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檜の端材でメジャースプーンを作る
お久しぶりです。
ひと月くらい前にふと思い立って、コーヒー用のメジャースプーンをずっと作っておりました。週末を潰して何度か失敗を繰り返しながら、作り方もアップデートしてたのでここに書き残しておきます。
今回の材料はヒノキの無垢板、厚さ23mm。以前スツールを作った時と同じ材料です。作るにあたって参考にしたのがカリタのスプーン。ドリッパーに付属していたやつです。
これ。手元にあって、サイズを測りやすい形状だった、というだけの理由です。測ってみたところ、寸法は以下の通り。これで豆は10gです。
直径:41mm
深さ:23mm
体積:41/2^2×3.14×23=30350(mm^3)=30.3ml
手元の工具で作れる形を考えながらこれに近い体積になるように形状を検討していきます。ある程度の正確性と加工を簡略にするため、円筒形をくり抜いて、それから周囲の部分とグリップを整形するのが大まかな工程です。
手元に揃ってるホールソーで開けられるのは径50・48・45・40の4種類。ただし48mmは少し工程が複雑になるのであまりやりたくない。
直径50mmの場合
深さ(D)=30350/3.14×25^2=15.5mm
直径48mmの場合
深さ(D)=30350/3.14×24^2=16.7mm
直径45mmの場合
深さ(D)=30350/3.14×25^2=19.1mm
直径40mmの場合
深さ(D)=30350/3.14×25^2=24.2mm
材料の厚さが23mmなので45mmの径の穴を19mmほど掘ればほぼ同じ容量が作れます。そもそもの動機は、いつも使ってるマグカップの場合、一般的なコーヒーカップよりも容量多いのでそれに適したメジャースプーンがあってもいいのでは?ということだったのですが、それはまた後日やるとして、今回は標準サイズで作ります。
おおよそのサイズが決まったら材料に線を入れていきます。縁は3mm程度見ておいた方が良いでしょう。仕上げていく過程でさらに薄くなっていきます。外の輪郭線もあるので両面。ただそこまで精度よく線が引けるとも限らないのであくまで目安としてです。
今回使うのは45mmのボアビット、底が平らな穴を作れるドリルです。
ただし、使用中にブレないように、中心にキリがついてます。なので実際に作れる穴は中心に深い部分ができてしまいます。このキリの先端が深さ19mmになるところまで掘り、その周辺はそれよりも浅くなるので、浅い部分をトリマーで均します。
先端のキリが約5mmなので、必要な深さから5mm引いた14mmほどこれで掘ります。分かりにくいので、あらかじめ14mmの深さまでドリルで穴を開けておきます。
中心に近いところに掘ってしまうとボアビットのキリがその穴に持っていかれるので、離れたところを掘ります。穴は1箇所でもよいですが、多めに開けておくとボアビットで掘り進める時の負荷が少なくなるのでよいかもしれません。
その穴が見えなくなるところまでボアビットで掘り進めます。
穴が見えなくなったらトリマーで底を均します。今回使ったのはベアリング付きのストレートビット。軸についてるベアリングが、先にボアビットで掘った部分をなぞ流ので、円筒形に掘り進めることができます。
先に開けたドリルの穴が見えなくなったところで一度外して、深さを確認してみます。足りなかったらトリマーを微調整して掘り進め、掘り過ぎてたら後ほど、表面を削って調整します。少し掘り過ぎてるくらいでよいでしょう。くれぐれも貫通させないよう、材の厚さと掘った深さをこまめに確認します。
穴が掘れたら周囲を整形。鋸で大まかに切り落とします。あまりギリギリを狙わなくてもよいので、厚さが均一になるよう、なるべく垂直になるよう慎重に進めていきます。細工用の鋸が歯が薄く、木屑も割と少ないので線を見失うこともないのでよいです。
裏側。グリップ部分を大まかに切り落としていきます。
切り落としたらサンダーで整えていきます。今回使用したのはNTのドレッサー。大型と小型、大荒目から中目まで揃えました。特に金属グリップのものは重量があって安定しますので、かなり重宝しました。おすすめ。
大荒目である程度形を作り、荒目で罫書き線に近づけ、中目で表面の凹凸を削るイメージで形を整えていきます。それができたら240番→400番くらいのサンドペーパーで表面を整えていきます。仕上げはナイロンシートが、厚みがあり、内側のくぼみに届き、しかも指が痛くならないのでよいです。400番と800番を使いました。
このあたりまでくると、気が済むかどうかでしかやめ時を判断できなくなります。細かい木屑が溜まりますので、たまにペーパータオルで拭いてやると思いのほかツヤが出てたりしてびっくりします。
最後に木屑を拭き取って、オイルを塗り込んで完成。食用のオリーブオイルを使いました。ごま油でも大丈夫です。使う油によって色味が少しずつ変わってきます。まだ試してないですが、使っていくうちに、コーヒー豆の油で染まっていくのでそれでもよいと思います。
右が素地。左がオイルで仕上げたもの。
ここまでだいたい4時間×2日くらい、削り出しまで1日、磨きに1日くらいでした。外に出られないので毎週末に1個作る感じで7月はほぼ終わってしまいました。やっていくうちに細かいところが気になりだして、工程を少し変えてたりもするのですが細かいTipsはまた気が向いたら書きます。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。よろしければ投げ銭をお願いします。頂いた分が、次に使う道具や材料になると、私のモチベーションも上がります。
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