見出し画像

穏やかな散歩のように like a gentle walk         Laura day romanceについて

ミニレポ

 昨日、1/29渋谷WWWXで行われた Laura day romanceのワンマンライブに行ってきました。去年のWWW以来のワンマン。あの時一番前で見られたのはラッキーだったなあ。昨日はソールドアウト講演で人がいっぱいでした。

 SWEET VERTIGOと名付けられたワンマンライブ、その意味についてよく考えていませんでした。vertigoという英単語をググってみると「眩暈」であることがわかりました。
 sweetな眩暈です。甘い眩暈だと響きが悪いのでsweetのままにしておきます。

 昨日のライブでまさにSWEETな眩暈が引き起こされました。恋に落ちたときの、くらくらしてしまうような感覚です。息を吸えば胸がいっぱいになって、でもその分、身体の中に広がりが感じられる。やがてライブハウスは音楽で満たされて景色が少しずつ揺らいでいく……。

 とても心地の良い空間でした。本当にめちゃくちゃ大好きなバンドです。
ぜひ、みんなに聴いてもらいたい!そして語り合いたい!美しさについて。
そして誰か彼らをフェスに呼んであげて!!!

オススメな

 まず、パッと聴いてボーカルの声がめちゃくちゃ良いんです。細い糸を使って一枚の布を丁寧に織り上げていくような美しさ、輝き。ちょっといたずらをしたらダメになってしまいそうな儚さ。とにかく最高の歌声。耳元で優しい言葉を囁いてくれているような気になります。

 そして、ライブでクールなんです。引き算の美しさ。ライブ以外でどうなのかは知りませんが、ライブではクールだなあと思いました。
僕、甲本ヒロトみたいなアツいボーカルが好きだと自覚していたんですが、井上花月さんはクールなのに好きなんです。様になっているクールと言いますか、昔の女優みたいな余裕が感じられます(昔の女優なんて一人も知らないけどね)。ミュージックビデオとかでも感じられるのでぜひ。

 で、ギター。これがたまんねえ。一番心地よい音を出してくれます。それでいて構えすぎていないというか、自由なんですね。遊び心。かと思えば、3本のギターが素敵に絡み合ったり。言葉が足りません。アコギのフレーズも素敵やし。
ライブのときの鈴木迅さんがめっちゃ好きです。なんか変わり者の天才みたい。とにかく楽しそう。公園で遊んでるこどもみたいで穏やかな。

 あと、ドラムめっちゃ気持ちいんです。優しく全体を支えながら、ふっとずらしてくれるみたいな?飽きさせないリズムがある気がします。何回でも同じ曲を聴けちゃうんだよなあ。ライブでも一番存在感あるというか、あるようでないというか。ありすぎないというか。とにかくドラムめっちゃ好き。

 なんて言っていいのかわからないんだけど、全体のハーモニー?全部が心地よく関係しあっているように思うんです。楽器単体も気持ちよくて曲全体として美しい。

 最後に歌詞。もっと言いたいことはたくさんあるんだけど、あんまうまく言えないんだなあ。めちゃくちゃ長い時間かけて書いちゃってるし。もっとうまく文字をかけるようになったら語りつくしてやるぞー。目に見えないものを語るの難しいなあ。

 ということで歌詞。この音楽いいなあ、とか、この曲好きだ、ってなることは結構頻繁にあるんですが(そりゃあ色々探して聴いてるのでそういうもんかもしれない)、この歌詞良い!ってなることあんまりないんです。自分はですが。もちろんこのフレーズいいなあみたいなのはよくあるんですが、全体として景色が見えてくるような詞ってなかなか出会えません。Laura day romanceの歌詞ってそういうものだと思うんです。

 住んでる街、暮らしの情景、みたいなものが見えてくる気がします。全体としての景色も素敵だし。フレーズで表現されるワンシーンも素敵。歌詞を意識的に聴いていなくてもすっと心に入り込んでくるフレーズがあるし、曲としても何かが見えてくる。例えば、「魔法は魔女に」

声で溢れる通り
後ろ指さされる傘を
さして君と歩いて行こう

 詩です。音楽と詩が限りなく広いところで手を組み合ってる。間違いなく芸術なんです。そこにこだわりはないんだけど。
もっと時間をかけていっぱい書きたいけど、お腹が減って来たので次!

どの曲から?

 ここから僕的オススメの、というかこの曲から聴いてみてはというやつです。本当はどれから聴いたっていいということは言うまでもありませんが!

1.Sad number

 この曲は間違いない!僕もこの曲が出たときにLaura day romanceを知って好きになったしね。ウルトラポップソング。っていうとなんか違う気がするけど、Laura day romanceの良さが詰まっています。耳当たりもいいので最初に聴く曲として最強かもしれません。

2.olive drive 橄欖思巡

 サビのメロディーがめちゃくちゃ耳に残る曲。次の日には鼻歌歌っちゃっています。ギターの音もめっちゃ心地いいやし。ドライブで流れていく景色のリズム。なんかとっつきやすそうなので選びました。

3.roman candles 憧憬蝋燭

 いや、おすすめの曲って言ってんだから曲紹介しろよ!という感じですが最後はアルバムです。
このアルバムマジで好きなんです。無人島に持って行くアルバムを10枚選んでくださいと言われたら絶対持って行きます。
 去年、実家に帰省した時に聴いて泣きました。こんなに美しいものってあるんだと思ってしまいました。恋人に送るのも憚られるほど綺麗な。
それでいてその美しさに留まりすぎないんです。美しさだけにかまけていたい。けど、それだけじゃなくてちょっと外を歩いてみたくなるような。
実際に初めてこのアルバムを聴き終わった時、散歩をしました。なんとなくなんですが。なんだか、いつもよりも多くのものが見えてきました。僕が早歩きで見逃していたもの。通り過ぎていたもの。見慣れた地元の風景がより鮮明に見えたんです。そして風の音。夕陽のにおい。僕は二本の足で歩いているということ。
 このアルバムの美しさは、音楽の中だけに留まりません。僕たち聴き手の感覚で新しい美しさを見出すことの手伝いをしてくれるのではないでしょうか。この記事はこのアルバムを聴いてほしくて書かれたのかもしれません。

ぜひ、Laura day romanceの音楽を聴いてみてね。
穏やかな散歩をするみたいに。

https://music.apple.com/jp/artist/laura-day-romance/1303389435

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?