大も小も兼ねて

世間は小食に厳しい。

TVや雑誌を見ればデカ盛りのお店の紹介や大食いの企画が展開され、町の老舗の食堂に行けばおばちゃんが懇切丁寧に盛った大盛りのご飯が提供されるし、そういったお店は特に若者に重宝される。

大盛りは正義だと言わんばかりに、世の中のたくさん食べたい人たちに向けてサービスは続いている。かたや自分は平日は1日1食が基本で、休日も気が向けば昼夜の2食をするのみ。

前に40歳手前の先輩に飯に誘われたときも、若いから食べろという期待には答えられず。パスタ屋に行き、ハーフ&ハーフという2種類のパスタが食べれるメニューをお互い綺麗に同じ量残したことがある。普通のパスタ1皿分より少し量が多いぐらいなのだが、店を出てハーフ&ハーフのハーフでよかったなと一緒に後悔した。

大学の頃はラーメン二郎がキャンパスの近くにあり、その頃も小ラーメンではあるが食べきっていたし、定食屋でも大盛りを頼んでいた。いまや、やよい軒でご飯をおかわりしないマイノリティな人類になってしまった。20代も後半に差し掛かった今のタイミングで明らかな食欲の衰えを感じていると、再来年には死んでそうだなと思うことがある。

とはいえ、ジャンキーなものはたまには食べたいのだ。それこそ二郎なんかを食べたいと思うことがあるが、そこはぜひともお通しぐらいのサイズ感で味わいたい。

お通し二郎、お通しすた丼、お通しカルビ…。需要が低すぎて商売になる気がしないが、小盛りジャンキーという新しいジャンルを提唱したい。お金はないが、夢はある若者に満面の笑みで、お茶碗に半分ぐらいしか盛られていないご飯を提供する食堂のおじさんになるのも悪くはない。ただのケチなジジイだと、噂になりそうだけども。


#大食い #少食 #グルメ

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