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容疑者? 現行犯逮捕でも? 証拠動画があっても? 当人が犯行を認めていても?

僕は、言葉狩りが好きではありません。
そんな僕ですが、「あなたが、言葉狩りしているじゃない」と言われてしまいそうな記事を、今日は、あえて書きます。

◆言葉狩り(揚げ足取り)が嫌いな理由

TVの情報番組(という名のバラエティー番組)などで見られる言葉狩りは、僕には、揚げ足を取っているだけに見えます。

言葉狩り
言葉狩り(ことばがり)とは不当な要求をして特定の言葉を遣わせないようにする事。筒井康隆の作品「無人警察」を巡って1993年に起きた一連の事件の中で扱われ世間に浸透した。

引用:Wikipedia

揚げ足を取る
揚げ足を取る《技を掛けようとした相手の足を取って倒すところから》人の言いまちがいや言葉じりをとらえて非難したり、からかったりする。

引用:goo国語辞書

要するに、『言葉狩り』も『揚げ足取り』も同じ意味です。
揚げ足を取ってからかっているのを、さも、真面目な意見や真剣な要求に見せかけて、なおタチの悪い行ない。それが、言葉狩りでしょう。



政治家や有名人が、失言したとします。
例えば、誰かを「バカ」と言ったと…。

この単語を切り取って、ウンヌン言うのはナンセンスです。
前後の文脈によって、「バカ」の意味が変わってきますから。

僕なんかは根がスケベですから、女性に「バカ♡」とか「バカ~ん♡」と言われるのは大スキです。

(15年以上言われていないので、だれか耳元で言ってくれないかなぁ)
(妻のゆかりちゃんは、言ってくれない。言っても「♡」が付かない)


さらに、文脈だけでは判断できません。
発言者と対象者の、関係によって意味が変わるからです。

親友に厳しい意見を言うときと、嫌いなヤツに厳しい意見を言うとき、その心の中は真逆です。
応援と攻撃くらいの、真逆があり得るのです。


発言者の性格
も考慮するべきでしょう。
ブラックジョーク好きとか、愛情ゆえの軽口をよく叩く人とか、そういう人っていますよね。


要するに、単語だけ切り取って、
「この発言はけしからん!」「このような発言は許されません!」というのは、僕に言わせれば、
「そのような、揚げ足取りこそ許されないんちゃうか?」です。


◆容疑者

そんな僕が言葉狩り、みたいなことをします。
揚げ足を取ってからかう、なんていうことはしません。

新たに、別な単語を作るべきではないか?

という、いたって真面目な提案です。

・現行犯で逮捕された人
・その当人も、犯行を認めているのに

でも、報道では、その人を『容疑者』と呼びます。

僕は、このことに違和感MAX、なのです。


◆裁判による罪の確定がされていないから

みなさんご存知のように、日本は法治国家です。
政治家や官僚だって、弁護士や裁判官だって、法を犯せば法によって裁かれます。

だから、
逮捕された:容疑者(被疑者)
起訴された:被告人
罪が確定した:受刑囚(死刑囚)
などと、呼び名がかわります。

インターネットでも調べました。

容疑者とは、被疑者を意味する言葉である。マスコミ報道などにおいて「被疑者」のことを「容疑者」と呼ぶ場合が多い。
起訴されたあとには「被告人(報道では「被告」とされることもある)」になるため、容疑者・被疑者と呼ばれていれば、すなわち起訴される前の段階にあることが分かる。
容疑者・被疑者・被告人いずれの時点でも裁判によって罪が確定していないため「犯罪者」ではない。
容疑者(被疑者)はあくまで「捜査機関によって疑われている人物」であり、どれ程その疑いが強くても、法律上の扱いとしては無罪である(これを「推定無罪」または「無罪推定の原則」と呼ぶ)。
そのため、容疑者(被疑者)を犯罪者であるかのように報道することは倫理上の問題があるが、ニュース報道などではそのように扱われることが多い。

引用:パブリネット「警察用語集」


◆罪の未確定と、犯行の未確定

現行犯で逮捕された。
逮捕された当人が、その後の警察の調べで犯行を認める供述をしている。

でも、罪は未確定
裁判どころか、まだ起訴もされていない。

だから『容疑者』と呼ぶ?

確かに、精神鑑定で責任能力なしと診断され無罪になる、という可能性はゼロではありません。

しかし、確かに罪は未確定ですが犯行は確定していますよね。
明らかに、その人物が犯行を行なったのです。そして現行犯逮捕され、それらの映像記録も、複数ある…。

逮捕された本人も、それを認めている…。


◆犯行未確定での逮捕

上記の例とは異なり、犯行が未確定の『容疑者』というのがあります。
ぜひ、自分事として想像してみてください。

あなたのパートナーが、別な異性と浮気しました。
そして、そっちに本気になり、あなたが邪魔になった。

その2人は、あなたを罠にハメます。

あなたが、友人宅へ遊びに行きました。友人は1人暮らしです。
あなたが友人宅を出たあと、パートナーが、友人宅に行きます。
手には、指紋がつかないように手袋をして。
あなたの指紋の付いた包丁を持参して、犯行に及びます。
当然、その包丁を現場に置きます。

