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Netflixドラマ「INTO THE NIGHT」について語る

この2日間で3周するほどハマったNetflixオリジナルドラマ「INTO THE NIGHT」について、どうしても語りたくなってしまいました。5月1日から配信開始されたばかりだからか、まだWEB上にレビューが少なく、読みたい&語りたい欲求が抑えきれないのでここに記します。紹介文というよりは、「ここが好き…!」と思った場面を列挙するだけの、細かすぎて伝わらない感想文です。

めっちゃネタバレありなので、これから見る方は、ぜひ読まないでいただけると幸いです。1本40分弱、計6本なので、さくっと観れます。興味を持っていただけたら、是非!私は昔から「2012」や「デイ・アフター・トゥモロー」「ジオストーム」といったディザスタームービーが好きジャンルなので、この「INTO THE NIGHT」はドストライクでした。上記にピンと来られたら、ぜひ鑑賞をお勧めします。もし「INTO THE NIGHT」が映画館で上映されたら、間違いなく公開日に観に行っていたと思います!

Netflixオリジナル作品はアニメの「Love, Death & Robots」も大好きですが、こちらも☆☆☆です!できればどちらも、映画館のシアターで鑑賞したいな…!

「INTO THE NIGHT」とは

2020年5月1日より配信スタートしたNetflixオリジナルドラマ。シーズン1は6話構成です。6話で終わっていることを知らなくて、続きはいつ配信されるのかな…!?と半日くらいやきもきしてしまいました。こ、ここで終わりか…!と地団駄踏みたくなります。これからますます面白くなりそうなのに…!

『イントゥ・ザ・ナイト』は、ベルギー製作の終末ものSFスリラーテレビドラマシリーズであり、ヤチェク・ドゥカイの小説に基づく。2020年5月1日に全世界で配信され、Netflixがベルギーで製作した初のオリジナルシリーズである。 (Wikipediaより)

1シーズン鑑賞後の感想

ハイジャックされた深夜便の乗客乗員たちは、謎の宇宙事象により地上で大惨事が起こっていることを知る。助かるためには、太陽を避け西へ飛行を続けるしかない…。(Netflix公式サイトより)

「太陽が人を殺す」。アジアやアメリカから始まり、夜が明けた地域から人類が全滅していく異常事態が発生。太陽から逃げるために、飛行機に乗り合わせた乗客達はひたすら”夜”を移動し続ける…という設定がたまりません。舞台はほぼ飛行機内部で展開されます。たまに着陸した空港周辺でのドラマもあるけれど、ずっと夜なので、同じような場面が続くのですが、全然、飽きないんですよね。次々に襲い掛かるピンチの連続と「夜明けまでXX分!」というスピード感、そしてキャスト陣の演技が最高に良い。地球上の「夜」を移動し続けながら、生きるために精一杯生きている人間のドラマが濃いのです。

なにかと一癖ありすぎる登場人物たち。各エピソード、ひとりずつの背景エピソードから始まるのだけど、それがよりドラマに深みを持たせています。こんなに家族のことを愛していたから、あの時あんなに反対したのか…とか、こんな過去があるのに、今ではこんなに…と変化に驚いたり。とにかく、キャラクターが濃くて、魅力的です。全員、基本的に善人じゃないところが生々しくてとても良いです。私の最推しはアヤズです!

以下、細かすぎる各話の感想(好きな場面)語りです。ネタバレありなので、これから観る方は、何卒読まないでください。


1.シルヴィ:Sylvie(41分)

銃を持った男がモスクワ行きの深夜便に乗り込み、西へ向かうよう要求。乗客として居合わせていた元空軍パイロットのシルヴィが、操縦を手伝うことに。(Netflix公式サイトより)

