#0-1 導かれるように

夫と息子とで、3人暮らしをしている私。
夫の転勤により、実家のある長野県から愛知県名古屋市に移住したのは、
今から3年前の秋でした。

その名古屋への転勤が、私の運命を大きく変えることになりました。
今回は、そのきっかけとなった出来事をお話させていただこうと思います。

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転勤直後の年末。
仕事納めから帰ってきた夫と一緒に、夫の実家へ車で帰省しようとしたときのことです。

普段どおり高速道路に乗って、目的地に向かい始めた直後。

ガタガタガタ・・・
プスンプスン・・・

異様な音とガタつきが、突然車内に響きだしたのです。

私「え?なにこの音?」
今までに感じたことのない感覚。
冷たいものが体を流れだしました。

冬の高速道路上。しかも、夜も遅い時間。
私は初めてのことにパニック。

そんな私をよそに、夫は「エンジントラブルらしい」と異常なほどに冷静。
後続の車にスピードダウンを知らせるため、
ハザードランプをつけっぱなしで走行させるなど、
コントロールの効かなくなった車をなだめつつ、
次のパーキングエリアまでなんとか走らせたのでした。

到着と同時に、私は、「良かったー!」と安堵のため息。
息子は、「お腹すいたー」と能天気。

その後、JAFに出動を依頼した夫は、
「待っている間、おそばでも食べるか」と、温かいかけそばを
家族分注文したのでした。

JAFの方が来たのは、それから30分くらい経っていたでしょうか。
さっそく車を見てもらうと、
「多分、ご実家までは無理だと思うので、お家に戻られて修理された方が
よろしいかと・・・」

ガックリ。
全ての準備をしてでてきたのに。

仕方なく、心配している実家の家族に電話をかけて、
無事であることと、故障のために今日は帰宅できない旨を伝えました。
その後JAFの車でレッカーされ、
深夜になりましたが、無事に車と一緒に名古屋の家へと帰ることが
できました。

私「無事に帰れただけでも、ありがたかったよね・・・」
夫の実家へは、名古屋から車で3時間程度。
もう少し進んだところで故障していたら、
すぐに自宅に戻ることさえも厳しかったかもしれないのです。
とにかく無事だったことに感謝して、その日は床につきました。

大晦日。

朝になって、夫が車のエンジンをかけると、全く動かない。
夫「エンジンがかからない。電気系統が故障してしまったかもしれない。」と落胆している様子。
大晦日なので、車のディーラーや修理工場はもちろん休み。
修理に出すことすらできません。

それでも夫は、実家になんとかして戻れる方法を考えていました。
保険会社に連絡して、レンタカーを借りようとしましたが、
当日手配はさすがに無理。
JRの特急も混雑していて幼い息子には負担が大きすぎると、
どうにもならない状態に。

夫「仕方ない。今回は名古屋でお正月を過ごそう。」
諦めて、家族3人のまったりなお正月を数日間過ごすことにしたのです。

元日。

保険会社から連絡があって、レンタカーの手配がついたとのこと。
これで、移動の手段は何とか確保しましたが、
スタッドレスタイヤまでは無理でした。
そのうえ、夫の仕事は3日から。さすがに、帰省は不可能です。

夫「でも、車はあるんだ。せっかくだから、名古屋のどこかの神社へ
初詣に行こうか。」
突然思い立った夫の提案。
行ってみたいな、と素直に思った私たちは、初めての名古屋の初詣へ
行くことにしました。

そこで、思いもよらない方向に導かれることになるのです。

~ 続く ~

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