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やばい、まじやばい! 教授が作ったアンドロイドが正直すぎる

やばい、まじやばすぎる。
何がやばいって、うちの浮世離れした教授が作った今度のアンドロイドロボット。
見た目はほぼ完璧。どこからどう見ても人間。
それも、美形好みの教授(ちなみ教授は男性)が作っただけに、とんでもない美青年・・・ なんだけど、完璧にほぼバカ。

「吉田さん、ちょっといいですか?」


”Kuma”に呼び止められた研究職の吉田さん(28歳、既婚、子無し)は、思わず顔を赤らめていた。
アンドロイドだってわかっていても、あまりの美青年から声をかけられると、ドキっとしてしまうらしい。
乙女心とは不思議なものだ。(吉田さんが乙女であるかは議論の余地はあるが・・・)

”Kuma”の正式な名前は”熊太郎#3”だ。
教授のネーミングセンスはいつも独特すぎてついていけない。
教授によれば、美青年の名前は「熊太郎」もしくは「熊五郎」でなければならないのだそうだ。
なので、研究室には、超美形&無毛の熊太郎#1~3、筋肉質&全身剛毛の熊五郎#1~6の計9体がいる。
そのうち現在稼働しているのが(というか、まともに動いたのが)最新型の熊太郎#3というわけなのだ。


「吉田さん、あなたは顔がカッパに似てますね」



吉田さんの顔が一瞬で凍りつく。そりゃそうだろう。そして表情は怒りへと変化する。

それ誰も言わなかったんだよ。Kuma! 

吉田さんの目まぐるしい表情変化を搭載する人工知能で認知した”Kuma”は、うっとりするような涼しい目をしながらこうフォローした。


「あっ、カッパと言っても、メスの方ですからね」



その日、研究室では笑顔が絶えなかった。

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