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ICL手術で生まれ変わった話

ICLとは

ICL=Implantable Contact Lens 
簡単に言うと、近視に対して眼内レンズを入れる手術で視力を矯正するというもの。世界では1970年代に誕生して日本では2010年から始まった。自費診療で、病院によって値段は幅があって片眼20-40万円くらい。レーシックと違って角膜を傷つけないからドライアイの心配がないこと、眼内レンズなので何かあれば抜去したり入れ替えも可能であることがメリット。具体的には角膜の下の虹彩と水晶体の間にレンズを挿入する手術で、片眼10分程度で日帰りで可能。実際やるって決めて周りに話すと、興味はあるけど実際どうなのかなって思ってる子が結構いて、これからどんどん普及していく手術じゃないかと思ってる。

病院でもらったパンフレットの抜粋。
右から2番目がICLの説明!

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私と視力

私は昔から強度近視だった。
初めてメガネを作ったのは小学2年生の時だったと思う。まだ周りにメガネをかける子は少なくて授業中だけちょっとドキドキしながらかけてた記憶がある。

小学4年生の時には視力検査でDの判定。いつの間にかメガネが手放せない視力になってて、家族の中でも一番目が悪くなってた。

中学生になってからは毎日コンタクト。とにかく目が悪くて裸眼では何も出来ない。当時はzoffみたいな格安メガネってのもなくて、目が悪すぎてレンズも分厚いし出来るだけ薄くするのに削ってもらってそれで4-5万くらいしてびっくりした。ちなみに大学生になってからはディファインのコンタクトを愛用してました。

眼科は親の知り合いの先生のところでみてもらってたけど、行くたびに本当に悪いねーと言われながら…笑 最終的には両眼視力0.05以下、コンタクトは右-9.0/左-8.0。周りの人に言うと若干引かれるくらいの視力だった。

ICLとの出会い

そんなこんなで医師になったくらいの時に、かかりつけの眼科の先生からICLをすすめられる。周りにやった人もおらんかったし親が出してくれると言ってくれたけど値段も高いし、なかなかする勇気がでず。職場の眼科の先生にICLのことを聞いても、実際やってるわけじゃないのもあると思うけど、全く眼が見えてないわけじゃないなら手術するのはどうなんかなーと言われる。

研修医2年目の時に初めて、ICL手術を実際に受けた研修医の後輩に出会う。東京で受けたってことやったけど快適そうだった。そして時は流れ、専攻医2年目の時に2人目のICL経験者の産婦人科の上級医に出会う。「世界変わるよー!」と言われて術後も全然問題なく過ごしてるとのこと。コロナ禍が続いてお金も溜まり、時間もないわけじゃないこのタイミングで手術する決心をした。

病院探し

身近なICL経験者2人は東京でしたとのこと。調べてみると術後も結構通院が必要なので、大阪で探すことにする。「ICL 大阪」で検索をかけてみて、立地や値段、診療時間、先生の略歴等をみて、ある病院に決定。
ICLの手術件数が150件/年程度と多いこと、土日も診療をしていること、いくつか分院があって今後の通院もしやすいことが決め手だったかな。ちなみにICL手術が出来る先生は日本に約290人ほどとのこと。

とりあえずまずは受診してみようということで、ネットで予約。その段階でICL希望の趣旨を記載した。ネット予約やはり便利!

※以下はあくまで私が手術を受けた病院の一例です。

通院から手術まで

手術までの通院は3回。1回目は一般的な眼科の診察、検査。そしてパンフレットを貰ってICLの説明を聞く。手術日は木曜日と決まっていて、翌日金曜日の午前に診察、そして土日どちらかで診察が必要とのこと。1.5日有給をとれれば手術可能ということになる。術後の制限等もこのときに簡単に説明を受ける。数日は洗顔出来ませんとかそういうの。あとは乱視があった場合、乱視ありのレンズだと取り寄せで3ヶ月〜半年くらいかかる可能性があるとのことだった。

2回目の通院で術前検査。一週間からメガネ生活を強いられる。ずっとメガネっていうのもちょっとしんどかった。この検査をして耐術能があるかどうか(前眼房が極端に浅くないか等)を判断してから手術日が決まる。だいたい2時間くらいかかったかな。採血は感染症だけチェックされる。最初の検査でもしかしたら乱視レンズが必要かもと言われたけど、普通のレンズでいけそうとのこと。ちなみに乱視用のレンズは眼の中でズレたときに大変なことになって抜いて入れ直しが必要になるそうなので、可能なら普通のレンズの方が良さそうだった。この日に手術費用を払う。クレジットカードで一括払いしました☆

3回目の通院。これは人によってはいらないかもなんやけど、強度近視だと緑内障のリスクがあるらしく念のためと視野検査を追加される。それプラス術前の抗菌薬の点眼薬が防腐剤が入ってるから、手術まで時間がある場合は取りに来ないといけないということだったので、術前検査から手術までそんなに空いてない人は受診の必要がないんやと思う。手術日は術前検査の1ヶ月半後に決まった。白内障の手術の合間にやっていて、ICLは1日2件までと決めてるそうで、手術日がいつになるかは空きのタイミングによる感じ。

手術3日前から抗菌薬の点眼が始まる。1日4回というなかなかのめんどくささ。だけど仕方ない。手術前日はメガネで過ごす。

いよいよ手術当日

手術1時間前から散瞳薬の点眼を10分おきに3回さす。これば移動中に電車でした。点眼はいつでもどこでもできるからよいよね〜!