初っ端からスリリングな展開。NATO所属の軍人テレンツィオにハイジャックされた飛行機に、乗り合わせて幸運だったのかどうか、ちょっと考えてしまう。「ここを出ないと太陽に殺される」と脅されて離陸した飛行機に乗り合わせたのはパイロット1名、客室乗務員1名、乗客12名。インフルエンサー、気候学者、アラブ人、手術を控える少年と母親、モスクワ旅行の男性、具合が悪そうな若者、謎のビジネスマン、車椅子の老人と介護人、エンジニア、そしてシルヴィ。みんな怪しげに見える。

主人公であるシルヴィ(Pauline Etienne/ポーリーヌ・エチエンヌ)が最高です。元空軍でヘリのパイロット。常に冷静でタフ。でもその裏側にあるのは、最愛の恋人を亡くして自殺を考えるほど、自暴自棄になっていたからかもしれない。

そしてテレンツィオに掌を撃たれたパイロット・マチューが気の毒すぎる。止血のために掌を焼灼されてしまうのだった…むごい。。。

フォワードスリップで着陸しようとするマチューかっこいい。なんとか無事だったキンロス空港に辿り着いたものの…こういうところで出会う軍人って基本頼りになる~!って思うけど、ならないんだよな~!何処へ逃げる?と問われたシルヴィが「Into the night.(夜の闇へ)」と答えるのが最高にかっこよかったです。

2.ヤクブ:Jakub(38分)

今後のことで他の乗客と衝突するメカニックのヤクブ。Wi-Fiにつながり、地上での大惨事だけでなく一部の乗客に関する衝撃的な事実が明らかになる。(Netflix公式サイトより)

飛行機のメカニック担当ヤクブ(Ksawery Szlenkier/クサヴェリ・シュレンキェル)。愛する家族が残る(筈の)ブリュッセルに戻りたいと主張するも、西へ逃げ続けなければいけない=戻れないとわかり自暴自棄に。ロシア人のザラも、モスクワで手術予定だった息子ドミニクを思うあまり「太陽が人を殺す」と信じない。一枚岩になれない乗客たち。ガブリエルから「お世話するのが仕事でしょ」と怒られたヤクブは「仕事なんてもう意味がない」と投げやり。ですよね…でもシルヴィから「あの男の子を守らなきゃ」と諭され、立ち直り、後は善人ロードまっしぐら。えらすぎる。

ヤクブの活躍でネットが復旧するも、ベルギーに残してきた家族が亡くなっていることを察してショックを受ける面々。そしてようやく状況が把握でき、気候学者ホルスト(Vincent Londez/ヴィンセント・ロンデス)の解説で事態が明らかになるものの、より絶望感が増すのだった…太陽の光で死ぬ。夜明けとともに、事態を把握していた科学者たちも死んでいる。打開策がわからない絶望。かつてこんなに救いがないドラマがあっただろうか。

しかも1話ラストで合流した軍人3名が悪質な戦争犯罪者だったことが判明してさらに絶望が深まる。ここが一番面白かったです。車椅子のヴォルコフさんが亡くなってしまったところから、どんどん乗客が亡くなっていきます。きっかけとなったシャンパン軍人フレディは、ほんとサイコパスもいいところである。

飛行機を降り、夜明けまでの2時間で無線探し&軍人3名を置き去り離陸計画スタートです。相当スリリング。うまく撒けた…と思いきや、ガブリエルがー!咄嗟にヤクブを信じないから!!ここが一番、絶望感が半端ないシーンでした。事情を知っていて、かつ夜明けまであと2時間切っている状態、車もない見知らぬ街に、ひとり取り残される絶望感よ…

軍人3名を置き去り計画、なんとか成功と思いきや、銃撃により窓にひびが入るわ、ひとり乗り込んでるわで大変である。

3.マチュー:Mathieu(35分)

次々と機体や機器のトラブルに見舞われる一行。機長マチューの独断に反発するテレンツィオ。ホルストが別の飛行機との交信に成功する。(Netflix公式サイトより)

副操縦士のマチュー(Laurent Capelluto/ロラン・カペリュート)。この人が一番の苦労人だと思います。いきなり不倫シーンから入るので「うわ、マチューこんな下種だったのか…」と思ってしまうのだけど。

