日本の野菜をベランダ栽培したい
パリ郊外に移住してきて半年が過ぎた。
私の住むエリアは朝晩はまだ12℃前後でひんやり涼しく、時折スコールのようなにわか雨が降ることもあるが、だんだんと初夏の気配もしてきた今日この頃。
湿気のないヨーロッパの夏を経験するのは初めてなので楽しみにしている。
が。
夏が近づくにつれ、これまで日本で当たり前に食べていた野菜(特に茗荷、青紫蘇、オクラ、ゴーヤ)を身体が求めている感覚がある。
そして生まれてから30年来、毎夏お世話になっていた「そうめん+めんつゆ」という最強コンボを気軽に入手&大量消費できなくなった事実に、じわじわと悲しい気持ちが湧いてきている。
今のところ、米欲は現地で調達できるものでまぁ満たされている&納豆もないならないで普通に過ごせる&海産物も恋しいっちゃ恋しいけど、できる範囲で適応していってると思う。
ただ、そうめんと夏野菜に関しては、なんか禁断症状が出てしまうんじゃないかと若干の不安を覚えているところ。
いやまぁ、高いお金出せばアジア食品店で買えるよ?そうめん。
でも少量パックしかないし、日本だとこの時期からスーパーでお得にまとめ買いできたり、お中元とかで1箱 数10食分もらえたりするやん?
あれ、日本にいる時は「はいはい、毎年恒例のやつ」とか「こんなに食べれるかなー」とかたいして有り難みを感じてなかったんだけど、実はめちゃくちゃ幸せだったな…と今になって恋しく思ってる訳です。
失って初めて大切だったことに気づく。人生。(?)
話を野菜に戻す。
そんな私の心情と先述した野菜への欲求を、夫とさんぽしながら話していた。(以下 意訳)
私「フランス(ヨーロッパ)だと買える場所なかなかないよね。ていうかそもそも栽培されてないよね」「誰か種もってないかな〜?一時帰国の時に自分で買って持ってくるか?」「自分で欲しい分だけ好きなように育てられたらめちゃくちゃ良いのにな」
夫「いやいや、その気持ちはすごくわかるけど、実際に日本で買った種を国際線に持ち込んだら検疫で廃棄されるどころか下手したら別室行き&拘束される可能性あるかもよw空港の高性能荷物スキャンを侮っちゃダメ」
私「ワンチャン問題なく通過できたりしないかな?ほら、日本のテレビで密輸犯があれこれ工夫こらしてる再現VTRみたことあるやん(真似しようとするな)」
夫「そんなリスク犯して前科持ち&入国拒否になるのだけはやめて泣」
私「確かに…やっぱりだめか…(どこか諦めきれない気持ち)」
と、冗談半分でケラケラ笑いながら話した結果、当然ながらこの欲求不満は解決できなさそうということだけは再確認できた。
以前 夫のお兄さんが、私のようにとある日本の植物(おそらく花か草木?)の種を買ってきて欲しいと夫にお願いしたことがあったけど、夫は手間と変に怪しまれる可能性は極力減らしたい、との理由から断ったらしい。
まぁ普通に考えてそうだよね。
ここまで書いたところでやっと植物防疫所のサイトを確認してみたら、まさかの茗荷はいけなくもなさそうということを発見してしまった。まじ?
これって過去に問い合わせた人がいるからこうして一覧に掲載されてるのかしら。
グッジョブ、同志よ!
▼諸外国に植物等を輸出する場合の検疫条件一覧(早見表):携帯品編
https://www.maff.go.jp/pps/j/search/e_hayami_keitai.pdfなにこれ見にくいな
うーん。詳しくはもっと調べる必要があるとして、確認して検査に通れば絶対に無理というわけではないみたい?産地や入国先によっても細かく規定があるのね。
でも輸出入条件詳細情報ページでだいぶ強めの圧で脅してくる感じがガチすぎて、もうこれ以上なにか行動を起こそうとする微かな希望はコロリと失われた。
ということで、タイトルにある願望は夢のまま終わりそうだけど、日本に一時帰国する予定がきまった折には間違いなく「食べたいものリスト」の上位に食い込むであろう項目がまたひとつ増えましたとさ。
いろいろな場面で四季を感じる日本の文化ってこんなに素晴らしいものなんだな、と改めて感じられるきっかけだった。
この日本人らしい感覚、意地でも鈍らせるものか!と、これからも心の中で静かに守っていこうと思う。
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