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Notionでタスクを管理する-5

先週書いたNotion×タスク管理のnoteを、たくさんの方に読んでいただけたので、解説noteを書くことにしました。

下記のnoteでは「半年かけて完成させたタスク管理術で効果が出たよ!」としか伝えていなかったので、今回は「Notionでどのように実現しているか」について書いてみます。

改めてタスク管理について考えると、タスクマネジメントもひとつのスキルですが、前提条件や思考(narrativeというか)、テクニックに至るまでの一式を言語化しきらないと、真の意味でのノウハウ伝授は実現できないんですよね。

こうしたノウハウって、以前は先輩のPC画面や手帳を見せてもらったり、同行中の雑談で相談したりしながら教わっていたような記憶があるのですが、リモートワークが多いと、そんな機会も持ちづらいのではないかな…などと思いました。

タスク管理が仕事のすべてではないけれど、うまくタスクを回せるようになることで、オーバーワークが生むストレスや関係性の軋轢を、少しでも無くせたら。その結果、仕事に悩む誰かを救うきっかけに繋がるのなら、積極的に手法(成功事例)を開示していきたいなあと考えた次第です。

以下に記すタスク管理の運用フローは、“今(2022年11月時点)の自分”に最適化している運用なので、きっと来月には少しずつ変化しているはずです。それもNotionの魅力ですよね。むしろ手法に拘らず、どんどんアップデートしていけたらいいですね。

<前提>
私は:
新規PJTをひとりで取り回す機会が多い、企画・マーケティング関係の仕事をしています。タスク管理手法を追求したくなった背景はこちらのnoteに書いています。

このnoteは:
「仕事面のタスク管理」に特化した内容です。(プライベートでのタスク管理はほぼしていません)
いかに“隕石のように降り注ぐタスク”を爆速でこなすか?について、約半年ほど、Notionをベースに追求した結果の「仕様と運用」を纏めています。

Notionでタスク管理する理由は:
状況(職種やポジション)や環境など、人によって千差万別で、かつ変化も激しいのがタスク管理術だと思います。都度、その時の自分に最適な方法を考え、試行錯誤していく永遠の課題です。なのでタスク管理のツールは、いつでも簡単にチューニングできるNotionが最適だと考えています。


0.タスク管理におけるPDCA

前提は「時間は有限のものである」というリソース管理の考えに基づきます。
どんなに「優先度高い案件」が舞い込んできても、自分の身体と心はひとつなので、オーバーワークは厳禁です。

とは言え、何処までが“自分の限界”で、まだやれそうな“のびしろ”は本当にもう無いのか?まだやれることがあるんじゃないか?と悶々としてしまうのは止められません。今もまだ、のびしろは全然あると思っているので、プラスの方向に思考が伸びるのはいいんですが、マイナスに触れると良くないです。

依頼案件をすべて受けられないのは、自分が何処かで手を抜いていたんじゃないか?と過去の自分を疑ってしまう。(歯医者に行く前の痛みを忘れてしまうようなものですね。喉元過ぎれば熱さを忘れる)
だから案件を引き受けてしまって、結果、負担が肥大化して「自分が引き受けた仕事だから手放せない」「なんで自分だけがこんなに忙しいの?」と悶々としてしまう。

そんな自分と訣別したくて、タスク管理のPDCAを始めました。大事なのは「時間を可視化すること」だと実感しました。自分はちゃんと仕事をしている、と過去の自分を肯定してあげることが(企画職の自分にとっては)はじめの一歩なのかなと感じます。
以下のように取り回しています。

タスク管理のPDCA

半年ほど、試行錯誤しながら実践してみて、一連の流れで一番大事なのは「REVIEW」の時間なのかもしれない、と思い始めています。
7月時点のnoteでは「まだ実になっている感が無い」と言っていたのに面白いです。

1週間単位で振り返り、軌道修正をする。
1ヶ月ごとに棚卸しをしてみて、運用をチューニングする。
半期ごとに棚卸しをして(弊社、半期ごとにコミットメントが再設定されるので)方向性を見つめ直す。
…というフローがベストなのかな、と思います。