10時に病院についてトイレに行って、手術の前室みたいなところで待機。翼状針でルート確保されて、手術終わるまで置いとくんかなと思いきや、眼圧を下げるためにマンニトールを30分投与されてすぐ抜針された。刺しどころが良くなかったのか薬剤の影響なのか、なんでか手がだるくてちょっとしんどかった。

そのあとまた眼圧を下げるための「おもし」なるものを両眼の上に乗せられる。物理的圧迫感があって眼をぐりぐりされる感じ。頭もちょっと痛い。ほんまに効果あるんか疑問を感じながら10分間耐える。そのあとは麻酔の点眼薬をさされる。1回目はしみたけど、2回目はもうしみなくて麻酔が効いてる証拠。オペ用の帽子をかぶって眼の周りをイソジンで消毒されてしばらく待機。

視力がない状態で小股で10歩くらい歩いて、いよいよ手術室へ入室!オペしてくれる院長先生が挨拶してくれて、指にSpO2モニターをつけられる。そしてウサギのぬいぐるみ(30cmくらいある抱きがいのあるサイズ)を渡される。「抱っこすると安心して力が抜けますからね〜」と院長先生。特に緊張してたわけでもないけど、和んだ。

眼をバシャバシャ洗われてイソジン落として、眼にオイフをかけられる。視力ないからなにもわからない状態やけど、院長先生が実況してくれた。まずは左眼から。一番痛いんじゃないかと心配してた開創器をかけられた、けど痛くない。点眼薬の麻酔、効くやん!

「ではお願いします」の声で手術が始まる。ただぼやーっとライトを見つめてただけやけど、「8時半」と言われて、いま眼を切られたんだなとわかる。そして「レンズが入ります。大変キレイに入りました」と院長先生。言われるからかなんとなく入ってくる違和感を感じたようなそうでもないような…。「ちょっと押されますよ」と言われて何回か眼に圧迫感を感じる。これはマジで何されてるかわからんかった。ちなみに術中は乾燥しないようにひたすら眼に水をかけられる。5分程度で片眼終了。右眼にうつる。なぜか右眼の方がチクチクする感じがあった。麻酔の効き具合の問題?けど5分で終わるから我慢できる程度。「はい、お終いです。大変上手くいきました」と言われて終了。

眼を開けると目の前がみえる。後でやった方の右眼はさすがにぼやーっとしてるけど、眼の違和感はほとんどなし。前室に移動して少し休憩。術後は散瞳してるから眩しいのとぼやっとする感じはかなり長時間続いた。12時過ぎには全てが終了した。

帰り道、1人で歩ける程度ではあるけど白いぼやっとした感じが続いて心配になった。けど散瞳もしてるしこんなもんなのかなーと思いながら帰宅。眼が疲れるから当日はテレビとか読書とかは基本的には禁止。洗顔、洗髪、シャワーも数日禁止やった。術後のスケジュールはこんな感じ!

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(手術が終わったら真っ直ぐ帰るように、とのことだったけど、大阪に出てきてた両親とランチして、更に手術前日のロングオペで疲弊していた身体を癒すためにマッサージを受けてから帰った。眼を使わなければええやろーという発想ですが、良い子はマネしないでね。)

病院からもらったもの

・目薬3種類

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抗菌薬とステロイド2種類。1日3回、術後3ヶ月間継続する。しかも1種類点眼したら5分以上時間あけなあかんという。めんどくさすぎる…。1ヶ月毎に1種類減っていくらしい。術後の感染を予防するためにはがんばってするしかない。そしてステロイドの目薬はツーンとする。イメージでいうと「目がぁー目がぁーっっ!!」って数秒なる。一瞬で忘れるけどまあまあ痛くて大丈夫?ってなる。けど大丈夫らしい。

※訂正です※
経過問題なければ目薬は1ヶ月後で終了でよいとのことで、1ヶ月後の受診時に終わりになった。経過次第やけどほとんどの人が終わりになるんじゃないかな。

・内服薬3種類

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鎮痛剤、胃薬、抗生剤。具体的にはジクロフェナク、レパミビド、セフカペンピボキシル。痛くなくても抗炎症のために鎮痛剤は飲むようにと。職場で第3セフェムの内服薬は要らんやろと煽られつつ、出されたものは一応内服するスタンスで3日間飲み切った。

