見出し画像

プラスチック食べて健康になれたらおもろいやん。一つの実証実験を終え、今後のことは色々な世界を見て決めます。-Anna

MAKERS U-18にはどんな人が集まっているのでしょう?6期生、中原杏菜さんに詳しく聞いてみましょう。

9期生エントリー受付終了!10期は2025年3月末開催予定。今冬情報解禁。
詳細はこちら▶https://u-18.makers-u.jp/

簡単に自己紹介をお願いします。

 中原杏菜です。今は大学生やりながら、"ワクワクを通じて食から健康を紡ぐ選択肢"を社会に提案するってことで、「食べられる栄養スプーン」を開発しています。

開発することになった経緯を教えてください。

 私は高校1年生の冬にバイオ研究の分野で活動を始めました。私のおばあちゃんが関節リウマチって病気を患っていて、それを"食"で解決してこうやって、研究計画とか立てて。で、実際に実験して自分の目で確かめたいなと思ったので、大学の研究室にお願いして場所を借りてやらせてもらって。研究続ける中でもっと、研究成果を積み上げることも大事だけど、もっと社会実装に繋げたいみたいな、こういうのを社会に還元する部分を担える人になりたいなって思ったのがきっかけで、ビジネスとか、それを商品化して何か社会に届けるみたいな分野に興味を持った頃に、MAKERS U-18に出会って。応募して、めっちゃ熱量高くやりたいやりたいって言ってたら、色々な大人の人に助けてもらいながら、今気づいたら、食べられるスプーンってのを作って商品になって売っていますっていう感じです。

スプーンって形になったのはどういう経緯なんですか?

 最初研究から社会実装を目指していた時に「サプリを作ればいい」って知り合いの人に言われてそのままサプリ作ろうって思ってた時期もあったんですけど、なんとなくつまらないなって思っていて。なんで世の中にいっぱいサプリあるのに何でわざわざ自分がサプリ作るのって思ってたんです。だけど、MAKERS U-18で私の大好きな株式会社リバネスの丸さんに「何かもっと面白いことしたいんじゃない」ってフィードバックをもらって、ぶち壊されたんです。そこからもっと自分がワクワクする手段で、食から健康を紡ぐっていうのを社会実装したいって思いました。

 でもワクワクする手段で社会実装って何だって考えたときに全く知識もないし何も変わらないわけで。その時に食と健康の分野以外で自分がちょっと心惹かれた分野が海洋プラスチック問題でした。プラスチックで生き物が死んじゃってるっていうのがシンプルに心にグサグサきてて、でも自分は別の分野だしってちょっと遠ざけていったんですけど、何かそういうことをぐるぐるぐるぐる考えながら塾の自習室でずっとぼーっと考えてました。そしたらプラスチック製の加湿器が目に入って、それ見てたら、「あれ、プラスチック問題になってるけど、これ食べて健康になれたらめっちゃ良くね。」って思って。プラスチックって害悪として捉えられがちだけど、もし食べられてしかも健康になれたらめっちゃ面白いじゃないって思って。

 それでプラスチックを食べて健康になるってのを一つテーマとして掲げて、実現可能性を詰めていった時に食器に行き着いて、その中で一番やりやすいものでスプーンになった。だから、最初はプラスチック食べて健康になれたらめっちゃおもろいやんみたいな、そのぶっとんなアイディアから、ここに来たんです。

ある意味、高1から目指していたゴールが達成できたってことですね。

 そうですね。食からワクワクする手段で社会に届けるってのが元々コンセプトとしてあって、具体的にどういうやり方で出すかが全くまっさらな状態の時にMAKERS U-18に来た。だからちょっと前の自分からしたらめちゃくちゃびっくりするようなところに今いるし、年の初めとかに、今年はこれとこれとこれとこれとこれを達成するみたいなのを細かく書いて、それを本当に全部達成させるっていうぐらいな感じでやってるタイプなんだけど、そこだけ見たらめちゃくちゃいいペースだしちゃんと目標を達成できてるけど、なんか幸福度が低いのがモヤモヤとしてあって、でも熱量高く気持ちを周りに表現したら評価してもらえるし、応援してくれる人もいるしっていう状態で、そこのギャップにモヤモヤしてた部分がありました。

ギャップってどういうことですか?

 何か評価されたり賞もらえたりとかしても幸福度が高くなくて、ちょっと気持ち悪くて。何が不満なんだろうって思って。だって元々立てた目標は達成できてんのになんで幸せじゃないんだろうって思ってたら、自分の本能とかから逸れたからだったんだ、「世の中での成功者」っていうところに寄ってしまっていたんだ、ってここ2ヶ月ぐらいで気づいたんです。

 MAKERS U-18やQWSみたいな面白いコミュニティに入るとめっちゃ面白い出会いとかサポートの機会ももらえるけど、そこの会話の中での優等生みたいのができちゃうなと思ってて。例えばこのタイミングでこの賞を取ったら次のフェーズに行けて、この分野でこれぐらい活躍してたらこういうのに取り上げられてるみたいな。そんな社会の当たり前っていうのが苦しくて抜け出してきたはずなのに、結局外に出ても、その界隈での優等生に自分が寄っちゃってたなみたいな。別にそこに寄せようとしてたわけではないと思うんだけど、何か目標を立てる時に先を行く人を真似したりとかして自分もその流れに乗って、ある意味みんなが思う成功者みたいなものに寄せた部分があったけど、最近それをやめたらめっちゃ幸福度が上がって生きやすかったんですよね。