リソース管理×週次レビュー



以下、タスク管理の一連のフローを、Notionの仕様とともに纏めます。

Notionの設定自体は、本当にごくシンプルなもので、難しいことは何もしていません。
「自分にとって運用しやすいタスク管理ツール」を、日々少しずつチューニングしながら、Notion上で作ってみた、というイメージです。


1.DASHBOARD


仕事中は必ず開いているページです。トップには1週間の「MTG予定のみ」を置いています。
「作業時間をどこで確保できそうか?」を都度考えたいので、空き時間を可視化するための仕様です。
毎週金曜の夜or月曜の朝に更新しています。

[構成]
5日+メモスペースとして6つの並列ブロックを作成
コールアウト(曜日)の下にチェックボックスを並べる構成
DASHBOARDのトップ
  • MTG名に、予め作成しておいた議事録ページのリンクを貼っておくと、MTG前に慌てなくて済むので良いです

  • 出勤/在宅勤務は曜日の前に置いたアイコンで表現しています(画像の週は、たまたまフル出勤のタイミングでした)

  • 会社では国産グループウェアを使用しているので、そちらに入ってきた予定を書き込む二重の手間は発生しています。(Googleカレンダーが使える環境なら、この手間が無くなるのに…!)

  • MTGの隙間時間を眺めて、どの程度のタスクなら消化できそうか?を考えます。翌日に着手予定だった作業を前倒しでやっつけたりもします

2.SCHEDULE&TASK

タスクが発生した時点で、即「SCHEDULE&TASK」ページを開いて書き込みます。
いつ(実施日)、どの位の時間をかけて(工数の単位:0.5時間〜5時間)、どうやるか(一言メモ&該当のNotionページへリンク)を入力します。

大きめの案件の場合は、タスクを分解する(=PJTの進行を考える)時は必ず紙に書いています。Notionに拘らず、その時、最速でアウトプットできる方法を選択します。
「手書きで書く」こととNotionの関係について考察したnoteはこちらです。

[構成]
データベースのテーブルビューで作成
・「TODAY」「TOMORROW」view→「stamp:今日/明日」でフィルタリング
・PJT名のview→PJT(タグ)でフィルタリング。✅にチェックが入ったら非表示に
SCHEDULE&TASK
  • タスクが発生したら、例外なく即・登録します

  • MTGでタスク発生することが多いので、MTG議事録に「自分のタスク」詳細を記述します。「SCHEDULE&TASK」登録時は、そのページ(orレコード)へのリンクを貼ります。タスク着手時は、そこを見に行きさえすればOK、の状態を作ります

  • ただし「進め方が不透明(確認が必要)」の場合は「XXに質問」としか書きませんし、「タスクが1時間単位の工数に分解できない」場合は「要・スケジュール作成」としか書きません。「作業内容と納期が固まっているタスク」のみ登録するので、ごみタスク(いつまで経っても登録されたままのタスク)が無い状態をキープできています

  • 重ため案件のタスク整理は、まず手帳に書き出し、整理してからNotionに登録します。なので「タスク管理」に30分かかったりもしますが、1週間・1ヶ月スパンで見ると、こちらの方が(ごみタスクが無いので)圧倒的に進行がスムーズだし作業が速い、と実感しています。リソース(上限)を鑑みて、限られた時間の中で成果を生むためにベストな進行は…と思案する時、私の場合は「構造化」しないと良いアウトプットができないので、手書きがマストです

  • 毎日「TODAY」のviewを開いて、脳死でタスクを処理していきます。忙しい時は、進行整理をしてくれた過去の自分に感謝しながら黙々とタスク処理する機械になります

  • すべてのレコードの進捗が「DONE」になり、チェックボックスにチェックがついている状態を、ひたすらに目指します

  • 「今日/明日のタスク量がやばいな…」と感じたら、優先順位の低いタスクはガンガンずらします。案件ごとのviewも眺めますが、すべての未完了タスクが載っているカレンダーviewを見てタスクboardを動かす方が速いです。「ずらしても支障がなさそうなタスク」や「むしろ寝かせた方が爆速で対応できそう」な案件をずらしていきます

  • (関係者への「ずらしますよ問題ないですね!?」というアピールも忘れずに行います)

