【詩】ズル休み
きょうのぼくはズルをして
バイトを休んだ
しかしそのズルは
どこまでがズルで
どこまでが必要なんだ
欠勤の電話をいれて
今頃 職場で本来ぼくがやるはずだった作業を
やってくれるであろうパートのおばさんのことをおもう
ぼくは憂うつになる
せっかくズル休みしたのに
それをたのしむこともできない
喫茶店に行って
アイスカフェオレを注文して
レイモンド・カーヴァーの短編集を読む
きょうはなにをしても
どこかに罪悪感があって
上手くたのしむことができない
なにかたのしいことがないかな
とおもう
しかし人間は
たのしいことがあろうとなかろうと
自分のやるべきことを黙々とやる以外にはない
そうしてこそはじめて
たのしいことも少しはあるのだ
なんて分別くさいことをおもう
あしたはバイトに行こう
いまの気持ちから
解放されるためには
広場に行って自分の汚した大地に接吻する
必要はないけれど
そこまでする必要はないけれど
バイトに行く必要がある
でもぼくは
あしたも休んでしまう恐れがある
それくらい意志の弱い人間なんだ
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