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クライマックスの連続~映画『ハント』感想(ネタバレなし)〜

(以下、映画『ハント』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)


最初から最後までクライマックスの連続と言っても過言ではなく、緊張感が一瞬も途切れませんでした。

安全企画部の仲間内で争いを繰り広げ、殺し合うことになるというストーリー展開が、韓国の現実の歴史とも呼応する構成になっているのが見事です。最初に出てくる「この物語はフィクション」という字幕が、逆に、この作品が現実を鏡のように写していることを示唆しているようにも感じます。

また、銃撃戦のシーンは映画『ヒート』(街中にてスーツ姿で撃ち合うシーンなど)と『男たちの挽歌II』(派手さや爆発シーンなど)を掛け合わせたような印象で、リアルでありながら、映画的なケレン味も感じる見応えのあるものでした。

圧迫感を引き立てて、登場人物たちの焦燥感や迷いを表現するような照明やセットも印象的でした。

本作で脚本・監督・主演と、マルチな才能を見せつけたイ・ジョンジェ。次回作が今から楽しみ。

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