このまま海見に行こうなんて言うエモい夜
同僚とお酒を呑みに行きまして。久々に仕事終わりの一杯。濃いめのレモンサワーを飲み干したグラスがまた一つ。
最近見た映画の話。
向かいに座る先輩が、大学が舞台のラブストーリーに心を打たれたと話していて、みんなそれなりに大人だけど未だにあの頃に戻りたくなる瞬間があるよね、なんて相槌を打つなどする。
今が楽しくない訳ではなく、なんとなく学生時代にしか感じられない空気がある。
そういった気持ち分かります?
あの子も自分と同じ気持ちなのか確かめたくて、わざと買い出しに誘った時。
散らかったチューハイの空き缶を片付けながら見ていた寝顔。
お金も無いから、決まって行くのは地元のファミレス。
このまま海に行こうなんて言って、自転車で走り出した夜。
「大学生活は人生の夏休みだ」と言った先輩
サークルのOBが「大学生活は人生の夏休みなんだから、今のうちに遊んでおかないと今後遊べないよ!」と言っていたのを思い出します。
実際に社会人になってみると、意外と遊べるな。というのが私の感想でした。
友達と飲みにも行けるし、旅行だってするし。
だけど、今が永遠に続くと思っていたあの頃の空気感と温度は大人になると感じられなくなるものですね。
不思議なもので。
今この時、この場所にいる私が
「このまま海行きましょうよ!」
「いいねー!」
なんて言ってみたけど、本当に行かないことはみんななんとなく分かっていて、そのまま今日も疲れたねなんて言って眠りにつくまでも頭の中にはあって、朝起きて会社に行けば、昨日の事なんて一瞬で忘れるくらいの仕事たちが待ち受けていて、そしてまた夜が来る。
これはもう私が大人になってしまったということなんだな、と悲しくもあり自力できているということに胸を張れるところでもある。
だからこそ映画の中の人物たちが、自分自身のあの頃をなぞり描いているような気がして心を打たれるのかもしれません。
そんな事を思った夜。
この日もまた、あの頃と呼ぶ日が来るのでしょう。
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