コンテンツは長期的にCV貢献するのか?GAレポート自動生成テンプレ無料公開中
コンテンツが新規顧客のサイト利用継続や理解、検討、CVに貢献したかをGAで簡単に分析する方法を紹介します。有料コンテンツとして準備していたのですが準備に数年かかってしまった(苦笑)ので、もう無料公開しちゃいます!私の有料コンサルティングではほぼ全ての案件で使ってきた手法とテンプレです。
GA4へ切り替える前に、現状分析もかねて貢献度分析をされてみてはいかがでしょうか?
コンテンツの貢献度をGoogleアナリティクスで算出しよう
コンテンツの効果をPVや直帰率、滞在時間だけで見ていませんか?
企業サイトにおけるコンテンツ(特集記事やブログ、連載など)は、ビジネス成果(購入やお問い合わせ、資料請求などのコンバージョン)をレポート化しにくく、できたとしても広告と違って直接的な成果には繋がらないことが多いので、PV数やUU数などの基本指標だけを追うことが多いと思います。そもそも、コーポレイトサイトやB to Bなど、CVの定義も難しいサイトもありますよね。
ですが、よく見られた「人気のページ」TOP 10を眺めても、当たり前のことしかわかりません。最新の記事や、メルマガなどで積極的に紹介した記事が上位となっていたり、たまにSEOやソーシャルから古い記事への予想外の流入が増えているとわかっても、ビジネスへの影響が不明なまま、PVの増減に一喜一憂してしまう。そんなことはありませんか?
例えば、下の図のようなレポートは、Googleアナリティクスの標準的な「ページ」レポートですが、実はGoogleアナリティクスがシステム的に取得しやすい数字をデフォルトで並べているだけのレポートとも言えます。
イマイチな理由1:PVはシステム都合の指標
「ページビュー数」は、正確には「ブラウザがWebサーバーからデータを受信して描画を開始した回数」であり、「(人が)何回見てくれたか」を表す指標ではありません。一度ページを開いた後に、そのタブを残したまま、3日後に再びクリックして開いたとしても、サーバーへの通信は発生しないので、2回見たにも関わらず、PVは「1」になります。また、サーバーへの通信が発生しなくても、クリックすると画面の一部が入れ替わることもあります。同じ「1」PVでも、ページを開いてすぐに去ることもあれば、時間をかけて長いページを下までじっくりスクロールしながら読み込むこともあるでしょう。
実は、ページビュー(PV)という指標は、マーケティング施策の効果測定や人間理解のための指標ではありません。1990年代にWebサーバーのCPU負荷やネットワーク帯域が足りているかを監視するためのシステムログをカウントすることから始まった、システム都合の指標なのです。
私たちがコンテンツによってコミュニケーションしたい相手は「人間」ですから、「PV数」よりも、「何人にメッセージが届いたか」を表す「ユーザー数」や、閲覧の結果、その人たちの行動がどう変化したのかを表す指標で、コンテンツを評価すべきでしょう。タグマネージャーやアナリティクスが進化した今では、そういったデータの取得や集計は、以前よりも格段に容易になりました。
イマイチな理由2:直帰率の考え方は時代遅れになった
一方「直帰率」は、ユーザーの心理を表す指標のように思えますが、サイトで最初のページを開いてから30分以上クリックをしなかったために「セッション」が切れた、という判定方法は、SNSやスマホ、複数タブ利用が主流の現在では、以下のような行動に対応できません。
実は同じページを開いたままスクロールしながら閲覧を続けていた
ブラウザのタブに残ったまま3日が経過し、タブをクリックして閲覧を再開した
SNSのリンクをクリックしてページを閲覧し、すぐにSNSアプリに戻った
「30分以上GAのサーバーが計測データを受信しなかった」というセッションや直帰率の判定条件は、もはや時代遅れな考え方です。瞬間的な「直帰率」という数字を把握したところで、良いとも悪いとも判断ができません。コンテンツやサイト、運営者に対する興味関心が持続していれば、直帰という行動は悪いことではありません。
セッションという短い期間ではなく、コンテンツ閲覧後から現在に至るまで3ヶ月間経っても一度もサイトを再訪問することがなかったか?(=離反率、永久直帰率)であれば、有益な指標になり得ます。
イマイチな理由3:ページ閲覧という点のデータのみ
GAのレポートの右側には、ページを開いた後の滞在時間や直帰率の指標が並んでいますが、単一のページを開いた時の行動だけが対象になっている、瞬間的な「点」のデータでしかありません。マーケティング的に知りたいのは、こういった計測ツールが簡単に提示してくれるシステム都合の数字ではありません。
私たちがコンテンツによってコミュニケーションしたい相手は「人間」ですから、「直帰率」よりも、
コンテンツを見た後に企業に対する理解や信頼が高まり、その結果、より多くのコンテンツを見るようになったか?
