『笛吹川』
木下恵介監督
高峰秀子、田村高広、松本幸四郎
映画は、武田信玄が生まれた時から、勝頼が亡くなるまでを、笛吹川の橋の袂に住む百姓の家族の視点から描いたもの。
高校時代に原作深沢七郎を読んでびっくりした。だいぶ大人になって映画を観て、びっくりした。
戦国ものや歴史ものは流行りだけど、こんな視点で描いたものは少ない。
親戚は戦さが大好きで、出世のチャンスと思ってる。そのため娘たちは良家に嫁入りったり。しかし戦で死んだり良家と思った家自体が領主から焼き討ちにあったり、痛ましい死が続くが、それでも子どもたちは戦に行きたがる。
なかなか出来なかった子ども。そのために親戚や亭主から悪様に言われる嫁。やっと出来た四人の子ども。うちの子だけは戦には行かせないとことにつけ言う母。
しかし長男は百姓の暮らしを捨てて武田の家臣の家に奉公した。
戦働きを認められ、出世街道を上り始める。弟たちを誘いにくる。妹を奉公にと勧める。その度に泣く母。
そして長篠の合戦。
運命は暗転してゆく。
歴史ドラマや映画は大好きです。
家康や信長が大活躍して、覇権を争うのを観るのはわくわくします。
だけど、その陰で泣いている庶民の、母の、父の嘆きと怨みがあることを念頭に置くことが大事だよねと自分に戒めているところもあります。
一度でいいので『笛吹川』観てください。
昔の映像表現に爆笑したり、退屈で、長いけど、長い人生です。少しの我慢。決して面白くはないです。
娘をなんとかなだめ、我慢させながら観ました。
こういうのを観ることが、我が家の、というか私の平和活動です。
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