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『おはなしえん』について

「天王寺動物園で何かやりませんか?」

と声をかけられたのが始まりです。
合田プロデューサーが天王寺動物園と「ズーパートナー」に選ばれたのです。
当初はミュージカルを作る予定でした。
が、資金の問題もあり、できることをやろうと思い、実現可能と判断したのが、芝居と朗読でした。
朗読は連続物を作り、芝居は一話完結にすれば面白いと思ったのです。
衣装は元々、動物芝居をやっていたので、被り物はたくさんあります。
また、ここで作ったものを本公演で使うこともできるのでここでそこの費用はどうにかなるのです。

大体月に1度ぐらい。
1日2回公演。
1つの番組は3回ほどやります(月1回として3カ月)。
時間は30分強ぐらいです。
動物園の入場料だけで観れます。
音楽は生演奏。『バナナンボ』というグループにやってもらってます。

この公演のルールを私なりに作りました。
1・天王寺動物園の動物を使う。
その動物を見てから『おはなしえん』を観ても、『おはなしえん』を観てからその動物を見てもドラマを感じられるようにしました。

2・最後は子供たちと一緒に歌う。
ラストは童謡や子供番組の歌を一緒に歌うことにしました。
なんとなく盛り上がった雰囲気になります。
一体感あるし。

まあ、そのルールのおかげで苦労もしましたが・・・。

そんな感じで4、5年やり続けたのです。
少ない稽古でやることも、自由な子供たちの前でやる心の強さも鍛えられました。
場数が数段増えて、お芝居力も上がりました。
ただやたら忙しくなりましたねー。
私はネタ作りに追いかけられるようになりました。

ほんとは私、そう乗り気ではなかったのです。
動物園が好きすぎて、ここで芝居してもなー・・・と思ったのです。
まあ、定期的に動物園に行けるのは嬉しかったですが。

やってみるといろいろ面白かったです。
聞いてくれない感じのときもあるし、やたらのめりこんで観てくれるときもあります。
いろんな反応があります。
劇場ではありえない反応だったりします。
台本上では、ここで受けるだろうと思って作った場所がスコーンといってしまい、どうでもいいところで受けたりします。
お芝居中に話しかけてきた子供は数知れずです。
参加した子もいます。

ほんとやって良かったです。
何が良かったって、動物園の動物たちへのシンパシーを得たことです。
彼らも我々も動物園で見られてる部分では同じです。

終演して耳もしっぽも取って、私服に着替えて帰るとき、動物たちと目が合うと

「お前ら、帰るんか?」

と言われてる気がします。

「お前ら、楽でええなー。」

と思われてる気もします。
我々は月に1度ぐらいですから。

そんなこんなで思考錯誤しながら作った『おはなしえん』。
朗読10本
芝居10本
の中から5本動画にしました。
観てみてください。

オールスター


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