最初にサイトを訪問したきっかけは偶然だったけれども、コンテンツを見た後に、もっと知りたい意欲が高まり、サイトを自発的に訪問するようになったか?
などでコンテンツを評価すべきでしょう。タグマネージャーやアナリティクスが進化した今では、そういったデータの取得や集計は、以前よりも格段に容易になりました。
我々がマーケティング的に知りたい重要なこと
時間とお金を投入して制作したコンテンツがきっかけで、下記のようなコミュニケーションによってもたらされた潜在顧客の心理や行動の変化を把握したいですよね?
今までリーチできなかった人が初めてサイトに訪問してくれたのか?
その人たちは、他のコンテンツも見るなどして、サイトを気に入ってくれたか?
最初は「直帰」したとしても、ページがブラウザのタブに残っていたり、お気に入りに入れておく等して、数時間後や数日後にまたサイト利用を継続してくれたのか?
閲覧や再訪問を繰り返すうちに、次第に運営会社のサービス内容が気になり出し、認知や理解は深まったのか?
途中の迷いや検討、思い出しを経て、長期的に、商品の購入やお問い合わせなど、いわゆる「コンバージョン」につながったのか?
コンテンツで人の心は動いたのか?を可視化しよう
10年前とは異なり、最近は行動データの取得や保管、集計コストが格段に下がりました。時代遅れの考え方やレガシーなレポートに囚われず、顧客が主役のCXやDXの時代にふさわしい、人間理解が進むようなレポートを実現することが容易な時代になったのです。
本記事では、高価な有料ツールや事前のカスタマイズ設定なしで、でも最先端の考え方に基づいて、サクッと簡単に「コンテンツで人の心は動いたのか?」を可視化する方法を紹介します。必要なのは、無料版のGoogleアナリティクス(カスタマイズ不要、基本タグで取得できる標準データのみ)と、無料のGoogleスプレッドシートだけです。
以下のようなGoogleスプレッドシートのレポートをワンクリックで自動生成するのがゴールです。
ぱっと見は地味で普通のレポートのように見えますが、一番右の指標「C V貢献」が重要です。
「コンバージョン率」よりも人視点で便利な「貢献度」
コンテンツによるユーザーへの長期の影響を把握する手法として、Adobe Analyticsでは昔から「パーティシペーション」や「コンテンツベロシティ」「貢献度」といった考え方が発達してきました。ヒットやセッションよりも長い期間で、コンバージョンに至るまでに閲覧したコンテンツ全てにコンバージョンを100%ずつ配分するのがパーティシペーションという考え方(アトリビューション手法)です。Adobe Analyticsでは、計算指標を作ると、過去のデータに遡って簡単にこの値を算出できます。
例えば、3名のユーザーがサイト訪問して、下記のようなページ閲覧をしたとします。
「見積(完了)」というCVに至ったのは、「ユーザー1」の一人だけです。コンテンツとしては「TOP」ページ、「A」「B」「C」の合計4ページが閲覧されています。
CVに至るまでに、その人が見た全てのページにCVを100%ずつ割り当てるのが、パーティシペーションの考え方です。「ユーザー1」の人は、CVするまでに「A」「TOP」「B」のページを閲覧しています。「C」はCVの後に閲覧したので、パーティシペーションのCV件数はゼロになります。
ここでページごとの数値を整理すると、
「貢献度」の指標では、コンバージョンしなかったのにそのページを閲覧した人も考慮します。CV前に閲覧したページへコンバージョンを100%ずつ配分し、それをページ毎の合計UUで割った値を貢献度とします。
この例では、ページ「A」の方がUUは多いですが、コンバージョンしなかった人も閲覧しているので、貢献度が低くなっています。一方、ページ「B」はUUは少ないですが、コンバージョンした人が全員閲覧しているので、高い貢献度になりました。
通常のコンバージョン率と違うのは、コンバージョンの直前に見ていたページだけでなく、その人がそれまでに、セッションや日よりも長い期間で閲覧したことがある全てのページを評価している点です。
