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好きだから使えない、ってことない?

厚紙サンプルの雑誌を買いたくて悩みながら、以前買ってずっと持っている紙たちのことを思い出していた。

すごく好きで、使うのもったいなくて、いったん広げてみてながめてからまたそっとしまってある。
セットのものを順に並べて一応すぐ出せる場所に大切に片付けている。

たまに書類やレジュメなど近くに片付けてあるものを整理するときに、並んでる様を見て満足したり、気になったセットを取り出してグラデーションをながめたり、こんな紙あったっけなと思って見ていたりする。

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以前、竹尾ペーパーさんの企画で、デザイナーさんが選ぶ紙セットがあった。
田中千絵さんがテーマに合わせて竹尾ペーパーさんの紙をセレクトしたもの

1年12ヶ月分、月ごとに選ばれた紙たちがとてもきれいだったし、いろんな紙が入っていて、無地だけでなく模様あるのもあったし、手触りも様々で、楽しかった。
その月に合わせて選ばれた色合いのグラデーションがきれいだったり、グラデーションではなく思いがけない色がある楽しさとか。この月にこんな色こんな紙をイメージするのだな、という。
自分で選んで買うならわざわざ選ばないだろうというものもあるので、そういうおもしろさもある。

やっぱり好きなのは、自分がもともと好きな青や緑のグラデーションの6月や5月とかなんだけど、白ばっかり黒ばっかりもいい。
3月がベージュとか(春の花とか芽吹きみたいな桃・黄・黄緑やパステルカラーでない意外さ!)、8月は山と海と大地の色が入ってたりとか(私だったら向日葵や太陽の黄色オレンジとかイメージしそう)、12月には金銀入っていたりとか、おもしろかったな。
ピンク系やオレンジや茶系などは、普段手に取らない色なので、見てみたら結構いいなと思ったり。
紫とかピンク系グラデーションは好きなのだけど、こんな色も入るんだと思ったり。

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この月はこのテーマでこんな紙たち、とセットとしてセレクトされているもののはずなので、私には、そのセットそろってひとつの作品ひとつの商品という感じがあり、さらに、12ヶ月つくる前提で各セットがつくられているだろうから、1年分そろってひとつの作品という感じがある。

だから、使ってしまってセットが欠けてしまったらいやだ!と思って、使えなかった。

2枚入っているのは使ってもセットとして成り立つので、少しだけ使ったことはあるけど。
それでも、誰かにプレゼントするためのカードにするとか、特別だから使うぞと思い切って使ったという感じ。

きっと、それぞれの紙を1枚1枚見ていったら、そこまで好みでない1枚だってあると思う。
ベージュ系とか、そんなに好きでない色なので、単体で使うイメージまったく浮かばないし。
でも、セットで見たらこのグラデーションはきれいだと思うし、欠けたらそのきれいさは成り立たないと思う。
今見たら、このサイトのセレクト理由など読みながらだと、1枚1枚を見てみても、その選んだ意味感じながら、いいなと思って見るのかもしれないとも思う。

そういう意味では、これは紙として好きというだけでなく(もちろん紙としても好きなんだけど)、デザインとして好きなのだとも思う。
こういう意図でこれを選んでこの月を表現した作品として。それらを組み合わせた1年のイメージとして。

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紙として、こんな風に使えるよと提案も含められた作品として、これは使ってこその意味があるのだともわかるのだけど、やっぱり全部そろったままにしていたいという気持ちが大きくて。

いつか使えるかな?とも思いつつ、ずっと大事に持っている気もする。
でも使ってちょっと残りとっておいてそれを楽しむくらいになりたいなとも思う。

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