【詩】夜のハグ
ぼくは夜のなかで名前をなくした
ぼくは影になった
ぼく以外のものも影になった
影になったぼく 影になったベッド
影になったテーブル
影になった冷蔵庫
影になったカーテン
影になった窓
影と
影が重なりあって
すれ違って 混ざりあって
夜のなかで
ぼくは幸せを見つけた
それはいつか見つけるために
大事に隠されていた
ぼくのための幸せだった
夜のなかで
ぼくはぼくに戻った
夜は深く
夜は暗く
地球の半分くらい大きかったので
ぼくの昼間の鋭い光を
寂しく震える涙のナイフを
やさしく抱きしめてくれたんだ
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