なぜなら、広告やキャンペーンとは異なり、コンテンツの場合は、「まずは知ってもらう」「課題をじわじわと自覚してもらう」「いつか必要になった時のために覚えておいてもらう」といった長期的で間接的な効果を狙うことが多いためです。そのようなコンテンツに対して、閲覧直後の「売上」や「お問い合わせ」といったコンバージョンへの寄与を求めるのは、性急すぎでしょう。もっとも、コンテンツの短期・直接的なCV率はほぼゼロになるので、その数字を隠してPVやUU、直帰率だけでコンテンツを何となく評価しているケースも多いのではないでしょうか?
GAでも顧客視点で長期的な行動の変化を把握できる
Googleアナリティクスでも、「コンテンツAを見たことがある人」というユーザースコープのセグメントを作成すれば、パーティシペーションと貢献度を算出することができます。
ただし、複数のレポートを作り、数値を集めて割り算などの処理をしてからレポートを作る必要があるので、手作業では面倒です。そこで、今回はGoogleスプレッドシートとプラグインを使って自動化をします。
GoogleスプレッドシートのGAアドオンは無料で利用できて便利ですが、このアドオンによって生成され、データが格納される複数のシートを参照し、集計・加工して別のシートでレポートを可視化するのがおすすめです。
貢献度レポートから読み取れること
以下のレポート例は「コンセプトダイアグラム公式サイト」のサンプル数値で、コンバージョンはセミナー申込です。入口率は、検索結果やリンク経由でサイトに辿り着き、そのページに着地してサイト閲覧を開始したセッションの割合、です。
このレポートからわかること
「とは」や「描き方」は、「コンセプトダイアグラム」に興味を持ち始めた段階の人が閲覧しているためか、セミナーの検討へ進む人が少ない。
セミナー告知ページは、他のコンテンツよりも、セミナー申し込みに至ることが多いのは想定通り。ただし、4%、5%、7%、14%、19%、とセミナーによって貢献度にバラツキがある。5/20の緊急開催は直前に狭く告知したので、感度やモチベーションが高い一部の人たちにリーチでき、レスポンスが良い結果になった。5/20は広く浅く、狭く深く、さらにセミナー事後フォロー、と3種類のセミナーを同日に企画したので、相乗効果があったかもしれない。
個別セミナー告知ページの貢献度は最大で19%。セミナー一覧ページの貢献度はそれよりも高い30%であり、セミナー告知ページを閲覧し、申し込みに至る人の多くが、他のセミナーも検討するためにセミナー一覧ページを確認しているらしい。少し先の開催予定のセミナーも早めに掲載しておくと、別のセミナーの発見や検討が進みそう。
実践系コンテンツ「…をやってみた」「…数は、いくつが適切?」は、申し込みした人がよく閲覧している。入口率が低いので、サイト内を回遊するうちにリンクが目に入り、興味を持ってクリックしている。理解度が高まり、自分で実際に描けるようになりたい、と思って少し実践している人の疑問に答えるコンテンツとして機能している。ただし、コンテンツを読んだ結果、意欲が高まってセミナーを受講したいと思うようになったのか、セミナー受講のニーズが高い人が反応しやすいコンテンツだったのか、因果関係はこのレポートだけでは分からない。
一方、「…という方にオススメ」は、まだ理解度の低い初心者向けコンテンツ。閲覧者数は少ないが、貢献度が8%と高めなので、セミナー参加の検討の背中押しになっている。
このレポートだけで、このような考察が可能になりました。PVやUUだけのレポートでは、決して分からなかった、訪問者の心の動きを把握できました。
ただし、このレポートだけでは「XXらしい」という仮説しか抽出できません。必要に応じて深堀分析をしたり、仮説を仮説のまま仮置きして集客やコンテンツの改善をプラン・実行し、結果を検証する、というサイクルは必要です。
レポートのテンプレートと作り方を大公開!
