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計算機と人間が、対等に共存する世界へ。その時はきっと、ロボットとは言わない。そんな何かを創って、一緒に住みます。-Jumpei

MAKERS U-18にはどんな人が集まっているのでしょう?8期生、齋藤淳平さんに詳しく聞いてみましょう。

9期生エントリー受付終了!10期は2025年3月末開催予定。今冬情報解禁。
詳細はこちら▶https://u-18.makers-u.jp/

簡単に自己紹介をお願いします。

 齋藤淳平です。色々なロボットを作って展示とかをしてて、目的はロボット、、、最近は計算機って言い方してるんですが、それと人間が対等に共存する世界に向けて活動してます。

計算機と人間が対等にというと、たとえばどういうものですか?

 最近作ったプロダクトだと、仮想世界、デジタルの世界と現実世界を繋げるのぞき窓みたいなデバイスが作れたら面白いなと思って、Moving Displayという、ディスプレイに足をつけてディスプレイ自体が動き回るロボットを作ったりしています。

 たとえばディスプレイに表示した文字はディスプレイを動かしてもそのままじゃないですか。でもたとえば、ディスプレイが右に動いたらその文字が見えなくなるみたいなことが起きたら、何だろう、ロボット側のバーチャル世界にいるオブジェクトが実際にこっち側の世界にいるみたいなのが表現できるんじゃないかなとか。それこそ流行ってるメタバースで、ディスプレイの動きにメタバース内の表示を変えれば、メタバースが現実世界にいるみたいな風にできると思うんですよ。

 あと、3Dの物体を表現する時って、基本的に2Dのディスプレイ上でくるくる回したりしてそれが3Dだよって認識させるじゃないですか。それだと、計算機側の表現手法がディスプレイという現実世界の手法に縛られちゃってるなと思って、現実空間上に3Dを表現できたらいいなって思ったりしてます。

 それでこの前学校の文化祭で、音楽を自動で分析して、それに合わせて空間を変化させるLEDを作ったりしました。LEDがピカピカ光る2mの棒を作って、たとえばそれを4本立てて、1本につき2点、合計8点光らせたら、LEDの光が頂点になってそこに立方体があるように見えるじゃないですか。それを上下に動かしたら、ディスプレイの中に3Dモデルがいるんじゃなくて、現実世界に立方体がいるんじゃないかって見せられるのかなとか。本数を増やしたらもっと何か、そこに実際に3Dがあるように見せれるんじゃないかなみたいな。それと音楽を連動させて、3Dオブジェクトが自分で動いてる、みたいな。

 そういうのを通して最終的にやりたいのは、こっち側が計算機側にこう動けってするんじゃなくて、計算機側が意思を持って表現できるというか、コンピューター側で自動生成された何か、ロボットがワーワー、自分でこう動きたいからこう動いてるみたいな世界をつくりたいなと思ってます。

どうしてそういう世界がいいなと思ったんですか?

 作りたいものを作ろうと思っていたらそういうのが出てきてたんですけど、何でなんですかね。。数ヶ月前に、チームメンバーみんなでなぜこれを作りたいのか考えようって会をしたんです。まず僕が作りたいものは何だろうなっていって考えていって、何で作りたいのかっていうのをみんなでめっちゃ話し合ったんですよ。その最終的な結果として、ロボットと人間が対等に共存できるみたいな、そういう世界観が根本にあるんじゃないかって話になって。

 その考えが僕の根本にあるのは多分、小さい頃から戦隊ヒーローとかの世界観が好きだったからなんですよ。ヒーローとロボットが一緒に何か協力して悪を倒していく、もうその世界においてどっちが上とかはなくて、道具とかじゃなくて、相棒として、一緒に戦っていく世界観があって、そこにすごい影響を受けてるんじゃないかなって思ってます。チームでの話も、そういう世界観を作ってみたいってところがあるのかなって結論付けました。

小さい頃からロボットはキーワードだったんですね。ロボットとの出会いのストーリーを教えてもらえますか?