 明日のこととか何も考えずにただ自分がその時やりたいと思ったことをその場で全力でやるみたいなのが最近できるようになって。ちょっとしばらくそういうのができてなくて。自分はそれに夢中になってるように見えて、ある意味ちょっと一歩引いて俯瞰して全体を見ているみたいで。それこそうまく進むように、社会的に良いと言われる道になんとなく沿ってたなっていうのを気づいて、それって自分らしくないなと思いました。私は自分にしか生きられない人生を生きたいって気持ちが強烈に強いから、別の人でもワンチャンいけるかもって思った瞬間なんか冷めちゃうし、生きてる意味がわかんなくなっちゃう。色々な人に迷惑をかけたりするリスクとか怖さもあるけど、やっぱり今だからしかできない自分が本能的にやりたいことを最近は選んでいます。だからみんなに評価される生き方ではないかもしれないし、大多数の人に気に入られるというよりは一部の人にすごく応援されるとか、自分がめちゃくちゃ納得して突き進める、みたいな選択を最近はしています。

なるほど。それも踏まえて今後考えていることってありますか?

 だからそれ以上のビジネスをやりたいのかとかはよく聞かれることが多いけど正直わからないです。だってもともと「面白そう!作りたい!」で始めてそれがたまたまビジネスを利用して実現することになっただけなので、わからないし、別にわからなくていいかなって思ってさえいます。もしかしたら1年後には「やりたい!」と思ってやってるかもしれないし、結局興味ないって気づいてやってないかもしれない。でも周りからの影響で結局そういうところに自分の意思が寄っちゃうみたいな部分もあって。だから今後も、もっともっと自分の目で沢山の世界を見ながらビビッとくる本能に従ってに突っ走るみたいな生き方を貫ければなーと思います。

 最初に<プラスチック食べて健康になれたらめっちゃおもろいやん>ってぶっとんだアイディアを思い浮かんだときの感覚が結構忘れられなくて、なんかビビッときたんです。いま電流走った?みたいな感じです。その感覚はこれからも大切にしたいなと思います。競争社会のなかでついつい生き急いでつまらない選択をするんじゃなくて、自分の本能に従って自分にしか生きられない人生を作りたいなーと。これはマストです。今はとにかく、自分が心から惹かれることに夢中になって、明日のことも考えずに本気で生きれたら合格!って思ってます。

最後に伝えたいことがあればぜひ。

 結構思うのは、私の周りとか私自身も1回陥った悩みなんですけど、何か珍しいことをやってそれを世の中に発信したり、こういうことやってるんですって言うと社会からも自分の周りの友達とかからもすごいねとか評価される反面、評価されてる自分とまっさらな自分とのギャップに結構悩む人が多いんだなっていうのを思ってて。でも「それってそんなもんじゃん」って思ってしまう自分もいるのがもう残念というか、評価される評価軸がもう明らかになりすぎてて、やっぱりみんなそこに寄せてっちゃうし、寄せた人が勝っちゃうし、寄せるのが上手い人が勝っちゃう構造ができてて、本当は超面白いこと考えてるのに、見せ方が難しくて輝きを見つけてもらえない人もいるわけで、なんかもったいないなって思います。

 心の中でスッゴイ面白いこと考えてるけど、表に全く出てこない人もたくさんいるってことを最近知って、そういう人たちめっちゃ魅力的だなって思うんです。そういう人たちが輝いていくためには、例えばMAKERS U-18やQWSに参加したような人たち、例えば私とか、そういう人たちが自分の身の回りの、こういう界隈と関係ない人たちをどれだけ巻き込めるかがポイントなのかなと思ってて。やっぱり身近な人に巻き込まれるのって一番影響力があるし、飛び込むチャンスになるし殻を破るチャンスになるし、そういうのができたらなって最近は思います。お互いが見てる世界をみんなで共有できたらもっともっと面白くなるのに、自分の世界に入りがちなのがもったいないなと思います。だから今まで本当に人に興味がなくて、自分だけ無双できてればいいと思ってたけど、全然そんなことなくて。周りを巻き込んだ方が全然面白いことできるし、なんだ自分も生きやすくなるんだっていうのを最近学びました。

<編集後記>

中原さんの想いや理想、そこから湧き出る行動や挑戦、いかがでしたか?
引き続き、応援してます!

[取材日]2022/11/2
© 2022 Anna Nakahara&ETIC. All Rights Reserved.

<最後に>

▶︎MAKERS UNIVERSITY U-18について知りたい方へ
公式WEBサイトをぜひご確認ください。

▶︎MAKERS UNIVERSITY U-18のコンセプト
こちらのnoteに新キャッチコピーに込めた想いを綴らせていただきました。

▶︎他のMAKERS U-18生についても知りたい方へ
自分のスタイルで挑戦を続ける、カオスなまでに多様なMAKERS U-18生を紹介しています。これまで取材したメンバーをこちらにまとめておりますので、ぜひご覧ください。

▶︎MAKERS U-18を体験してみたい方へ
U-18革命児の皆さんの背中を押すための企画を随時開催いたします。こちらのnoteに開催予定のイベントスケジュールをまとめています。

▶︎大学生以上の方へ
大学生版MAKERS UNIVERSITYもございます。ぜひこちらもご覧ください。

▶︎教育に想いがある方へ
MAKERS出身の若手起業家・イノベーターが、その生き様を高校生に伝える高校への出張授業プロジェクトも始まっています。

今後とも、応援よろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?