  • Notionですべてを管理しつつ、「書く」ことを止めない理由は、以下のnoteに綴りました


3.TIME TRACKING

最初は(続くだろうか?)と不安だったトラッキングですが、ごくシンプルな運用と仕様にすることで、無事に続いています。
「溶ける時間の可視化」には、トラッキングがマスト要件だと感じています。

[構成]
別ページに作った「TIME TRACKING」のデータベース(テーブルビュー)のリンクを、DASHBOARDのトップ(1st viewで見える片隅)に配置
「新規」をクリックすれば、サイドピークで開かれた入力画面にすぐに書き込める状態
DASHBOARD→TIME TRACKING
  • DASHBOARDに「常時触るもの」を置いておくと、タブが増えなくて良いです(私はブラウザ派です)。サイドピーク、入力がシームレスでめちゃくちゃ良きです

  • MTGや作業着手時に、タスク名を書くのみです(入力日時が自動登録されれるので)

  • 終業後は以下の通り、分数を書き込みます。たまに分数を入力し忘れていることがあって、週末のレビュー時に書き込みます

[構成]
TIME TRACKINGはデータベース(テーブルビュー)で作成
フィルターで「stamp:今日」のみ表示
終業後に分数を(ざっくり計算して)入力
TIME TRACKING→REVIEW
  • 「TIME TRACKING」に日々入力した「分数」を、週末のレビュー時にチェックします

  • 「REVIEW」では“今週の「TIME TRACKING」”をフィルター表示し、かつ“PJT・ルーティン作業(タグ)ごと”にサブグループ表示させています

  • PJT案件やルーティン作業ごとの分数の合計値が自動計算されています。これを使って以下のレビューを行います


4.REVIEW

タスクの予実管理をします。「REVIEW」ページは1週間ごとに用意します。
先週末に立てた「タスクの工数(予定)」に対し、実際はどうだったのか?をチェックします。
同時に「来週の予定工数」を書き込みながら「結果を振り返り、次週に向けた課題を発見」しています。

週末のレビューは、もはや「やらないと落ち着かない、収まりが悪い」状態になってきました。1時間ほどかけているので、友人からは「それ仕事じゃないの?時間外労働じゃないの??」と言われるのですが違うのです。言ってみればランニングとかサウナとかに近いです。デトックス!

「REVIEW」の構成や思想は、Tsuburayaさんの週次レビューのテンプレートをかなり参考にさせていただきました。ありがとうございます!!

[構成]
“その週の情報(「SCHEDULE&TASK」「TIME TRACKING」)”を集約したレビュー用テンプレートで起票
上記を見ながら、工数の予定と実績を確認する
「REVIEW」の構成
  • 週末に翌週の「REVIEW」ページを立ち上げ、フィルタリングした来週の「SCHEDULE&TASK」を見ながら、PJTごとの予定工数を①に書き込みます。書くことで「リソース管理的に、予定工数が大きすぎる」と感じたタスクを発見できるので、進め方を見直し、工程を圧縮したり、ずらしたり等の調整を行います。たとえば「フルで取り組んだら8時間ほど掛かるタスクだけど、来週は5時間しか割けない。どう進めよう?」等と考えます

  • 翌週末に、このページに表示させている「TIME TRACKING」を見ながら、PJTごと&ルーティン作業の「実際にかかった工数」を確認します。この作業も、手帳に“書く”ことで、タスクマネジメント上の問題点を発見する時間にしています

  • 意識的に「こうすればもっと良くできる」改善点を見つけ、①に書き込むようにしています

  • 来週のREVIEWページを立ち上げ、改善点や、工数リソースを踏まえながら計画します

週末のレビュー時間(スマホかiPadで実施)

「REVIEW」画面が必要というよりは、どうすればもっといい仕事ができるかを考える時間を取ることが重要なのだと思います。
その思考の妨げにならない、スムーズに思考できるプラットフォームを、Notion上に作っている…というイメージです。

※現状の「いい仕事」の定義:
リソースの範囲内で、期待を上回るアウトプットを提示し、かつ効果を明示すること。複数のPJTを結びつけ、点と点を面に仕向けることで、組織の問題の解決に向けて前に進めること


