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他人と縁を結ぶということ―里親に支払われる養育費

2023/4/26(水):特別養子縁組
 見に来て下さったこと、とっても嬉しいです。ありがとうございます!

はじめに

 水曜日の今日は、里親制度、特に特別養子縁組について考えていきたいと思います。この記事を読んでいる時間、少し一緒に考えて頂けると嬉しいです。

 では、今日のテーマは「里親にかかる養育費の支援」について。
 里子を育てていくうえで目をそらせないのがお金の問題。正直、いくら理想論やキレイ事を並べ立てようとも、お金の問題は切り離せないもの。
 だけど、何だか触れにくくて、どこか「タブー」な要素を持っている問題なのも事実。
 いろいろ伝えたいことはあるけれど、まずは実際に支給される養育費をご覧ください。
※資料は令和3年度のものです。


里親に支払われる養育費

生活諸費
乳児 :¥60110/1人当たり月額
乳児以外 :¥52130/1人当たり月額
教育費
学用品費等 小学生 :¥2210/1人当たり月額
      中学生 :¥4380/1人当たり月額
通学費・教材費・学校給食費 :実費
部活動費(中学生)・学習塾費 :実費
特別育成費
公立高校 :¥23330/1人当たり月額
私立高校 :¥34540/1人当たり月額
里親手当
養育里親 :¥90000/1人当たり月額
      (2人目も同額)
専門里親 :¥141000/1人当たり月額
      (2人目も同額)
養子縁組里親・親族里親 :¥0
 そのほかに、幼稚園費、学校給食費、見学旅行費、入進学支度金、就職・大学進学等自立生活支援費、里親受託支援費などがあります。医療費は受診券交付。


 

考察

 上記の数字を見て、どんな気持ちになったでしょうか?
 「自分で生んだ子には自腹で育ててるのにずるい」?
 「善意で里親をするはずなのに、お金を受け取るなんて嫌悪感を感じる」?
 「こんな風に養育費を払うと、養育費目当てに里親になる人が出てくる」?
 「意外と少ない、こんな額で子どもを育てられない」?
 きっといろんな気持ちを抱かれたのではないかと思います。

 実際に私の身近にいる人も、
「あの人、里親してるっていうけど、お金受け取ってるらしいよ」
そんな風に眉間にしわを寄せて噂話をしている姿を見たことがあります。
 その話を私が聞いた時には、私たち夫婦が特別養子縁組を考え、実際に研修を重ねていた時のことだったこともあり、私たち夫婦もこのまま縁組が進めば養育費を受け取ることがあるということを伝えました。
 すると相手は
「あなたたちはそういう意味で受け取るんじゃないし、他人の子どもを引き受けるのだから、当たり前だ。特別養子縁組に里親手当がないのはおかしいとも思っている。
 だけど○○さんはそういう感じではなくて、里子をドンドン引き受けている。あれはきっとお金目当てだと思う。」
とフォローなのか何なのか…な話をしていました。

今後の課題

 正直、こういう
「理解していないけど何となく差別感を抱いた人」の、何となくの思い込みや嫌悪感が養子縁組家庭の差別感場を生み、
「あの家は自分たちと違う」
という思い込みと、
「自分の感覚と違うのは、あの家庭が養子縁組の家庭だからだ」
というような悲しい差別のループにつながってしまうのではないかと思います。
 正直、こういった「知る気のない市民」こそが、社会で守るべき子どもたちの未来を困難なものにしてしまう、とっても迷惑な理由になっているのではないでしょうか。

 どうぞ、
「施設に入る子どもたちの悲しい家庭背景を特別で不幸なストーリー」や「授かれない夫婦の泣く泣く選んだ同情を誘うストーリー」、
「志の高い夫婦がボランティア精神で子どもを預かる、自分たちとは別世界のストーリー」
ではなく、子ども一人一人の幸せ追及に対する社会の背負うべき責任、そしてそれら責任を負うべきは社会構成員の私たち一人一人であること、それらの当事者意識をもてるような情報開示がされる日本になってくれますように。
 いつかその一役を私にも担えたらいいな…そんな風に思いながら、今日の投稿を終わります。

今日はここまで!
最後まで読んでくださって嬉しいです。
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