機内でのトラブル続きの回。乗員同士の内輪もめ、連続する警報。車輪格納部にサイコパス英国兵が隠れている。全然纏まらない乗客たちにキレるマチュー。皆のために尽くしているのに気の毒すぎる。

この頃のアヤズは、ドミニク少年から懐かれるものの、母ザラからは敬遠されているのだった。後の展開を考えると感慨深いです。

この頃のアヤズ、本当にいい人なのです。今までかなり悪いことをやってきていたけど、乗客たちを守ることで浄化されたかったのかな。もしくは環境に左右されなければ、この善人さが、この人の本質だったのかもしれない。テレンツィオの最悪っぷりと比べると際立ちます。”正論だけど口先ばかり人間”よりも、誠意ある行動を見せる方が、最終的に信頼を勝ち得るんだなとつくづく思います。

勇敢にも英国兵を排除したアヤズ、亡くなったアラブ人男性の腹部からエメラルドを取り出したことを暴かれ、窮地に立たされます。亡くなった男性はアヤズが雇った運び屋だったのだ。皆から糾弾されている時、アヤズに心を開きかけていたローラとの対話で「なぜ告白したの?」「それが真実だからさ」というやり取りがあるのですが、ここが深い…。信用しかけていたのに、何故ごまかさないの?ってこと。アヤズからすると、嘘をついてまで信じてもらおうとは思わない、ということなのかな。許されないことをしたけれど、真摯なアヤズ。惚れないわけがないのだった。

4.アヤズ:Ayaz(37分)

リックがアヤズの処遇を決める即席裁判を取り仕切る。NATOのシェルターのウワサを持ち出すテレンツィオ。様子がおかしいマチューを心配するシルヴィ。(Netflix公式サイトより)

アヤズ(Mehmet Kurtulus /マフメット・クルトゥルス)回です!!アヤズの過去。経営する売春宿で、娼婦を痛めつけた客をボコボコにする場面からスタートです。

着陸した空港で、売春の斡旋や麻薬の売買までやっていたことを吐露するアヤズ。皆から非難轟々。置き去りにされそうになったアヤズをテレンツィオがかばう、まさかの展開。ここだけファインプレーだったな!「戦力になるのはアヤズしかいない」その通りだと思います。そしてブリュッセルに戻る一行。この時点で地球を一周しています。想像するだけでしんどい。

ガブリエルの代わりをするイネスがえらい。モロッコ出身の清掃員オスマンとの語らい、こういう何気ない場面が、本当に好きです。密室の中での人間関係、極限状態で生まれる信頼関係ですよね。

けれど次々と襲い掛かる、解決しようがない問題。生鮮食品のDNAも破壊されているので、食べるもの(=味がして、栄養価があるもの)が缶詰類しかないという絶望。

「生き残れる人だから」と、息子ドミニクを託すザラ。ここからアヤズのスイッチがさらに入った感じがする。

ここで遂に敗血症で倒れるマチュー。みんなトイレに入ったままのマチューの存在を忘れていたのだった。なんでやねん!ちゃんと注目してあげてほしい。一介の看護師であるローラが手術をしないと&マチューが居ない状態でブリュッセル空港に着陸するという大ピンチ。動画を観ながら着陸させようぜ!っていう発想がなんというか現代的。笑 さすがに「できない!」と半泣きだったけど、最後は「着陸してみせるわ!」と叫んでやり遂げたシルヴィ、かっこよすぎる。

5.リック:Richard "Rik"(37分)

NATO本部に向かった一行に思わぬ事態が起こる。ローラとホルストは命にかかわる緊急事態に対応し、ヤクブとオスマンは燃料問題の解決策を探す。(Netflix公式サイトより)

