見出し画像

推し映画館について語る2~八丁座~

映画館で映画を観るのが大好きです。日常的にNetflixやAmazon primeで映画コンテンツを観もしますが、映画作品と真摯に向き合える最上の場所として、映画館は無くてはならない空間だと思っています。
絶対に失いたくない場所です。自分ができることはないか…と考え、大好きな映画館を推しまくることに決めました。
1館目は、神戸の元町映画館について語っています。書いてて、めっちゃ楽しかった!


2館目は、広島にある、最愛のミニシアターについて語ってみたいと思います。

普段は神戸の映画館に通っていますが、一番好きな映画館は広島の中心部にある「八丁座」。広島出身の私は、帰省が決まったらこちらのサイトで上映予定を調べて、何が観たいかを必ずチェックしています。
広島の名所である“宮島、原爆ドーム、ズムスタ”に次いでこの映画館を入れたい!と思うくらい、素敵な空間です。この最高の映画館で映画を鑑賞できる幸せを、もっとたくさんの人に知ってもらえたらなと思い、noteに記します。

推し映画館-2:八丁座

画像1

広島市の中心部、紙屋町・八丁堀にある、2スクリーン制のミニシアター。老舗の百貨店「福屋」8階にあります(徒歩3分の距離に、同じ系列の劇場「サロンシネマ」があります、ここも素敵な映画館!)。
元々は松竹東洋座があったのですが、2008年に閉館。2年後の2010年に八丁座がオープンしました。

電車で10分ほどの鷹野橋商店街付近で「タカノ橋サロンシネマ」を経営していた方の娘さんが、サロンシネマ、シネツインの支配人を経てオープンに至った映画館のようです。(子供の頃はシネツインによく通っていました、クリストファー・ドイルの“色”にはまったのもこの劇場がきっかけでした)。
Wikipediaを見ると、2009年の文春「おすすめシネコンランキング」で4位に入っているとのこと(シネコンじゃないけれど)。

私は八丁座さんの空間(設備)のすべてが、もう、好きで好きでたまらないので、そんな好きポイントを写真とともに纏めてみます。

劇場内の風景

福屋の8階に降り立った瞬間から、細かな造作にテンションが上がります。手書きの上映ラインナップ。ちなみにこの日観たのは「ねことじいちゃん」でした(最高)。

画像2

画像3

映画館の売店、映画館カフェ 茶論 記憶。
おしゃれなカフェみたい。リーズナブルだけどバリエーション豊富だし、なにより美味しい!量もこれくらいがちょうどいいです。
今日はお麩のチョコレートがけとジャスミンティー、600円位をチョイスしました。ドリンクも豊富なのが良い。フードは生ハムとチーズとか、巻き寿司や小さめのハンバーガーとか、映画のお供に合うね〜と唸ってしまうラインナップです。

ゆったりとした座席の前にローテーブルがあって、そこに置けるのも、本当に最高です。

画像4

カフェの隣には重厚な襖絵。“東映時代劇の全盛期からつちかわれた京都東映撮影所の大道具美術のこんしんのふすま絵”だそう(公式サイトより)。実際の映画で使われていた襖絵で、最後のお仕事は三池崇史監督の「十三人の刺客」だそう。観ましたよ!結構好きですよ!

画像5

「モリのいる場所」鑑賞時は、この襖絵の前にすずさんと松坂桃李が「孤狼の血」で着用したスーツが展示されていました。(「孤狼の血」は結局、配信で観たのでした惜しい…!八丁座で観ておけばよかった!!)

画像6

スクリーン「壱」の風景・スペック

この緞帳を観るとテンション上がります!まるで歌舞伎の舞台のよう。

画像7

背後の提灯も、上品な色と光が素敵です。

画像8

一番好きなのは座席です。3種類ほどあるソファはどれもふっかふかで最高の座り心地。劇場のサイトを見ると、Apple本社に椅子を採用されたことで有名な家具メーカー、マルニ木工さんの初の劇場用オリジナルシートだそう。

画像9

ゆったり足を伸ばして観れるのが最高です。隣の座席とのスペースもゆったりめ。もっと座席を詰めたら、1.4倍くらいの動員ができそうな空間なのだけど、こんなにゆったりさせてくれるのが本当にありがたいです。

画像10

カップや荷物を置くスペースも完備しているし、ゆるやかな傾斜で、前の人の後頭部はまったくスクリーンに引っ掛かりません(めっちゃ重要!)。

画像11

最後列はカウンター席もあります。いつか座ってみたい!

画像12

ここも座ってみたい…桟敷席っぽいつくり。

画像13

ロビーの風景

ロビーの待合スペースですら趣があって素敵です。「長いお別れ」もここで観れたら最高なんだけどなあ、と歯噛みしていました。なぜ私は広島県人じゃないのか…

画像14

画像15

スタッフの方々も素敵で、皆さんお揃いの法被を着用されていて、受ける印象は「番頭さん」。上映直前、前説みたいな口上もあったりして、気分を盛り上げてくれるところも好きです。

パンフレットを購入した時、売店のスタッフさんがすごく素敵な笑顔で接客してくださったのも嬉しかったな。

映画と映画館を愛する人が、経験とノウハウを結集して作った空間だなあと、来るたびに実感します。すべてにおいて最高です。訪れるたびに、この空間を創り上げてくださった序破急の蔵本社長やスタッフの方々への感謝の気持ちでいっぱいになります。私の夢は、いつか、月イチで開催されている蔵本社長のお勧め映画トークイベントに参加することです…!

運営会社「序破急」について

こんなに素晴らしい劇場をつくった人ってどんな人なんだろう?と気になって調べたら、いろんなインタビュー記事があって。どれを読んでも、かっこよすぎて痺れる、憧れる…!

このインタビュー記事を読んでメロメロしました。この映画館とズムスタに通えるなら、広島で暮らすことを真剣に考えたい…と思ってしまう。

映画関係者の方が全国からたくさん見学に来られて、舞台挨拶に立った山田洋次監督からは、「『八丁座』で僕の作品を上映するのが夢でした」と突然言われ、スタッフ一同感激しました。役所広司さんは「こんな立派な劇場をつくるなんて、大金持ちですね」と勘違いされていましたけど(笑)。

役所広司さんとのやりとりがおもしろすぎる。笑

タブレットやスマートフォンで映画を観るのも好きで、休日は1日1作ペースで観たりもしますが、やっぱり「映画人が全力でつくりあげた作品」と真剣に向き合うなら、こんな映画館を選びたいよね、と思うのです。じゃないと、失礼な気すらする。

そういう意味で、映画館ではどんどんリバイバル上映もしてもらえたらな~と思うのです。尼崎の「塚口サンサン劇場」で「AKIRA」の重低音ウーハー上映が鑑賞できた時も、めちゃくちゃ幸せでした。AKIRAが大っ好きな人達でいっぱいの空間で、大っ好きな作品に浸れる幸せ。そういう、映画を愛してやまない人の為の空間に、もっと触れていたいのです。

そしていつか、日本各地の「素敵な映画館」で映画を観る為の旅をしたいな~とも思います。とりあえず広島代表は八丁座とサロンシネマ、これは間違いないかと!

また帰省したら、必ず行きます。先日ついに、「ごひいき会員」デビューもしましたので!

画像16


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?