 そうですね。さっきも言ったみたいに、子どもの頃から戦隊ヒーローが好きでした。戦隊ヒーローのおもちゃが色々あるじゃないですか。うちにはいっぱいあって、ちっちゃいときめちゃめちゃそれで遊んでた記憶があるので、そこでまずロボットに興味を持ち、そこから何かを作ること。レゴとか木とかで色々工作したりして、中学の時に公立なんですけどたまたまロボット部があって、そこでロボットを始めました。

 家の近くの、本当に普通の公立中学校に行ったんですけど、たまたまめっちゃいい先生がいて、ロボット部があって、ロボットやらせてくれて、めっちゃロボットやりました。最初は4人でチーム組まされて、そのパフォーマンス部門に向けてやってたんですけど、組まされたチームなので熱量がバラバラではありました。僕はめっちゃやりたかったので、やる気満々だったんですけど、他の人は一応部活入ってこうかなみたいな。なんなら親に部活入れって言われてるけど運動部には入りたくないって人のたまり場みたいな感じにもなってて、でも、そういう人とチームを組むわけじゃないですか。そしたら、超喧嘩しまくるんですよ。

喧嘩ですか。

 はい。毎日のように喧嘩して。話し合いの流れでなんなら僕殴られたりしたんで。なんでだっけか。。。「なんでやらないの」「やりたくて部活入ったんじゃないのか」とか僕は言ってて、まあ正論っすよね(笑)。

確かに(笑)。

 そういうこと言ってたら殴られたりしたりしてて、すごい1年目でした。でも、徐々に一緒にやろうって空気になってくれた子がいて、その子と頑張りつつ、なんか色々上手くいってその年は全国大会で優勝できたんですよ。

すごい。

 いやー正直奇跡ですね。ロボット1年目でそれで、正直それ以降は大会でいい成績残してないんで、マジで何かビギナーズラックみたいな感じだったんだと思います。

その時はどんなロボットを?

 その時は、思想の欠片もない、手が所定の位置に来たら板がパカパカ動く、ってことで、板を割る空手家のロボットとか言って、そういう謎のパフォーマンスをするロボットを作ってましたね。でも、謎とはいえ、画像認識とか結構いろんなことに挑戦して、ロボットめっちゃ楽しいってなりました。

いいですね。それからは?

 2年目は、最初は4人いたんですけど、2人抜けたんですよ。何か色々あって、僕に向けてありもしない噂を流されたりとかしてたんですけど、でもその子は信用なかったからあんまり信用されないみたいな。いやでも今思ってみれば嫌がらせだよなって思いました。2年のタイミングで多分3人くらい追加で入ったんですけど、ここのチームはやばすぎるってなって、1ヶ月ぐらいで2人抜けて、去年のもう一人と僕と新しい一人で3人で頑張ってました。

チームについては波瀾万丈ですね。

 たしかに(笑)。その2年目はRPGゲームを実際に作るってのをやってて、勇者ロボットと敵ロボットを作って、人間の腕の動きと連携して動く勇者ロボットが敵を倒していくみたいなロボットを作って、結構楽しかったですね。でもその年、コロナで大会がなくなっちゃって。全国大会の前に千葉県の強豪と当たって、でも絶対もう勝てなくねみたいな状態だったんすけど、めっちゃ頑張って勝って全国大会行けるってなったんですけど、全国大会なくなっちゃったんです。

 3年目はコロナで、時間ができたから、コンピュータ設計の方法とか色々勉強してました。そうだ、その時の夏休みに、4bit+4bitの足し算ができる計算機みたいなのを、それを昔の本当に一番最初の方のコンピュータで使われていたリレーっていう電子部品があるんですけどそれで実際に作ってみるのと、最近できたICで計算機を作ってみる、昔の部品で作るのと最新の部品で作るので計算速度を比較するみたいなのをやって、そんなこんなで受験勉強を始めたのが中3ですね。

