熱交換器ジャケット破裂

過去に経験したトラブルに、シェルアンドチューブ式熱交換器のジャケット(シェル側)が破裂したことがある。当該ジャケットには2℃のナイブラインを流し、チューブ内の80℃の注射用水を12℃まで冷やしている。注射用水設備のため、プロセス側(チューブ側)のラインを毎日夜間に自動滅菌しているのだが、ある日ジャケットが破裂しナイブラインがダダ漏れした。

原因は、滅菌前にジャケット内のナイブラインをエアー加圧してタンクに回収するのだが、それが機能せずジャケット内のナイブラインが滅菌時の熱で膨張し、破裂したためであった。その時だけナイブラインが回収できなかった原因は、ちょうど直近に配管をバラしてダイヤグラムバルブのシート交換を行なっており、配管を復旧した際にナイブライン回収ラインのチャッキ弁を反対に取り付けてしまったためであった。

ヒューマンエラーが引き起こしたトラブルであったが、再発防止として、ジャケットにベントラインを設けて滅菌時にジャケット側を大気解放するようハードと制御を変更した。

0.7MPaまでの耐圧があるジャケットが、いとも簡単に破裂したのには大変驚いた。そして後から知ったのだが、熱交換器ではなくジャケット付きのタンクで同じようなことがあった場合、ジャケットが破裂するのではなく、タンクが潰れるということをタンクメーカーより教わった。この事件以降、設計で必ず気にする事項となった。

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