【詩】大人になるための詩
いつの日か
大人になるとしても
いまのぼくは
曖昧な輪郭をしていて
外を歩いただけで
いろんなものがくっついてくる
すぐに不安になってしまう
雑踏のなかで
自分を見つけることさえできない
よく似たひとを見かけたんだ
暗い眼をした中年の男だった
大人になることは寂しいことだった
いつの日か
大人になるとしても
いまのぼくは
いつまでも言葉と戯れていて
未来には光を束ねるための
ガラスでできた場所になりたい
だからきみは
ぼくに触れるときには慎重に
柔らかくなければいけない
だからきみは
少女でなければいけない
大人になることは寂しいことだった
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