リック(Jan Bijvoet/ヤン・ベイヴート)のモスクワ行の目的が明かされる場面でスタートですが、なかなに切ない展開でした。それは詐欺…。

ブリュッセルに着陸して一安心するも、日の出まで2.5時間しかないのにマチューの手術&薬探し&NATO本部で行先捜索&燃料ポンプの調査・燃料探しと大変なのだった。どのチームも「何かヤバいことが起きそう」な感じしかしない。

NATO本部にいるアヤズ・リック・テレンツィオ。テレンツィオが付いているっぽい嘘が、よくわからなかったです。マリアって??どうやって機密事項を聞き出したんだろう。言い争いから殴り合いに発展し、アヤズを半殺し→気絶させたまま置き去りにするテレンツィオ。しかも隠蔽する。最悪of最悪。監視カメラの存在に気付いたリックが活躍するのだった。ここからリックが善人になります。よかった。

集合時間まであと5分しかないのに、家に戻って泣いていたシルヴィ。まさかの展開すぎる。迎えにくるヤクブはいい人すぎる。

気が付いて床を這いずるアヤズ。頑張れ…!でもさすがに間に合わないのでは!?とひやひやします。皆の前で、勇気を出してテレンツィオを告発したリックえらい!そして飛行機が離陸する寸前、間に合ったアヤズ!よかったー!執念です。「自分が生き延びたい」という執念も勿論だけど、ドミニク少年を守り抜きたい、という気持ちの発露かなと思う。

6.テレンツィオ:Terenzio(37分)

夜が明ける前に、安全な場所に避難できる道はただひとつ。そのわずかな可能性に賭けて飛行を続ける一行に、さまざまな感情が押し寄せる。(Netflix公式サイトより)

テレンツィオ・ガッロ少佐(Stéfano Cassetti /ステファノ・カセッティ)。こいつは徹頭徹尾、イヤーな奴でした。彼の回だけ、妄想?夢からスタート。しかもイネスに迫られながら断罪される夢なのだった。彼は同情に値しないな…と思ってしまう。アヤズを殺害しかけた懲罰で閉じ込められるテレンツィオ。

ドミニクの治療費のために腎臓を売ったザラ。自分が遅れたらドミニクを守ってくれ、とアヤズに託すのだった。ここ、本当に堪らない展開でした。あんなに嫌っていたのに。「信じていい」と引き受けるアヤズ、かっこいい。そして置き去りにしたことを謝るリックに、アヤズは「許してやる」と。もう本当にさー…凄い。「殴っていい」と目をつぶってびびるリックの肩に手を置いて、水に流して前へ進もうというアヤズ。心を開くリックはモスクワ行の理由を語るも…ここのシーン、めっちゃ好きです。笑

飛行機を乗り捨てた時は、「ああー遂に降りてしまった…」とちょっと残念に思ってしまうほど、ずっと飛行機に乗っていましたね。2班に分かれて車で掩体壕に向かう一行。しかし頼りになるからって、死にかけてたアヤズに運転させるんじゃないよ!という。意識を失って事故ってしまうし。これはもう、このアヤズチームはダメか、さすがに辿り着けないかなと思いましたが、日頃の行いの良さだよな!

無事に掩体壕に到着するも、夜明けまであと3分ちょっとしか無いのにアヤズチームを待つというシルヴィ。リーダーですよね。無事に2チームとも辿り着けて、本当に良かった!

さあここから、掩体壕でのストーリーが始まる!ってとこでシーズン1が終了です。続きが観たい…!!!

キャスト陣

キャスト陣の演技が素晴らしい。飛行機内は基本、全員が画面に入る場面が結構多いのですが、隅の方で見えるちょっとした表情やしぐさが伏線になっていたりして、2周目、3周目もいろいろ発見があって面白いです。

キャストについて。これくらい詳しい説明、日本語版にも欲しい…!


連休終わりかけに、この「INTO THE NIGHT」が強烈なインパクトを残してくれました。2シーズン目、ぜひとも観たいなあ…!待ちきれずに、そのうち原作を探してしまうかもしれません。


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