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【創作大賞感想】私にとっての眠り

吉穂みらいさんの『眠る女』を拝読しました。

わたしは、「眠り」についていろいろ思うところがあります。
少し昔の私は、自分が何をすればいいのか、何を目標にするべきなのが全く分からなくて、ただ何もせずに日々を生きているまるで死んだような人間でした。
ただ、生かされている。暇な時間はSNSにかじりつき、特にこれといった行動も起こさずで、私は逃げるように眠っていました。
いや、正確にはSNSに楽しさを見つけてはいたのですが、やはり逃げ、それに尽きます。私は私の人生から目を逸らし、他人の人生を垣間見て、そこから養分を得るようなことをしていました。

眠ること、当時、それは私にとって何も意味をなさないもので、ただの時間つぶし。マイナスなイメージしかなく、そんな眠りを貪る怠惰な自分にも嫌悪感を抱いていました。ただひたすら、人生という階段を降りて降りて降り続けるような。地獄とまでは言いませんが、何も見いだせない毎日を、現実を、見ないように、ひたすら目をつぶっていたように思います。

そんな中、出会ったのは、吉本ばななさんの『白河夜船』という小説です。SNSでフォローしている方が呟いたのを目にして、気になって。

それを読み終わった頃には、「眠り」を肯定されたような気持ちでした。吉本ばななさんが書かれた、その文庫本のあとがきも読んで、眠ることにうしろめたさを感じていた私が、眠ってもいいのかもしれない、眠るって良いことなのかもしれない。眠る私に私は嫌悪を抱かなくてもいいのかもしれない。そう思えたんです。

私は、そんなことを思い出しながら、吉穂みらいさんの『眠る女』を読んでいました。

そして、読み終わって、思いました。

「眠り」は、希望のようでもあり、祈りのようでもあるな、と。

いやいや、見当違いなこと言うなよと思われて当然なのです。そもそも睡眠障害というものが良いに決まってるわけはないのです。それでも、眠りというか眠っていた過去というか、それらは私にとって今や意味を成すものとなっていて、それを今回吉穂みらいさんの描く物語から、再び肯定された気持ちになりました。

読むにつれて、驚かされるような、不思議な話に繋がっていく中で、登場人物たちの様々な思いなどを、少しずつ知ることができるのですが、その描き方が素晴らしくて、ああ、すごいなぁと、ただただため息が。

人が人を想うことで、見えないものが見えてきて、それが重なり合って、輝き出す。

上手く言えなくてごめんなさい。
でも、そんな物語を紡げる吉穂みらいさんに脱帽です。

すごくふんわりした感想になってしまって申し訳ないです。でも、私には詳しく内容に言及して深掘りする技術もないのです。(苦笑)じゃあ感想なんて書くなよって話になっちゃうんですけど、これだけは言いたくて。

皆さん、ぜひ
吉穂みらいさんの『眠る女』を読んでください!

ここでやっと言いたいことが言えました。↑

素敵なお話を読ませて頂き、本当にありがとうございました。

拙い感想で申し訳ないです。


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