 高1になって中学の別のチームだった友達と一緒にサッカーロボット開発を始めました。サッカーロボットっていうのは人間のサッカーと同じで、自律型のロボットを作っての協議です。何でサッカーロボットを始めたかっていうと、サッカーロボットの大会はコミュニティがすごく良くて、教え合う文化とかがすごいあったのでそこで色々勉強させてもらおうと思ってやっていました。あ、でも、そのチームも気づいたら1人音信不通になったんですよ。もう1人は受験があるから勉強しなきゃいけないからって言って消えて、それが高1の冬とかですね。高2の春には解散してましたね。

 そして高2で、ロボット仲間作れたらいいなと思って元々あった幽霊部活を改変して今年からロボットやりますって言って、10人くらい入ってくれたんですけど、教え方が適当すぎたせいで、2人しか残らなかったっていう。でもすごく前のみりにやってくれて、今は1人の子には回路全部任せてやってもらってて、もう1人の子はプログラムとかやってくれるし、メール返信とかもしてくれます。

 そこから今は今は4人でやってます。教えた中の残った2人と、後は他の学校の1人、1人は中学の同級生。ロボットに興味あってでもやる機会がないって子がいたので一緒にやろうよって誘って、今その4人で色々開発してる感じです。

どんなことをしてる時が一番楽しいですか?

一番好きな時は、やっぱり何作るか考えてるときじゃないですかね。みんなで何作ろうかって色々アイディア出してやってるときが一番楽しいです。あとはもちろんそれが出来上がったときです。

アイディアってどんな時に出てきますか?

 どういう時に出てくるんだろう。なんかふと思いついたりして、覚えてあって、いざコンテストとかに出るってなった時に、それに向けてあれ作るかって流れが多いですかね、あとは暇な時期に新しいのを作りたいねって時に、みんなでめっちゃ考える会をするので、そこで出したり。あとはもう実際にできてるものがあって、それを改良したり問題点を直そうってなって、どう直していくかとか考えるのもすごい面白いですね。

逆に、ロボットでも苦手なことはありますか?ハンダゴテとか。

 ハンダゴテはできますね。めっちゃ練習というかすごい作りまくってたんで、最近は全部チームメンバーがやってくれてるんですけど、なんか、好きだからめっちゃやってて、そしたらできるようになったっていうのはあるかもしれないですね。

 でもハンダ付けの作業自体は超大変で、めっちゃ部品を付けなきゃいけないし、ロボットの規模が大きくなればなるほど、例えばモーター4つ回したかったら、モーター4つ分の回路をハンダ付けしなきゃいけないとかは、大変だなってなりますね。

 あと、会計とか事務作業は得意じゃないですね。スケジュール管理めっちゃ苦手なんで、制作も基本的に大会直前にみんなで徹夜して作ってます。でも、もうちょっと余裕を持ってやらないと本当に作りたかったものが出来上がらない問題が発生してるので、もうちょっとちゃんとやんないとねってさっき話してましたね。

今後目指している具体的な目標はありますか?

 まずは今作り始めた3つのプロダクト、動き回るディスプレイ、光る棒、あとロボットアームとかを、まず今自分が想像しているところまで完成度を上げるっていうのがまず目標で、完成度が上がったよねっていう証明になるのが、世界大会に行く。世界大会で優勝するってところがあるので、結構そこはでかいです。来年の7月にある世界大会に向けて、アイディアをちゃんと的確に形にしていくというのが直近の目標です。

最後に、今後目指す壮大な野望は何かありますか?

 何だろうな。。。僕が作ったロボット、、、でもその時にはロボットって言われてないと思うんです。人間と対等なので。なのでロボットではない、でも今だとロボットって言われる何かと、一緒に暮らしてたらめっちゃいいなって思います。というか暮らせるようなものを作りたいなって思ってます。それに向けて、大学ではビジネスにするとか儲かるとかはあんまり気にせずに、色々作って、作りたいもの、僕の中にあるアイディアを片っ端から形にしてって、何かハマるものを見つけられたらいいなって思ってます。

齋藤さんの想いや理想、そこから湧き出る行動や挑戦、いかがでしたか?
引き続き、応援しています!

[取材日]2023/11/27
©2023 Jumpei Saito &ETIC. All Rights Reserved.

<最後に>

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今後とも、応援よろしくお願いいたします。

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