5.今後の展望

上記の運用ではまだ満足していなくて、いくつか実装したいことがあります。

タスクとタスクの間にある要望…まだ顕在化していないものの、対話の中で拾い上げた問題点や要望=未来のタスクが抜けてしまう(議事録の中に埋もれる)という悩みがあります。
Fast Notionに書いたりしているけれど、雑多なメモなので拾いづらいなと感じています。

そんな課題感を抱えていた中、先日Cocodaの「DESIGN your  team with  Notion」で読んだ HERPさんの要望管理の仕組み「リファインメントカンバン」がめっちゃ良いな!と思いました。

社内の声をタスクに変換する仕組み。私の仕事で言うと、プロダクト=組織という扱いになるので、組織をカイゼンする仕組みを実装してみたいなと思いました。

あとは、いまだに実装できていないのが「OKRを見えるところにセットすること」です。コミットメントをOKRに落とし込めていないのが良くないんですよね。。。早く着手しなければ。


6.ノウハウを共有する意味

このnoteを書こうと決めてから、タスクマネジメントに課題感を持つ同僚や友人と話す機会がありました。
「makiさん、仕事楽しいですか?」と聞かれ、「めちゃくちゃ楽しいよ!?」と即レスしたものの、その答え方は本当に正しかったのか?と悶々としています。私は楽しいけど、質問してくれた彼はどういう気持ちだったんだろう?と。

自分を振り返ってみると、「仕事の意義・意味」を掴めるまでは、仕事の「楽しさゲージ」が満タンをキープできることは少なかったように思います。転職したての時は「これ、私がやる意味あります??」と思う仕事も多かったので。
でも、転職して半年後にチャンスが巡ってきて、迷わず立候補した結果、今「自分のプロフェッションだ」と信じられる仕事が大半を占める日々を送っているので、チャンスを掴めたのは幸運でした。

そういう、いつか出会えるかもしれない「自分がやる価値・意味がある(と思える)仕事」にタッチできた時に立候補できるよう、爪を研いでおいたり、アピールしておくのが大事なのかなと思うのです。

そして、その時が来た時に、すぐに立ち上がれるような力(スキル)が必要なのだと思います。
そのスキルの伝授は、従来であれば、同じ組織に属していたり、近い関係性の中でしか伝播することが難しかった。(それを補完するためにノウハウ本や動画があるのでしょうけど)

それが、Notionのようなツールを使えば「見ず知らずの、けれど同じ悩みを持っている誰かにもスキルを伝播させられる」というのは、最高に素敵だなあと思います。
「スキルの伝播」を実現できるツールがNotion。

今回、このnoteを書くことで、自分の運用の棚卸しができたので、次に「楽しいですか?」と聞いてくれた同僚には、いろいろと働きかけてみようと思います。

Notionは、ひとつのツールでしかないけど、私のタスク管理術は「オールインワンワークスペース」であるNotionでなければ成し得ませんでした。
そう考えると、若い人たちが多い組織にこそ、積極的に使ってほしいですね。

…ということを考えていたので、Ivan氏のコメントに、心の底から納得・共感できたのでした。

 “クリエイティビティーを発揮して良いツールがつくれたら、それをほかの人にもシェアしたくなるし、ヒントになることを教えたいとも思う。そうやって広がってきているのだと思います。”





7.2022.11.11「Notion全国ミートアップ」

このnoteは11月11日(金)夜に書き始めました。
最高でしたね「Notion全国ミートアップ」…!なんて豪華で素晴らしいひととき。
オンライン参加でしたが、熱気と楽しさがYouTube越しに伝わってきました。
(即、アーカイブ視聴を2周しました)
Notion愛に溢れていました。ありがとうNotion!!


これからもアーカイブ視聴を何度も見返して、Ivan氏とSimon氏の言葉を噛み締めようと思います。「自分の考えをトレースすることの大切さ」が、今の私のホットワードです。

そして今後、タスク管理に関する新機能、サブタスクとタスクの依存関係がリリースされる!ということで!!
私のタスク管理の方法もまた大きく変わっていくんだろうなという予感。楽しみすぎます…!



“爆速”で進化していくNotionについていきながら、自分自身もアップデートして行きたいと思います。楽しくて楽しみで仕方ないです、ありがとうNotion!

▼アーカイブ動画

▼よーじろーさんの潜入レポ(神動画!!)

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