたんだろう?
と思っていた矢先の事だった。

どうしていいのかわからず
とっさに子供達を呼んで
般若心経を唱え始めてみたものの
なんだか違う気がして
フェードアウトしてだまって手を合わせると

私の戸惑いを察知したのか息子が
「こう言ったらいいんじゃない?『だいすき』って。」
と言った。

その言葉にうるっときてしまい
その後、堰を切ったようにおいおい泣いてしまった。

自分も最期の時は
だいすきって言われたらうれしいな。

そう言ってもらえるような
生き方がしたいな・・・。

つづく

画像1

※息子が描いた絵

→続編
回想カブトムシ〜カブ太のこと
https://note.com/maki_nagayama/n/n1dad698ebf87



おまけ

大田こぞうさんのラジオ番組LOVEFM『月下虫音』に
はじめて送ったメッセージ

こぞうさんこんばんは。
iimaの永山です。
初めておたより書きます。

昨日は最終回のうたを流してくださって(しかも番組冒頭で!)
ありがとうございました。
とても嬉しかったです。

先日ご出演させていただいた時にお話したカブトムシなのですが
昨日ついに天に召されました。

亡くなる前の夜、ものすごい勢いで虫かごの中をぐるぐる走り回っていて
今日は一段と元気だけどどうしたんだろう?って思っていた矢先の事でした。

どうしていいのかわからず
とっさに子供達を呼んで
般若心経を唱え始めてみたものの
なんだか違う気がして
フェードアウトしてだまって手を合わせると

私の戸惑いを察知したのか保育園年長の息子が
「こう言ったらいいんじゃない?『だいすき』って。」
と言いました。

その言葉になんだかちょっとうるっときてしまい
その後、堰を切ったようにおいおい泣いてしまいました。

自分も最期の時は
だいすきって言われたらうれしいなあ

そんな時、月下虫音で聴いた最終回のうた

ー最終回の後にも物語はつづくのよー

自分で書いた曲ではありますが
そんなことは忘れて聴くことができて
こぞうさんに慰めてもらえたようでした。

またこぞうさんとお話出来る日を楽しみにしています。

iima
永山マキ
2019/09/09 19:31


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