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Clubhouse初期ユーザー獲得戦略/世界のマーケティング考察

初めまして!まじすけ株式会社でインターンをしているNと申します!
今日からnoteを書いていきます。1本目はClubhouseについてです!

■概要

【企業名】
Alpha Exploration Co.

【リリース】
2020年4月

【説明】
Clubhouseは招待制の音声配信SNS。

つながりがある人同士でラジオ放送のように自由に会話を楽しんだり、興味がある人はその会話を傍聴、さらには会話に飛び入り参加もできる特徴がある。特定のジャンルに関しての議論に参加したり傍聴したりすることによって情報を共有できる。

招待制なので、他のSNSのようにメールアドレスとパスワードを設定すれば誰でもできるわけではない。そのため、リリース当時はメルカリなどで招待コードを売買する人が殺到した。

【ビジネスモデル】
Clubhouseは10億ドルほどの価値があるとされているが、Clubhouseのアプリから会社に対して収支があるわけではない。日本では、投げ銭(2021年4月に実装されたが手数料は取っていない)、サブスク課金、ルームチケットの販売などのマネタイズプランが予想されていた。

■開発経緯

Clubhouseを開発・運営するAlpha Exploration社は、2020年2月頃に米・サンフランシスコで立ち上がり、シードラウンドの資金調達を実施した。
同社を立ち上げたのは、Pinterestによって買収されたモバイルアプリHighlightを創業したポール・デイヴィソンと、Google Mapsなどでエンジニアとして働いていたローハン・セスだ。
Highlightは4月中旬頃まで運営されていたが、デイヴィソンたちにとっては満足の行くサービスではなかった。2人は、ユーザーが簡単にポッドキャストに参加できるようサービスを改善し、余計なものを削ぎ落とした結果、新しいサービスが完成した。これにはClubhouseという名前がつけられ、別サービスとして生まれ変わった。
世界中でロックダウンが敢行される中で、人々は同期的なつながりを求めた。「同期性」というキーワードは次世代SNSのキーワードとしてしばしば言及されるが、Clubhouseはパンデミック前におこなわれていた雑談や、ちょっとした立ち話を代替する存在になった。

https://www.theheadline.jp/articles/356より引用

■初期から現在に至るユーザー獲得

【ユーザーの推移】
 Clubhouseはリリースした年である2020年に60万ユーザー、2021年には200万を超えるユーザーを獲得することに成功した。

【ユーザー増加の原因】
劇的なユーザーの上昇は2つの要因が重なることによって起きた。
一つは、2020年に起きたパンデミックによるオンライン需要の上昇だ。仕事や学校の授業も家で行うことが増えたと同時に、作業中に使うことがない「耳」が手持ち無沙汰になったことが考えられる。

もう一つは、名門VCのAndreessen Horowitz(a16z)がこのサービスに注目したことだ。当時、5000人未満のベータ版のテストユーザーが存在しただけにもかかわらず、Clubhouseには1億ドル(100億円)の評価額がつけられた。

1億ドルという数字は、創業1年後のFacebookや創業2年後のTwitterと同じ数字だ。Clubhouseは創業同年にその程度に成長したということになる。


【マーケティング施策】
  -差別化-
他のSNSにはない完全招待制という方法を使ったことにより、アプリに対してより忠実なユーザーが集まるようになったということが考えられる。

  -ユーザーの定着-
声という形で情報が伝えられるためにFOMO(fear of missing out)の影響も受けやすかったのではないかと考えられる。FOMOとは、端的にいうと最新の情報を聞き逃したゆえに、成功のチャンスを逃してしまうのではないかという恐怖のことだ。

■これからの展望

【これから】
Clubhouseが復活する可能性は極めて低いと考えている。5月の時点で、Clubhouse全体のアクティブユーザーは週あたり1000万人を超えていたが、日本では1月~2月をピークに完全に失速しまった。海外でも同様にピーク時からの低下が見られている。オフラインでの関わりが活発化していく今後は、ピーク時のような盛り上がりは期待できないだろう。

【理由】
理由としては、時間が経つにつれClubhouseをやる根本の理由が薄れてきたことにある。

-時間的理由-
パンデミックにより時間を持て余した人々は、ネットから情報を集めることに熱心になった。近しい人間とも、オフラインで築く事のできない関係値の埋め合わせを、オンラインですることによって保ってきた。

十分な時間とFOMOを持ってして、追うことができたインフルエンサーだが、状況が緩和されていくにつれ情報収集の効率が問われるようになってきた。YoutubeやInstagram、Twitterに比べて生音声という編集されていない情報は時間的観点から現代の流行に逆らっていたのだと考える。

-精神的理由-
さらに、招待を受けることによって得られた特別感や、招待枠の需要過多も時間と共に価値のないものになってしまった。インタラクティブさをラジオとの差別化点として置いていたものの、配信者と傍聴者が早期に二極化してしまったため、素人の雑談場所になってしまったことも挙げられる。

インフルエンサーになりたい人やインフルエンサーの話が聞きたい人にとって、素人の雑談場所はお互いの趣味を話す出会いの場所にはならなかったのだ。

■感想

世の変化の波に乗ったマーケティング戦略はインパクト抜群で、認知を集めることはできるが、定着させるためにはもうひと工夫必要だと感じました。

人間関係の根本にあるのはFace to Face であり、それは今後永遠に覆ることはないだろうと感じました。

【自分がマーケターだったら】
必要な情報をあの人から得る、というテーマに絞ってUXの向上を図りたいと思いました。具体的には、会話のアーカイブや、アーカイブ時にテーマごとの分秒表示です。

Youtubeではすでに話の段落ごとにチャプターを区切ることができますが、あんなイメージで聞きたい場所にすぐに飛べるような設計はユーザーにとってもっと使いやすいものになりそうだと感じました。

■最後に

まじすけ株式会社は「BtoC・エンタメ事業の海外マーケティング支援」を行っています。引き続き海外のC向けサービスについてアウトプットしていきますので、次回もお楽しみに!

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最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!

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