『おはなしえん』について②

「動物園でやるから、お芝居に動物が出てくるんですね？」

とある演劇人に言われたことがあります。

「いいえ、動物が出てくる芝居やってるから動物園でやるようになったんです。」

「ん？？？？？」

という表情をされました。
そうでしょうねー。

子供の頃、喘息が酷くて、その上、近くに同年代の男の子がいなかったもので、ウチで遊ぶことが多かったです。
テレビと動物図鑑が友達でした。
兄も二人いましたしね。

子供の頃の夢は、動物園の飼育係になることでした。
動物が好きでした。
金魚やザリガニを飼ったりしてました。
でも、ネコアレルギーだったりします。
劇団から離れて自分で旗揚げするときに、何を書いていいのかわからなくなったときに頼ったのが、子供の時から好きだった動物でした。
劇団員もお芝居初心者が多かったもので、どうも人間に見えなかったのです。
必然的に動物に導かれた気がします。
その「時」を感じるために干支にこだわって芝居を作ってきました。
その年ぐらい干支の動物を考えてもいいんじゃないかな？と思いました。
劇団ももう17年目です。
干支を一巡してしまいました。
なので今では自分で干支を作ることにしました。
昨年は「ヤドカリ年」にしたのですが、コロナ禍になってしまい、責任を感じております。

始めは子供向けという意識が高すぎて、伝えたいことを考えて作ろうとしてましたが、すぐにやめて、わかりやすいコントを作ることにしました。
動画を観ればわかると思いますが。

歌をラストに歌うのですが、その一緒に歌える歌を探すのがなかなか難しかったです。
動物の歌があっても天王寺動物園にその動物がいないとアウトです。
「アイアイ」って好きな歌ですが、天王寺動物園にはいないのです。
なので、強引に関係のない歌を歌ったりしました。
今・・・一緒に歌うというのは無理ですねー。

いつもはレクチャールームか、展示室でやってました。
台詞が聞こえるところが良かったのです。
絵本の読み聞かせグループや獣医さんのお話との調整が難しかったです。
展示もありますし。
そんな『おはなしえん』もゴールデンウィークは野外でやったりしました。
マイクを使ってです。
厚着の上に耳をつけたりするので、暑くて死にそうになりましたが・・・。
雨も嫌ですけどねー。
動物尊敬しました。

『おはなしえん』は台本を提出しなければならないのです。
獣医さんからのダメ出しが入るのです。
動物の知識が間違えてないかの確認です。
そこの部分だけは確かなのです。

私が主宰をしている劇団『超人予備校』と朗読ユニット『ミツかね堂』がフル稼働しました。
もちろん劇団の公演もあるので、ほんとフル稼働という言葉がふさわしいです。
クタクタになりましたが、充実してました。

嬉しかったこと。
・目の肥えた常連小学生ができたこと。
・常連のおじいさんが楽しそうにしてくれること。
・子連れのお父さん、お母さんが居眠りしていること（疲れたんですよね？）。
・生意気そうな子が一緒に歌ってくれたりすること。
・小劇場の友人たちがフラリと観に来てくれたりしたこと。
・動物園の季節の移り変わりを感じることができたこと。

今、天王寺動物園にいない動物たちも出てきます。
死んでしまったり、他の動物園に行ったり。
思いもしないうちに『おはなしえん』は動物園の記録になっていたのです。
いや記憶かなー・・・・・

『おはなしえん』演目
ミツかね堂の朗読
１・ペンギンは空をめざす　第1話　テン　　　　　　　動画あり
２・ペンギンは空をめざす　第2話　オウサマペンギン　動画あり
３・ペンギンは空をめざす　第3話　タンチョウ　　　　動画あり
４・ペンギンは空をめざす　第4話　フラミンゴ
５・ペンギンは空をめざす　第5話　キジ
６・ペンギンは空をめざす　第6話　鳥の楽園
７・ペンギンは空をめざす　第7話　ネズミ
８・ペンギンは空をめざす　第8話　カラス
９・ペンギンは空をめざす　第9話　ペンギン
10・ペンギンは空をめざす　第10話　ハルカ

超人予備校の芝居
１・白ヤギさんからの手紙
２・森のマレーグマさん
３・もしもしウサちゃん
４・しましま太郎　　　　　　　　　　　　動画あり
５・おさるのかごや　　　　　　　　　　　動画あり
６・たぬきのハヤシ
７・対決、げんこつ山　　　　　　　　　　動画あり
８・怪傑コアラマン
９・世界トリ会議
10・世界ホニュウルイ選挙