犬に救われたお話

ちょうど1年前に、1匹の犬に出会った。
妹が飼っているちっこいちっこいオスの犬です。初めて会った私に、全身全霊で、しっぽを振りながら、身体を震わせながら、突進してきたことを覚えています。

それから1年間一緒に暮らしました。その日々は私を救ってくれました。
適応障害を発症して新しい環境で仕事をしていた辛いときにも、彼は優しく、布団の上で身体を撫でさせてくれました。彼がいたから起き上がれたし、彼を大切にすることが生きてく理由になったし、幸せに少しづつ近づけたんです。

仕事を変えることにしました、住むところも。
大切にしてくれる彼女がいるので、一緒に住める場所へ行くことにしました。
その決断には、犬とのお別れが含まれているにも関わらず、私はそう決めたのです。

あと7日ほどで、犬と離れ離れの生活が始まります。考えられない生活です。
わしわしと撫でたときの、ふっくらとした手触りとか、一緒に寝てるときの暖かさとか、遠くからも見つめてる小さい目とか、帰宅するときに吠えている声を聞けなくなります。
こんなに大切な時間だったなんて、離れ離れになる直前になって、なお一層、思い知ることができました。

一緒に散歩して、体調が悪いときにはぺったりくっついて、うんこするときに歩く癖があって。何より何より、優しく身体をくっつけてくれた時間を忘れることはないでしょう。

ありがとう、ほんとうにありがとう。これからは離れ離れだし、撫でさせてもらえなくなっちゃうけど、辛いけど、これまで、自分なんかとずっと居てくれてほんとうにありがとう。

おやつを送るね。たまに会いに行くから、また突進してきてね。

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