みわ

東京カレンダー『東京女、27歳』『実家暮らしの恋』連載/ショートストーリーやエッセイを…

みわ

東京カレンダー『東京女、27歳』『実家暮らしの恋』連載/ショートストーリーやエッセイを書くのが大好き。OL。悩みには正面から泣きながらぶつかるタイプ。

マガジン

  • つぶやき

  • 【SHORT STORY】おとなの、とるにたりない日々に

    真面目にまっすぐ暮らすひとたちの心の動きを通じて、少しほっとしたり、前向きになれるような作品を目指して、書いていきます。

  • オット/家族のタイプ別、計らないごはん

    家族の性格や構成のタイプごとに、計らないで作れる料理のレシピが合ったらうれしいんじゃん?という企画マガジンです。だれか一緒に書いてくださいー。

最近の記事

【SHORT STORY おとなの、とるにたりない日々に】 STORY3 「何者でもない私」の夜 智子の場合

「じゃあ、先に寝るね」 23時すぎ。夫は大きなあくびをひとつして、私より一足先に寝室へと向かった。 PCの画面を見つめていた私は、慌てて顔を上げ、遠ざかる背に小さく「おやすみ」と声をかけた。返事はない。 よーし、とPCに向かい直る。そういう時は大抵、「よーし」とは思えていないと知っている。 30歳。OL。企業の広報担当。日中の私の顔だ。 華やかな仕事で羨ましいと言われることもあるけれど、メディア対応の華やかそうな仕事の裏には、綿密な調整・ひたすらにライティングといっ

    • 【SHORT STORY おとなの、とるにたりない日々に】 STORY2 今、急には変われないけど〜薫子の場合

      「そんな思い詰めたような顔しなくても、大丈夫、なんとかなるから! 僕からもフォロー入れておくから、あんまり気に病まないで。 その対応で間違ってないからさ」 申し訳ありませんでした、と頭を下げた私に、上司の津田さんは困惑と笑顔の混ざった表情でフォローを入れてくれた。 「転職してきて1年目なんだしさ、そこまで気負わないでも、慣れていけばいいよ」 もう一度、「大丈夫」と言って、津田さんは会議室を出て行った。 電子部品専門の商社から、総合商社に転職して10ヶ月。 欧米からの穀

      • 【SHORT STORY おとなの、とるにたりない日々に】  STORY 1 :自分で自分をもてなせる 〜のぞみの場合

        30歳になったら力が抜けて楽になるよ、と、25歳の頃、前職の先輩に言われたことを思い出していた。 全然楽になんかなんないよー、とひとりごちて、シャワーを止めた。湯船にそっと体を沈める。 25歳の夏、前職の会社の先輩たちと、梅雨の合間の晴れた夜、お洒落なダイナーでスパークリングワインを傾けていた。 大人の小粋な夜を知った気になって、いろんな遊びを経験した気になって、でも若さは武器だと知っていたあの頃。 アパートの足の伸びない湯船の中で、三角座りをして、ガサガサになったて

      【SHORT STORY おとなの、とるにたりない日々に】 STORY3 「何者でもない私」の夜 智子の場合

      • 【SHORT STORY おとなの、とるにたりない日々に】 STORY2 今、急には変われないけど〜薫子の場合

      • 【SHORT STORY おとなの、とるにたりない日々に】  STORY 1 :自分で自分をもてなせる 〜のぞみの場合

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