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四つ辻で悪魔に逢う

 ボイジャーに乗って宇宙を旅しているチャック・ベリーは、ビートルズがカヴァーした「ロックンロール・ミュージック」を歌い、「ロック界のレジェンド」と呼ばれたシンガーソングライターですが、本当のロックの創始者の話を別に聞いたように思いました。……「四つ辻で悪魔に逢った」?
 たぶん、浦沢直樹のマンガ「二十世紀少年」にあったんだと思います。
 その言葉でネットで検索してみたら、すぐに出てきました。有名な話らしいのです。

 ロバート・ジョンソン。南部のブルースのギター奏者ですが、1961年にコロンビアレコードが、彼の歌を集めた2枚組のアルバムを制作し、エリク・クラプトンやローリング・ストーンズが心酔し、カヴァーしたことで知られるようになりました。録音された歌は29曲しかなく、その後どうしているのか、人々が追及したところ、1938年に27歳で死んでいることがわかりました。


 彼の経歴も死のいきさつも伝説だらけですが、名高い話は、とある十字路で悪魔に逢って魂を売り渡し、超人的なギターテクニックと歌唱力を得た、というものです。彼の歌の一つに「クロスロード」があり、また別に、悪魔と肩を並べて歩くというような歌詞を持つ歌があるので、そんな話になったのだろうとのことです。単なる言い伝えだろうに、彼が悪魔と逢った十字路はここだと、ミシシッピ州のルート49とルート61の交差点にモニュメントが建っており、観光客も訪れるのだそうです。

 そんな話をネットで追っていたら、キューバのお祭りの話がありました。エレグアと言う名の子供の神様がいるので、子供たちにエレグアの仮装をさせるのだそうです。そしてエレグアは人に行く道を教える道祖神のような性格の神で、「十字路にいる」!
 アフリカの人々の多神教の神々の中に、部族によってそれぞれ名前はちがいますが、「夏の夜の夢」の妖精パックのような、いたずら好きの神様がいて活躍するのだそうです。その信仰がアフリカにルーツを持つキューバの人々の間で生きている。しかしアメリカ南部では、黒人奴隷たちに一神教のキリスト教が強制され、いたずらものの神様は結局、「悪魔」ということになってしまったのだろうということです。
 エレグアの話は下のサイトに載っています。
 
Abakua.blog.fc2.com/blog-entry-14.html#comment8

 余談(蛇足):今はエリック・クラプトンと言われますが、私たちの世代はエリク・クラプトンと言います。エリック・サティでもエリック・ドルフィーでもいいんですが、エリク・クラプトンはその方が語呂がいいじゃないですか。
 ちなみに音楽番組のキャスターのピーター・バラカンさんもエリク・クラプトンと言いますよ。

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