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男を呪う般若と向き合う:1生き霊実験室

私を深く愛してくれる女性は多い。私と一度でも親しくなれば、忘れられない思い出が生まれる。

そんな幸せな夢を与えるため、私は精一杯努力しているからだ。だからこそ、私のことを忘れられず、永遠に執着する人もいる。女の愛は枯れることなく、永遠に絡みつくのだ。

女の愛液は酸を帯びており、男を溶かし、全てを自分のものにしようとする。女は魔物だ。


彼女達は、良く爬虫類の姿で私の元に現れる。蛇や蜥蜴に化けては私の元に現れる。

彼女達の頭を優しく撫でれば噛み付いてくるし、追い払えば悲しそうに涙を流す。愛と憎しみが混在する女の愛の感覚は、私には良くわから無い。


彼女達は生きてる間に永遠と私を呪い続ける。私を超える男に出逢える可能性は限り無く少なく、彼女達にとって至高の存在である私への思いを断ち切る事は出来ないだろう。

私は長い間彼女達を見守り、この歪んだ情念を受け止め続けた。しかし、一向に鎮まる気配がなかった。

そして私は考えを改めた。愛される者として、私を愛する彼女達を導かねばならない。

いつか時が解決するだろう。いつか誰かが彼女達を愛で救ってくれるだろう。そんな考えは過ちだった。

誰も出来ないのなら、私が救うしか無い。

この物語は私を愛する全ての女性に捧げる鎮魂歌。

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