コンテンツ月報:2024.5
今月は映画館で鑑賞した作品が4本。そして毎日、朝ドラと大河ドラマに心揺さぶられまくっています…!
本当は、2回目鑑賞をしたい映画もいくつかあったのですが、なかなか時間の捻出が難しく。
これから仕事の繁忙期に入ってくるので、一期一会と心得た方がいいなあと感じています。
1.悪は存在しない
めちゃくちゃ良かったです…!上映館が増えていますね。ぜひロングランしてほしい。
ストーリーについては、未見の方の楽しみを奪いたくないので触れません。とても、とても良かった!とだけ。
映像、そこからのアングルでそんな長回しするんだ…!?と驚く場面がちょくちょくあって、独特のリズムがある映画だなと思いました。
その効果なのか、ぐーーーっと没入していく感覚があって、いつの間にか、どんどん原沢の人達が好きになっていました。
濱口監督のインタビューで、制作の経緯を知るにつけ、「PERFECT DAYS」と似た構造を感じていました。“作りたくて作った”作品の方が、“商業”を意識しすぎたものより、良いものができるのでは?と。
商業と芸術の違い?アートとエンタテインメントの違いでしょうか?
でも、それは映画に限らなくて、なんでもそうなのかも、とも感じます。「ヒットを狙って作る作品」よりも、「伝えたいこと、見せたいものがあるから作った作品」の方が、目的と手段を履き違えていないから、より鋭角に刺さる(心に届く)のかもしれません。
2.Ryuichi Sakamoto | Opus
公開日、仕事終わりに鑑賞しました。
TOHO梅田で、SCREEN1で掛かったのがありがたかったです。隣の初老の男性が感慨深げで、終幕に拍手をしてくださったので乗っからせていただきました。素敵な記憶です。
最後のコンサートを、こうして映画にしていただけで、本当にありがたいです。身じろぎすら躊躇われる静謐。
最後に、教授の運指を記憶したピアノが流れるラストシーン。「永遠になる」というメッセージと受け取って泣けました。
病をおしてまで、音楽を遺していただいたのだから、残った人間としてなにか応えたい、と思うのです。
「aqua」を聴くと、いつも(すこしでもマシな未来を、子供たちに手渡したい)と思います。
また、このコンサートが配信された2022年12月の未明。暗い部屋の中、タブレットを見つめていた記憶も、鮮烈な思い出です。「Playing the Piano 2022」。
3.正義の行方
不勉強にも“飯塚事件”についてはドラマ「エルピス」に登場した事件の参考にされた事件のひとつ…程度の知識しかなく。
鑑賞後、「失敗の本質」の読了後の感じと似ているなと感じました。戦争に突き進む時に掲げる“正義”と闇雲感を想起させるような。ざわざわします。
何なんでしょう、この気持ち悪さ。“忖度”ではなく、ひとりひとりの思い込み…見込み捜査の、一番はじめのボタンの掛け違いから始まったような気がします。
“犯人”と断罪された、けれどその動機も、犯行の経緯もまるでわからない。実質DNA鑑定は覆ったも等しい脆弱な証拠のみで、死刑になった人がいる、という現実。
それが、まるで戦争に突き進んでいく様と似ているのでは、と思います。思い込み。近視眼。体面。引き返す勇気のなさ。人の命の軽さ(歪んだ正義の敵になるものは、軽い)、そして、その自覚のなさ。
西日本新聞社の宮崎さんと、編集局長の言葉が、重いです。
4.関心領域
音が、めちゃくちゃ怖いです。
対比が見事だなと思いました。
4年前から収容所の存在が“身近”な子供達は何も思ってなくて、“アウシュビッツの女王”と呼ばれて誇らしげな妻の母は、夜中に部屋を照らす炎の赤さと音に一晩も堪えられず、黙って出ていく。
けれど、観ている私もなんなんだろう、この家族と変わらんじゃないかと思ってくらい気持ちになります。
花盛りの庭が本当に理想的で、まさしく“楽園”で、執着する気持ちもわかる…と思ってしまう。
木漏れ日が射す映画館のロビーでポスターを眺めた時、深淵を覗いた気がしました。
5.光る君へ
5/26の第21回「旅立ち」…!神回…!!
まひろ(紫式部)の家を訪れて、定子様のご懐妊と衰弱されている様子について相談する清少納言…からの、枕草子が綴られていくさま。そして定子様が床上げされて枕草子を読んでおられる様子。それを目にした清少納言の静かな慟哭。「たったひとりのかなしき中宮のために枕草子は…」のナレーション。この一連の6分ほどの映像は、神でした。
流れるような美しい手蹟。ひらひら落ちる桜の花びら。行き交う蛍のあかり、舞い散る紅葉の葉を幻視する。
寝込んでいる定子様の枕元に差し入れられる四季。定子様の声で読み上げられる枕草子の一節。
なんて美しく、素晴らしい演出なんでしょう。
というか毎回ほんとに心揺さぶられまくっていて。なかでもやっぱり中関白家(というか定子様と清少納言)推しです…!
特に第21回は、他の場面も、なんだか妙に胸に残りました。なんせ「なんて素敵にジャパネスク」で育った世代なので、「二条邸が火事」の場面は特に、子供の頃に「ジャパネスク」からイメージしていた光景が映像になった感覚で、胸がざわめくというか、本当に奇妙な心境でした。
炎の中の定子様。「生きて」と言ってくれるのが清少納言だけだった…という立場がかなしくて。貴子様も伊周のことばかりで。
ファーストサマーウイカさんも、高畑充希さんも、最高すぎました。
※6/1追記
毎週楽しみにしているぬえさんの「光る君へ」レビュー!今週も最高でした…!
6.虎に翼
毎日NHKプラスに感謝しながら生きています。仕事終わりの帰路、最新話を見る楽しみ…!
5月24日、本当に神回でした。“仲野太賀”という日本の宝の存在に感謝しました。素晴らしい。佐田優三という青年を生きている。魂を吹き込む役者の仕事って本当にすごい。
そして27日週が、もう!!!すべて神回でした。泣いて泣いて、救われて。
岡部たかしさんが本当に好きなので、「話がある」からの一連の流れ、本当に(この人じゃなきゃ…!)と思いました。最高でした。
31日の回。オープニングをラストに持ってくる演出、素晴らしかったです!痺れた…!!
7.星野源のオールナイトニッポン
それなりの期間、「星野源のオールナイトニッポン」のリスナーなので、信じていられました。誠実な人だと、声を聞けばわかるので。
源さんの声が揺れるたび、一緒に胸が痛くなったけど、まさかの新垣結衣さんが電話で登場されるサプライズ!本当に素敵なおふたりです。
「せっかくだからメールを募集する?」「いいんですか?(食い気味)」のやりとり、結衣さんの反応が良すぎて、あっこれはガチのリスナーだ…!と嬉しくなってしまいました。なんか嬉しい。
源さんが「これは答えなくていいよ」と気遣う一方、構わずぐいぐい答えちゃう結衣さんがめっちゃ面白い笑。
そして大量のメールを捌きながら、全方向に気遣いを発揮しながら結衣さんと談笑しつつ、パーソナリティとしての「笑いの提供」も繰り出す源さん、本当にすごいです。バランス感覚というか…尊敬します。
ラストのお便りメール。
いろんな人がいて。“楽しい2時間”を、みんなで作り上げていくラジオなんだなあ、と、改めて感じました。Spotify、何度も聴いてしまいます。神回です。
さいごに
ほくほくしてます。暑さは苦手だけど、これは夏の到来を楽しみにせざるを得ないですね!!
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