見出し画像

健康的なバターに出会う、ずっとずっと前の話~私の恋愛黒歴史~

11.  2011年7月

20代前半、もっとまともな恋愛をしていれば、
私もここまでこじらせていなかったのではないかと思う。

新卒の頃、
私は同期の男の子に想いを寄せていた。

想いを寄せていた、というのは、
彼に拒否されてからわかった事だが。

彼は、東京出身だった。

今は地方にいるけど
いずれ東京に帰るから、
私が住む街で「彼女は作らない」と宣言していた。

全然イケメンじゃなかったし、
発言がとても子供っぽく、
何かにつけて下ネタを話していた。
「お前、絶対童貞でしょ」と同期内でも
ネタにされるほどだった。

彼は、すごくイジワルで、
スネ夫みたいなズル賢い嫌味な奴だった。
(たまに優しい時もあったが。)

なのに、仕事となると、
二重人格ばりに態度が変わった。
人ウケが良く、
営業の成績も同期の中でトップだった。

2011年の夏、私たちは急速に近づいていた。

私が車を買ってからというもの、
仕事終わりは彼に「運転の練習な」と言われるがまま、
彼が当時住んでいた男子寮まで送らされた。

彼を送り届けてからすぐ帰っていたのが、
夜ご飯を一緒にとるようになり、
その後寮にこっそり忍び込んで
(女子は立ち入り禁止だった)、
他の同期も一緒に、
彼の部屋でテレビを見たりしていた。

ある日、彼に「泊ってけばいいじゃん」と言われた。
全く泊まるべきではなかったのだが、
本当に眠くて、車を運転する自信がなかった。

彼は童貞かもしれないと本気で思っていたし、
手は出してこないだろうとたかをくくって、
彼の部屋で一緒にざこ寝することにした。

どういうわけか(たぶん私が仕掛けた)
イチャイチャに発展してしまい、
キスをしてしまった。

次のステップに行く前に、
彼が「ちょ…やめよ」と言ってきた。

「えーーこんな中途半端なところで止めるなんて、
やっぱどうていー!」と思ったのだが、
とりあえず一旦落ち着き、
2人で少し眠った気がする。

翌朝私は、他の寮生が起きる前に、
彼の部屋をこっそり抜け出した。

家に帰ると、前からその夜も彼と会う約束をしていたのに、「会うのやめよ」とメッセージが来た。

それから、
一気に気まずくなった。

一緒の空間に2人きりでいられなくなり、
車で寮に送り届けることもなくなった。

彼が営業に出かける、
一人きりになるところを狙って、
彼に詰め寄ったこともある。

「私、何か避けられるようなことした?」

しばらく押し黙っていた彼は、ついに口を開き、
「しばらく喋んのやめない?」と言った。

私はびっくりして、
彼の前で泣いてしまった。

そんな私を見ても、彼は振り返ることなく、
営業に出てしまった。

「彼に嫌われた…。」と思った時、
心の奥底にあった、彼への想いに気付いた。

それから、私たちは本当に2か月近く、
話すことをやめた。

︎2に続く▶︎





この記事が参加している募集

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?