このような、Googleアナリティクスで貢献度分析ができるテンプレートや、テンプレートの使い方マニュアルを有料コンテンツとして公開する準備をしていたのですが、2年くらい放置してしまい(苦笑)、GA4も登場したので、もう無料公開することにしました。私の有料のコンサルティングではほぼ全ての案件で、自分で使ってきた手法とテンプレです。
GA4へ切り替える前に、現状分析もかねて貢献度分析をされてみてはいかがでしょうか?
貢献度分析をするためのテンプレートと使い方
Googleスプレッドシートの使い方
Googleスプレッドシートのアドオンを使ってGoogleアナリティクスのデータを抽出し、コンテンツ貢献度のレポートを作成する方法を具体的に解説します。
レポートの作成手順
(1)Google Sheetsのテンプレートを複製する
事前準備として、まず以下のリンクからスプレッドシートのテンプレートを開いて、コピーをしてください。
1-A. 貢献度分析用のGoogleスプレッドシートのテンプレートを開く
下記リンクを開きます。
GAでコンテンツ貢献度分析 (template v2)
1-B. テンプレートをコピー保存する
このテンプレートは読み取り専用で公開しているので、このままでは編集できません。Googleアカウントでログインした状態で、画面左上の「ファイル」メニューを開き、
「コピーを作成」をクリックすると、
「ドキュメントをコピー」のダイアログが表示されるので、
新しい名前をつけてからOKをクリックすると、自分のGoogle Driveに保存されたGoogleスプレッドシートが開きます(そのまま開いた状態で次の作業に進んでください)
注:元のテンプレートは使わないので、閉じてください。
(2)Googleアナリティクスでコンバージョンのセグメントを作る
ここから本作業になります。コンバージョンデータを抽出するセグメントを設計し、作成します。
2-A. Googleアナリティクスにログイン
Googleアナリティクスを別タブで開き、貢献度分析をしたいサイトを計測しているアカウント、プロパティ、ビューを開きます。(開いたままにしておいてください)
2-B. コンバージョンを決める
次に、貢献度を計りたいコンバージョンを決めます。
コンバージョンといっても、よくある「注文完了」「お問い合わせ」とは限りません。例えば、コンテンツによるコミュニケーションの結果「会社の概要」を理解してもらいたければ、会社概要のページへの到達(閲覧)も立派なコンバージョンと言えます。ページを開くだけでなく、そのページを下までスクロールした、というアクションでも良いです(注:スクロールのデータはGTMなどでの設定が別途必要です)。貢献度をどう評価したいのか考えて、コンバージョンポイントを決めましょう。
なお、Googleアナリティクスで「目標」(CV)の設定をしていない場合でも貢献度を算出できるように、今回はセグメントを使っています。この方法なら、GAの設定や実装に関係なく、過去データに対してもコンバージョンを決めてデータ取得ができます。
2-C. セグメントを作る
レポート画面の上側に表示されるセグメント選択のメニューで
「+セグメントを追加」を選択して「+新しいセグメント」をクリックし、
セグメントの作成画面を開きます。
セグメントの判定条件は、主に「条件」タブで指定します。
フィルタのスコープはデフォルトで「セッション」になっているので「ユーザー」に変えてください(重要)CVした人がそれまでに閲覧したコンテンツ、をセッションを超えて長期的に追うためです。
最後に名前をつけてから、「保存」ボタンをクリックしてセグメントを保存します。
(3)ビューとセグメントのIDを調べる
貢献度分析のためにデータを抽出するGAのビューのIDと、先程コンバージョンデータを取得するために作成したセグメントのIDを調べます。
①アドオンを実行
