他人と縁を結ぶということ―里親が担う養育の一般原則
2023/7/12(水):特別養子縁組㉙
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今日は特別養子縁組や里親養育における養育の原則について触れ、考えていきたいと思います。
里親が行う養育の一般原則
児童福祉法第27条第1項第3号において里親が行う一般原則について、以下のように提言されている。
考察
1に関していえば里親・特別養子縁組だけでなく、本来ならば所謂実の親子関係にもいえることである。しかし、親子関係のなかで無意識に親は子供に必要とされることを望むあまり、子どもの自立を良しとしないケースが見られる。
本来実の親子関係であっても、保護の命や成長を守る義務はあるが、我が子の自立の妨げになるようなことをしてはならないのであるが、
また、この自立という側面は、ただ「自分で生活する」ということだけでなく「自分の人生を自分の選択で歩んでいける」ということである。子どもの人生は子ども自身のものであり、それは実子でも養子でも、血がつながっていても社会的に保護された関係であっても侵されることの許されない、子ども達一人一人に保証されるべき権利なのである。
里親研修の時、受講生同士で話をしていると当たり前のように、「里子の面倒を見てやるのだから、将来的に自分(里親)が求めた人生を歩むものであり、何を望んでいるか分からせないと!」というようなことを恥ずかしげもなく語っていた人がいた。
「里子自身の幸せと自己充実」という見返り以外を求めている時点で、その人物は「里親不適格」として研修から出ていってもらってよいのではないか…というのが、研修を受けていての私の感覚である。
そしてこのような里親希望者の「社会的擁護」の理念から外れた考え方を正し、学んでいくのが2に書かれた里親研修での学びである。
ただ、私自身研修を受けていて、この研修を主宰、講義をしている側の人間の偏見があまりにもひどく、「里子になる子は○○の精神状態です」「愛情に欠けているので…」「親に見捨てられた子は…」「親は○○なことがほとんどなので…」などと、きっと無意識だと思われる差別的で思い込みに満ちた発言をされていた。
特に問題意識のない里親希望者や、もともと少し偏見のある希望者は彼らのこういった差別的表現を受けて、里子候補の子ども達に対して「可哀そうな子」など偏見のフィルターを通してしまうのではないかと大きな疑問と問題を感じ、変えていくべき事柄だと思っている。
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