あなたのパートナーは、あなたと親友は「ケンカ中だった」と、嘘の供述をすることでしょう。

このような事件があったとき、あなたは、99.9%『逮捕』されます。

任意での事情聴取を求められるでしょうが、拒否したなら逮捕状が出るハズです。僕の、ミステリー研究結果は、そう分析しています。
(根拠は推理小説や刑事ものドラマ)

事情聴取に素直に応じても、TVのニュースでは「警察は、容疑者に任意で事情聴取を行なっている」と報じるでしょう。

あなたは、容疑者です。

あなたが有名人でもない限り、TVのニュースで報道はされないかもしれませんね。
いや、地方局のニュースなら、報じられる可能性がけっこうありそう…。


このあとの警察の捜査で、あなたが無実と判断されるのか否か。
起訴された場合、有罪になるのか、または無罪になるのか。

どうなるのか、まったく分かりません。
それぞれ、どっちも、あり得る気がします。

TV局は、
「報道では、まだ罪が確定していないから、ちゃんと『容疑者』と呼んだ」
と、そういうスタンスなのでしょう。

でも、こちらのケースは、罪が未確定なだけではありません。
犯行も未確定なのです。


◆世間は?

現行犯逮捕で、かつ、当人の自供もある、という人物も『容疑者』と呼ぶ。
犯行は確定していて、それでも『容疑者』です。

犯行が未確定で、かつ、当人が犯行を否定していても、やはり『容疑者』と呼びます。


世間では、

容疑者 = 犯人

って、そう思っていませんか?

僕は、そう思っている人が多いと思います。
ここに僕の危惧があるのです。


◆無実の容疑者を守るべき

罪を犯していても、「オレはやってない」と嘘をつくことでしょう。
警察組織は神様ではありませんから、調べないと、誰が犯人か分かりません。

容疑者に逃げられたり、証拠隠滅をされても困りますから、事情聴取や逮捕は、然るべき捜査上の手段だと思います。

しかし、無実の人にとっては、取り調べされるだけで、もの凄い迷惑です。
気の早い正義感を振り回すやからには、犯人扱いされます。
世間体を気にする会社からは、邪魔者扱いされかねません。

邪魔者扱いした輩は、容疑者の無罪が証明されても「ゴメン」と謝ったりはしません。
そんな輩は、自己保身から「怪しいから逮捕されたんだ」「火のない所に煙は立たぬ、って言うじゃないか」などという言い訳を、最大のボリュームで撒き散らす可能性、大です。

このようにして、無実の人が、2重にも3重にも苦しめられます。

捜査や報道は、行なって然るべきですが、ちゃんと無実の人を守るべきではないでしょうか。
その仕組みを考え、講じるべきです。

現状では、あまりにも無実の容疑者が、ひどい扱いをされ過ぎています。


◆現行犯者

現行犯で逮捕された人の呼び方は、現行犯者 などとするのが良いと思います。

少し長いけど、「現行犯逮捕者」とか、「襲撃実行者」とか「犯行実行者」とか、新たな呼び方が必要です。

もしくは、犯行も未確定なら「容疑者」とか「被疑者」と報じるべきではありません。「重要参考人」で良いと思います。


◆供述の報道を義務化

日本は、司法の面では先進国と言えません。
取り調べの可視化も進まないし、弁護士の同席も認められていません。

なにより、刑事事件で起訴されると99.9%が有罪になるなんて、不自然極まりない。

では、えん罪はないのかというと、たくさんあるのです。
マスコミも、社会的制裁を加えておきながら、えん罪となると手のひらを返して捜査機関を責め立てます。
松本サリン事件の反省がないのかと、僕は、かなり呆れています。

そこで、僕の提案は、「容疑者逮捕」とか「容疑者に事情聴取中」などと報じた場合、必ず、容疑者の認否を報じる。これを義務化する。です。

「容疑者を逮捕。容疑者は犯行を認める供述をしている」なのか、
「容疑者を逮捕。容疑者は犯行を否定している」なのか。

ときに、「容疑者の認否は、警察から発表されませんでした」という報道があります。

認否に触れる姿勢は評価しますが、しかし、この場合、報じてはダメです。
視聴者に、勝手な想像を与えかねません。


◆まとめ

容疑者:『現行犯者』と『重要参考人』に区別する

現行犯者:現行犯で逮捕された人物

重要参考人:犯行が未確定な人物が逮捕や事情聴取されたときの呼び方

新ルール:重要参考人の、逮捕や事情聴取という事実を報じる場合、認否の報道を義務とする


◆〆

こういう話を、ゆかりちゃんにすると、鬱陶しがられます。

でも、
僕は、ゆかりちゃんが大好きなのです。

ラジオで「うそっぱちだ」と言われても、そんなことはありません。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。

ちなみに、ゆかりちゃんは、
「私は、そうでもない」と言います。




おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第831話です

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