Googleスプレッドシートの「拡張機能」メニューから「Google Analytics」を選択し、「Create new report」を実行します。
※スプレッドシート内なら、どのシートで実行しても問題ありません。
※許可に関するダイアログが出た場合は、「続行」をクリックし、GAのアカウントを選択して「許可」ボタンをクリックします。
②アカウントとセグメントを選択
スプレッドシートの画面の右側に条件設定パネルが表示されます。その中の入力項目である4つの項目をプルダウンで選択して「Create Report」ボタンをクリックします。
GAのAccount(アカウント)
Property(プロパティ)
View(ビュー)
セグメント:先ほど作成したコンバージョン用のセグメントを選択する
3-A. ビューとセグメントのIDを確認
スプレッドシート内の「Report Configuration」シートを開き、右端に1列追加されていることを確認します。
3-B. ビューIDとセグメントIDをコピーして貼り付ける
E3のセルに追記されたビューIDをコピーし、B3セルに貼り付けます。
同様に、E10のセルに追記されたセグメントのIDをD10のセルに貼り付けます。
3-C. 右端の列を削除
この右端に追加されたE列はもう不要になったので、列ごと削除します。
(4)ドメインを絞り込む(任意)
Googleアナリティクスでは、サイトのテスト・開発環境や、意図せずタグが入ってしまったサイトなど、余計なドメインのデータが計測されていることがあるので、レポートの対象とするドメインを限定すると、データの精度を改善できます。
そのため、ここで一度Googleアナリティクスのアドオンを実行し、実際に計測されているドメインを確認してから、対象ドメインを絞り込む設定をします。
4-A. 計測されているドメインを確認
Googleスプレッドシートの「拡張機能」メニューから「Google Analytics」を選択し、「Run reports」を実行してください。
データの抽出が終わると、以下のように表示されます。
「_hostname」シートに移動すると、実際に計測されているドメインを確認できます。
4-B. 対象ドメインを指定
計測対象としたいドメインを選び、「使い方」シートのD8セルに記入します。
(5)ページURLをキレイにする
Googleアナリティクスの「ページ」ディメンションは、デフォルトではURLのドメインよりも右側の文字列が全て計測されるので、URL末尾の「?」から始まる長いパラメータ(クエリ文字列)も計測され、同じページなのに、付与されているパラメータの違いによって複数行にデータが分かれてしまうことがあります。
特に広告系の ?gclid=XXXX や ?fbclid=XXXX など、一人ひとり異なるランダムの文字列が付与されている場合、ユーザー数やページビュー数が「1」の行が大量にレポートの下の方に埋もれて発生し、実際に合計すると結構な数がカウントされずに漏れていた、というケースが多々あります。
そのため、このコンテンツ貢献度のテンプレートでは、不要なパラメータを削除し、残ったキレイなURLを再集計するように工夫しています。
その設定を確かめてみましょう。
5-A. 「Run reports」を実行
Googleスプレッドシートの「拡張機能」メニューの「Google Analytics」を開いて「Run reports」を実行します。実行後、「_page」のシートにGAのデータが反映されたことを確認してください。
5-B. キレイになったページを確認
この右隣の「_page_」シートには、同じデータが転記されますが、左端のA列に、パラメータを除去したキレイなページ名が表示されているはずです。「?」を含むページを見つけ出して、キレイになっているか確かめてみてください。