・保護用のメガネ
花粉症とか粉塵対策で使うようなメガネをもらう。術後1週間くらいかけてね、とのこと。看護師さんに「もしデザインが気に入らないとかなら…うん、そうですね (無理にしなくてもいいです)」て言われたけど、外出るときは大体してたかな。

・眼帯
寝る時だけ眼を無意識に擦ったりしないようにするためのカバー。術後1週間使ってた。テープで貼って寝る。

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・眼の消毒ガーゼ
洗顔が出来ない分、たくさんくれた。目薬刺す前に眼を清潔にするのもひとつ。

これらも全部手術費用に含まれます!保護用のメガネは今も職場でアイガードとして愛用中。

術後の経過

手術当日は眩しいしぼやぼやしてて目が疲れるからかだんだん体もだるく感じてくる。平日家でゆっくり出来る時間なのに、眼を使わず出来ることって限られるから勿体無いという気持ちになる。これから手術受けるひとはなんか用意してるといいかも。音楽とかラジオ聴くとかそういうのしか思いつかなかった。

手術翌日は目が覚めて視界くっきりで感動。ぼやぼやは一切なし!世界が変わるってこういうことか!午前中に病院へ。眼圧チェックと診察があって、問題なく終了。たまーに眼の奥がズキッとする感覚があるけど、一瞬でおさまる。気のせいかなっていうレベル。午後は出勤してオペにも入れた。ただ半日しか働いてないのに疲労感…やっぱり日帰り手術でもなんとなく緊張とかで疲れるのか。もうテレビみてもなんともないし快適になった。

術後2日目も目が覚めてパッと見えることに感動。この日も病院へ。散瞳薬2回したけど、術前よりも散瞳した時のぼやっとが強かった。近くのピントがマジで合わない。携帯の文字も読めない。3時間くらいもやもやしてたかな〜。なので予定入れる場合は考えたほうが良さそう。流石に2日間頭洗えないと頭がもさもさしてくる…この日は美容院でヘッドスパしてもらった。スッキリ。

術後3日目。もう何の違和感もない。よく見える。朝起きた時、寝る前に目が見え過ぎてることに違和感を感じるくらい笑 この日から入浴、洗顔、洗髪おっけー!待ってました。

術後の合併症としては光をみると輪っかがみえる、ハロー・グレアっていうものが1番あるかな。昼間は気にならなくて、夜がわかる。これはだんだん慣れてくるけど、どうしても残るらしい。レンズに数ミリの小さな穴が空いててそこに光が入ると角度によってどうしても起こってしまうらしい。あとは稀だけど、感染が起こったり、レンズトラブルがあったり。

術後1週間で受診。もう痛みも違和感も何も感じない。次は術後1ヶ月の受診。そのあとは3ヶ月後、半年後ってなっていく予定。

かかった費用

ICL関連の検査から自費になるんやけど、手術までの通院で1.5万円くらいだったかな。手術代が片眼30万円ずつの60万円。ちなみに乱視レンズは+5万円ずつする。手術翌日の院長先生の診察で「医療従事者にはキャッシュバックをしてます」と言われて金一封渡された。5000円入ってた。ここは紹介でも少し割引あるって言ってたからそのくらいなのかな。手術〜術後の通院は今のところ手術費用に込み込み。たぶん何もなければずっと診察代なしでいいんかな?

ワンデーコンタクト1ヶ月で約4000円として年間48000円。手術費用60万円で割ると約12年で元がとれる計算、て思うと全然高くない!

そしてICLの治療費は医療費控除に該当するから、確定申告をするべし。そう思うと学生でやるより社会人になってからする方がおすすめかな〜!ちなみに適応は21歳以上、45歳ぐらいまでがおすすめとのこと。

まとめ

ICL手術、ほんまにオススメです!20年間のメガネ・コンタクト生活とお別れしました。世界が変わる。これで当直も災害もこわくない。

中学生〜現在までに使ってたメガネたち。今までありがとう!

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あえて病院名は書いてないけど、興味あればいつでも誰でも紹介するからいってください〜!^^

※追記※
術後3ヶ月経過して何のトラブルもなく快適にすごしております。若干左目の視力が弱くて最初気になってたけど、ほとんどの人が少しは左右差があると言われたのと結局普段は両目でみてるから慣れてきてさほど気にならなくなったかな。最近SNSでも河北麻友子さんがICLの広告に出てるのをみかけて、これからどんどん広まっていくんじゃないかなーと思ってたりしてます。

おにぎりを応援してくれる方がいれば、どうぞよろしくお願いします!!一緒にステキな毎日を過ごしましょう!