こどもが欲しくない

こんな記事を読んだ。

子供が欲しくない女性が62%!急増する生みたくない心理と理由3選


私も子供を持ちたくない既婚女性の一人だ。よく「年を取ると欲しくなるよ」と言う台詞を聞くが、40代半ばになっても(日本では)子供が欲しいと言う気持ちは芽生えないままである。

そんな私なので62%が欲しくないと言う事には特に驚きも無いのだが、上記の記事の「子供が欲しくない」にいたった理由がどうもしっくり来ない。

①自由が無くなる(旅行が好きなど)

②仕事がしたい(長年の夢を追いかけている)

③待機児童問題などが厳しい

本当にこんな明確な(ある意味前向きな)理由があって、欲しくないのだろうか?子供を持ちたくない日本女性が増えてるのは、もっとなんと言うかね、消極的と言うかマイナスな理由が原因だと思うんですよね。



例えば、もし子供に障害があったら、事件を起こしたら、亡くなってしまったら。こんな大きな問題じゃ無くても、病気になったら、勉学が出来なかったら、容姿が優れていなかったら。思っていた性別で無かったら。

こういった親の努力でコントロール出来ない部分を責められるのは女性になりがちです。基本的に子供=「母親が悪い」です。

そういった光景を私は幼少時から見て来ています。子供の性別や数で母親が責められるのも日本において日常茶飯時。継がせるようなものも無い癖に「跡取りを」「次こそ男の子を」と喚くオジサンオジイサンはいます。令和の現代ですら残念ながらうじゃうじゃいます。文句は女の子になる精子をゴールさせた息子にどうぞ、と言いたい所ですがそんな発言が許されるような親戚関係は稀でしょう。

こういった攻撃が1度2度で済めば良いですが、「女の子に学はいらない」だの「容姿が〇〇だ」と子が巣立つまでオジサンマウンティングは永久ループします。給料が発生する仕事で言われるならまだしも、無給じゃとても割が合いません。そもそもマトモな会社ならパワハラ退場で終わりです。

例え運良く心の綺麗なオジサンしか周りにいないと言う奇跡が起きても、学校行事PTA等子供を人質にした母への無給労働強制は続きます。



実は独り身だった時は「子供がいても良いかな」と思っていました。一人なので嬉しさも辛さも全部私だけの自己責任です。でもワンオペは不安が残るので女性二人で育てるのが理想ですね。日本では現実的じゃないですが。

けれど男性パートナーの場合、話が変わってきます。日本にいる限り、子供の「努力ではどうしようもないアレコレ」「やりがい搾取の無償労働」に関して女性が一方的に矢面に立つのは確定事項なので、男性パートナーと子作りするのはフェアじゃないと思ってしまいます。(もし子供を作るなら、日本以外で子育てさせて下さいと夫には伝えてありました)例え夫がフェアな考えを持っていても、周りは決してそうじゃない。

私はたまたま幼少期から思春期をヨーロッパで過ごしてしまったので、余計に日本人である両親や親戚と、ヨーロッパ人の友人知人との価値観のギャップに適合できなかった部分もあるかと思います。PTAも授業参観も無く(運動会や文化祭すら無く)親が学校行事への参加を促される事はありませんでした。お弁当も果物丸ごとに食パン一袋と言う雑さ。儒教思考では無いのでオジサンのマウンティングに対しても戦いやすい土壌があります。また、同調圧力も薄く自由が許容され易い文化でした。それに比べて日本の母親の難易度の高さよ!

仮に、私が母性溢れる女性だったら、ハードルが高く見える日本育児もウェルカムだったかもしれません。しかし、残念ながら溢れていませんでした。

でも同じように「子供はどっちでもいいけど、上記の日本における子育てが楽しそうに思えないから、いらない」と言うマイナス思考で、子供を持ちたくないと言う人。実はそこそこいるのでは。

子供がいなかったらいないで責められがちです。だけど、子供がいた場合も結局責められる上に、20年は育てなきゃいけない労力を考えると、いないままの現状維持で落ち着いてしまうのかもしれません。

外に働きに出ても、子供の為に遅刻早退を繰り返すのは母親ばかりです。結局仕事も育児も中途半端になり、自己肯定感が低いまま疲弊してる女性はありがちです。要領がいい女性なら全てパーフェクトにこなすのでしょうが、残念ながらそんな甲斐性を自分が持ち合わせてるとも思えない。

最初に述べた子供が欲しくない理由、旅行がしたい!仕事がんばりたい!(待機児童問題は仕事がんばりたいの亜種ですし)みたいな前向きタイプばかりではないと思いますよ、と言うお話でした。