カバの為すままに。

小説の創作ノートです。

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最近の記事

26歳、サラリーマン。

電車に揺れる23時。 2人しかいないのはもう慣れた。 あなたは薄暗いベールに包まれ音楽を聴く。通り過ぎる踏切、無意味な開閉、唐突なブレーキ。ランプは光る、見上げれば前に座る貴方は笑う。 飛び降りたい物語のテーラーは自分。じゃあ、依頼者はどなた? 雨にきらめく傘を眺めて赤青黄色に混ざる天井。うっとうしくて高く突き上げたら風に揺られて。雨にずぶ濡れ。ぶら下がる傘を見つめて今までの自分を愛しくて蹴り捨てた。 依頼者からの伝言は空耳。勘違いだから知らん顔。でもちょっと聞き返し

    • 52点。

      2021年11月5日。燃え殻さんの「僕たちは大人になれなかった」が公開された。Webや本では読んだことがなく、映画が初めてだ。あらすじを書くほど丁寧ではないので、感想をそのままに書く。ちなみにコレは2021年11月6日に書き出した。 まず今朝の夢だ。テレビ番組の収録だろうか、お笑い芸人などがボクシングのリングを囲んで盛り上げていた。自分はそのリングの中で盛り上げるために必死におどけていた。だが、カメラは舞台の自分ではなく、芸人集団の真ん中にいる明石家さんまさんを撮っていた。

      • ソレの正体

        風邪気味ではないが、重い身体を布団から取り出した。気だるさは、昨日の一件のせいだ。 ーーー 仕事に出かけようと玄関に着くとそれは待っていた。バームクーヘン。特に好きでもないソレがドアノブにかかっていた。外にかかっているなら、誰かの悪ふざけだと言えたが、違う。内側のドアノブにかかっていた。散らかった靴と安っぽいドアとバームクーヘンがそこにはあった。

        • つれづれ

          きらきら、ららら、りらりらる。 さらさら、りりり、りらりらる。 ひらひら、るるる、りらりらる。 くるくる、ふふふ、りらりらる。 とことこ、ははは、りらりらる。 よろよろ、へへへ、りらりらる。 明日も逢おう。この下で。 猫と桜とまた明日。

          友達の話。 #1

          僕にはペンギンの友達がいる。 あだ名はペンちゃんだ。 出会ってすぐ、そう呼び出した。 なんでぺんちゃんと出会ったかは、また気が向いたら書く。今日は違うことが書きたいのだ。 太陽がポカポカしているある日だった。 ペンちゃんは空を飛びたいと言った。 あの小さなスズメも空を飛ぶんだから、自分だって青い空を飛べるはずだと。あの真っ黒いカラスも空をスイスイと飛ぶのだから、白黒の自分だって飛べるはずだと。 でも、飛べない。 僕はぺんちゃんが飛べないことは知っていた。