なお、テンプレートでは、パラメータを全て除去するような設定になっていますが、動的なサイトなど、パラメータが全て除去されると困る場合は、「_page_」シートの「A2」セルの関数を修正すればカスタマイズ可能です。また、余計なパラメータが発生している場合は、GAの管理画面でパラメータ削除の設定をしておけば、削除された状態でデータが計測されるようになります。
参考:GAでの除外パラメータ設定方法
1. GAの管理画面から、ビューの設定を選択します。
2. 「除外する URL クエリパラメータ」に削除対象となるクエリパラメータを入力して保存します。複数ある場合はカンマで区切ってください。
参考:Googleヘルプ
(6)貢献度レポートを確認
ここまでの作業が問題なく完了すると、コンテンツ貢献度のレポートが作成されています。「CV貢献ページ」シートに移動して確認してください。
例えば、特集ページのCV貢献度が「30%」の場合は、期間内にその特集ページを見たことがある人のうち、30%の人たちが期間内にコンバージョンした、という意味になります。
UUが多いのにCV貢献度が低いページは、可能性として
サイトが意図した対象とは少し異なる人を引きつけている
コンテンツの内容がコンバージョンとかけ離れすぎている
などの要因が推察できます。
「特集」など、同じ位置付けのページだけを並べて、貢献度が高いページと低いページを比較し、流入元やコンテンツの書き方、閲覧後の動きなどを分析すると、改善のヒントが見つかることでしょう。
一方、UUが少ないのにCV貢献度が高いページは、埋もれた宝かもしれません。導線を改善して閲覧者数を増やしたり、内容が古い場合はリライトすることでリフレッシュされた記事として再活用するなどを検討してみてください。
※無料GAでも可能な範囲で集計しているので、ページ閲覧とコンバージョン発生の前後関係は考慮していません。コンバージョンした後に閲覧したページに対してもCV貢献が加算されます。APIで抽出した細かいデータをPythonなどで集計すると、前後関係を考慮したより正確なレポートを作成できます。GA4の場合は、セグメントを適用したデータをAPIで抽出できないので、オーディエンスを使ってAPIでデータを抽出するか、BigQueryに連携した生データ(に近い細かいデータ)をクエリで集計する必要があります。
以上、コンテンツをPVやUUだけで評価するのではなく、長期的かつ間接的なコンバージョンへ貢献しているかどうかを評価するためのレポートの作り方を紹介しました。この考え方は、GA4でも応用できます。
コンテンツによる情報発信が潜在顧客に与える間接的・長期的な変化をデータでしっかり把握した上で、顧客目線でサイトの価値を高める改善に、ぜひ取り組んでみてください!
もっと活用したい方へ
公開しているテンプレートは、誰でも簡単に導入できるよう、機能を簡素化しています。
コンテンツを見る前と後をちゃんと区別したい
コンテンツを見た後に、サイトに戻ってきたか?再訪問への貢献度を知りたい
URLパラメータが全部消えてしまうのは困るのでカスタマイズしたい
サイトの規模が大きいのでレポートの生成や表示に時間がかかるのを何とかしたい
GA4でも同じようなコンテンツの貢献度レポートを作りたい
という方は、個別にご相談ください。APIを使ってサンプリングを回避する、データの抽出・計算をGCPでバッチ処理してレポートの表示を高速化する、URLの加工ロジックをカスタマイズする、など対応可能です。
また、今回のコンテンツ貢献度分析の考え方は、顧客(ユーザー)視点の考え方(CX)に基づいています。どんな人にコミュニケーション(広報・営業・接客)する結果、どうなってもらうのが企業にとっても顧客にとっても望ましいのか?を具体化する図解手法として「コンセプトダイアグラム」がおすすめです。詳細は「コンセプトダイアグラム公式サイト」をどうぞ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?