見出し画像

ドリアン見学っ!

8月4日~5日の2日間、ドリアン見学に行かせていただきました。
ドリアンのマツイ(ルヴァン種)を分けていただき
ドリアンのレシピで毎週パンを焼いて1か月半ほどが経ったところでしたが
講義動画だけでは掴みきれず、うーん?と悩む部分があって。

ドリアンパン学校はもちろんオンラインで聞けば教えて頂けるありがたい環境なのですが
さらにいつでも何度でも見に行って良いという特典があり。それならば
やっぱり自分の目で見て、さわって、なめて、感じて確かめたい!と思い。
そう思ったときにはドリアン1か月の夏休みに入ってしまう直前だったので
夫にスケジュール調整してもらい、夏休み中の子供たちにも諸々お願いしまして、
弾丸、見学、となりましたっ。

色んな人のインスタで何度も見た窯と対面!

朝5時に仕事が始まります。緊張しながら、
初めましての塚原先輩となかむーさんにご挨拶。
蒜山に住む田村さんとオンラインで朝礼の時間があり、それから仕込みがスタート。

薪窯見学には何度か色々なお店に行ったのですが
窯に火を灯すところから見させてもらうのは初めてでした。
火をつけて1時間後には厨房が薪窯の香りで包まれ、
薪窯の調整と、仕込みが同時進行で進みます。

厨房に流れる空気はとても穏やかでした。
生地が少ないから、モノや材料が少ない。
床がピカピカで、広くて、綺麗。
でもすべてのモノの場所や置き方、
仕込みの流れはすべてきちんと整備されています。

冷水、水道水、お湯を使って仕込み水温を調整
マツイ捏ね上げ

美しいのは厨房だけでなく、お2人の動作も。
無駄を削ぎ落とした、正確で、素早い動き。
ミスが起きないよう設計された手順。
手に生地はほぼ付かない。
成形のときにだけ使う手粉も全く無駄にしない。
工場の機械ラインの映像やピタゴラスイッチを見るときのような気持ちよさ。

すごいなぁ、、と口に出たら、
これだけしかしてないですからね〜と塚原先輩。

マルチタスクは効率が2割落ちる、というデータがあるって聞いたことがあって、妙に納得だったのですが、やっぱりそうゆうことやなぁと。

種類を減らすから、クオリティはどんどん上がり
無駄がなくなる。
その中で残っている動作には全て理由がある。

やっていることは、生地を仕込んで成形して冷蔵庫に入れることと、前日に仕込んだパンを焼くこと。すごーくシンプル!


これがふつうのパン屋の場合、とんでもない量の仕事がついてまわる。
まず生地の種類が多い上に、その中でもひとつひとつのパンに具を包んだり乗っけたり、成形に手間がかかる。小型な分、量も多い。洗い物も多い。
副材料が多いと、天板、型、番重(生地を入れるケース)そうじも手がかかるし、発注も多くなる。
仕込みは生地だけではなく
カレー、あんこ、カスタードクリーム、アーモンドクリーム、ホワイトソース、卵サラダなどのフィリングと、菓子生地(スコーンやクロワッサン折り込みやラスクなど)などなど
やってもやっても終わらない。

流行りのパンを追いかけ、新作パンを常に出し、寝る時間も、食事の時間も削られ、休日は体力回復に終わる。
お客様の期待に応えたい。
それだけだったはずなのに、心は疲弊して、
一体いつまで続けられるだろうかと不安を抱えながら毎日が続いていく。

心が健やかなのはどっちだろう。
お客様のために美味しいパンが焼けるのはどっちだろう。

本日発送するパンの箱、の一部。

2日目には、全国に発送するパンの梱包のお手伝いをさせてもらったのですが、今日焼いたパンすべて、行先が決まっていて、その先には楽しみにしてるお客さんがいる。しかも半分くらいは定期購入のお客さまで。
必要な分だけをつくるから、仕込みから焼く時、梱包するときまでめちゃくちゃ、心が入ってる。

1日目のお昼。カレーうどん
2日目のお昼。冷麺

田村さんのお母さんが、朝食と昼食を出してくださり、みんなで座っていただきますをして食べます。
普通のパン屋ではなかなか難しいのではないかなぁ。座って食べる時間が全然なかったり、あったとしてもみんなでタイミングを揃えていただきますをするのは難しい。
きちんと働き、きちんと食べる気持ちよさ。

夏休み前で忙しいのかなと思ったのですが、
すべてのパンを焼き上げ、発送の段取りのあと
念入りに掃除をしても14時頃にはほぼ終了。
普段はもっと早いそうです。
私は仮眠をとって、ドリアンのパンの卸先のワインバーへ。。♪
いやぁ、すごい。こんな余裕のあるパン屋のやり方にたどり着いたことがすごい。
自分たちの人生と、お客様の健康と、世の中のために、どうしたらもっと良くなるだろうかと考えて考えて試行錯誤してきたからこその今があって、その過程を思うと本当に偉大。
偉大すぎて、圧倒されて、1週間くらいなにも書けなかった…笑

「捨てないパン屋」を読んだときの衝撃。
こんなことが、可能だろうかと思った、その光景を自分の目で見ることは、生地の状態や種の状態を見ること以上に大事なことでした。

パン学校同期、広島在住のいとちゃんと!

ドリアン見学で感じたこと、まだまだあるのでまた小出しに書こうと思います!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?