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コロナウィルス:「理科教育」にできることの模索

主要メッセージ: 家にいよう!家にいることで感染拡大を防ぎ、みんなの命を守ろう。

現状:

・感染者が増えていて、どこで感染をしたのかわからない人たちが増えている。

 ・患者数が急激に増えると、病院現場が対応できず、助けられる人も助けられなくなってしまう。

 ・人工呼吸器や人工肺といった呼吸を助ける装置も数に限りがある。 

・イタリア、フランス、スペイン、イギリスなど多くの国で外出制限がかかっている。今はニューヨークの患者数が激増している。

将来見込み: 

・ワクチンができるまで1年から1年半はかかる。つまりそれまでの間は、感染者を急増させないよう、気をつけて生活をする必要がある。

 ・この病気に利く薬は現在、確認中。候補はいくつかある。(※現在名前が挙がっている「アビガン」はその1つです。)

 ・流行が一度、おさまって見えても、再流行の可能性がある。 

(科学コミュニケーション有志のグループ資料より転載:※印箇所は筆者の加筆)

参照:厚生労働省 新型コロナウィルス感染症についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

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年末に「新型肺炎」が報道され、クルーズ船内での集団感染が発表されてからも、
どこか自体を「静観」してしまっていた節がありました。

ウィルスは構造が単純であるため変異しやすいことは、少しでも生物を学んだことがあれば誰しも知っていることであり、「新型」であること自体にそれ程の特別感、危機感を感じていませんでした。
もちろん「新型」であり、ヒトがそれに対する免疫を持っていないことは確かに用心すべきことです。しかし、このような世界的流行、パンデミックは、どこかで防ぐことができると根拠なく信じていたように思います。

世界中に感染が広がり多くの人々が亡くなっている状況、またその収束を予測しがたい現在の状況を見て、私自身、「科学への過信」のようなものがあったことを痛感しています。

感染拡大への収束に向けてや、すでに感染された方の治療に当たられている科学者、技術者、医療関係者の方々には本当に敬意しかありません。

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一方で、「理科教育」という広く「科学」に関わる職業に就いていながらも、このような状況で何もできない自分の立場を非常に不甲斐なく感じています。
日々、「科学」のことを教えていながら、何も役割を持たない自分に心苦しく思うのです。

振り返ってみれば、9年前の3.11、東日本大震災のときもそうでした。
ちょうどその頃から、「サイエンスコミュニケーター」を名乗り、科学の知識や考え方を人々(特に子どもたち)に分かりやすく伝える活動を始めていたのですが、
震災が起こり、原発火災等、様々な情報が氾濫する中、ただその情報を見守ることしかできませんでした。
子どもたちと科学の工作を作ったり、身近な自然を観察したり、「科学」についてただ楽しく伝えていたことを急に絵空事のように感じてしまいました。

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そして、今、です。

このような非常時に「理科教育」にどのような役割が果たせるのか、私自身、まだ分かりません。「理科教育」は、日常、子どもの科学知識や科学の考え方を育むもので、非常時に特別どうこうというものではない、という考えもあると思います。

ただ、「理科教育」という広く「科学」に関わる職業に就いていながらも、このような状況で何もできない自分の立場を非常に不甲斐なく感じ、
日々、「科学」のことを教えていながら、何も役割を持たない自分に心苦しく思うのです。

「楽しい」ことはもちろん大切ですが、こういう非常時にこそ、人々が「しっかりと判断し、豊かに生きる」ために、教育があるのだと信じています。

私自身、「理科教育」にできる役割を探っていきたいと思います。

冒頭に載せたメッセージ、現状、将来見込みはそのための情報発信の1つです。科学コミュニケーション研究会の有志のグループの方が作られた資料の転載(一部加筆)です。シンプルですが、信頼がおける情報です。

まずは少しでも多くの人に情報が届き、気持ちを楽に過ごせますように。




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