女友達であり、呑み友達であり。

女友達であり、呑み友達であるあなたへ

あなたと知り合ったのは、確か10年ほど前でしょうか。

とあるBarの周年パーティーの時だったか、

Barのマスターから紹介されたんだったかな?

その時、あなとと一緒に彼氏もいたね。

その彼氏と俺が同じ歳なんで、すぐに打ち解けたことを覚えています。

そして、その彼氏があなたの旦那になって、

それからもあなたと旦那が2人で呑んでいるところに

俺がひょっこり一人呑みに現れて。

そんなんで、よく3人で一緒に飲んだよね。

しょっちゅう2人が呑んでいるところに俺が偶然に顔出すのもあって

俺が冗談つもりで「あー、なんだよ、またいるのかよ〜」

って言ったりしてた。

そしたら、ある時あなたが俺に

「それ言われるの、意外に傷つくんだよね」

って言ってきてさ。

冗談のつもりだったけど、嫌な思いをさせてしまってゴメン。

でも、それからもあなたとは、旦那も交えてよく一緒に呑んだよね。

いつだったか、やっぱりお互いよく顔を出すお店で

結構な人数の常連客たちとワイワイ飲んでいて。

「次の店にみんなで行こう!」

てなった時、マーちゃんが俺に向かって

「あんたが乗り気じゃないなら、帰ってもいいと思うよ」

「私はそういうの気にしないから」

って言ってくれたよね。

あなたは覚えてないかもしれないけど、

あの一言ですごく気が楽になったんだよね、俺。

俺、祭りや神輿で大騒ぎするのは大好きだけど、

いつでもみんなと一緒にいるのはちょっと違うと思っててさ。

あなたもどっちかって言うと、

いつもみんなで一緒っていうのは苦手だったもんね。

なんだか、そういうところで気が合ったよね。

それから、俺が一人呑みでいつものBarに行ったら

その時はあなたも一人呑みしていて。

それで2人で呑み始めて。

そしたらあなたが俺にさ、

「あんたとは一生友達付き合いするからね!」

「歳取ってからも一緒に呑むからね!」

って言ったんだよ。

覚えてる?

男でもそんなこと言ってくるヤツいないよね。

だから俺は

「望むところだ!」

って言ったっけかな?

なんだか不思議と気の合う女友達に巡り合ったなー、

そんな風に思ってたよ。


でもさ、そんなあなたと

もう会えなくなっちゃたんだね。

今日、旦那からのメッセージを見て初めて知った。

今、世の中こんな状況でお互い呑みに行くことも少なくなったから、

だからしばらく顔合わせてないだけだと思ってた。

だから、そろそろいつものBarでばったり会って、

またあなたと旦那と3人で呑めるもんだと思ってた。

そんなに重い病だったなんて。

何も知らなかった。

ショックだよ。

悲しすぎるよ。


旦那と俺は、あなたのところに行くには

まだまだ時間はかかるけど、

首を長くして待っててよ。

俺と旦那が2人して年寄りになっても

呑んでる姿をどこか遠いところから

笑いながら見ておいて。


今まで本当にありがとう。

そして、安らかにお眠り下さい。

呑み友達であり男友達である俺より