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アレは、オシャレなんだよ…、たぶん

3年前のある日、妻のゆかりちゃんは、僕に、こんなことを言いました。

「じょーじはマスク嫌いだけど、今日はしてってね。今は、ほとんどのお店が、『マスクのご使用をお願いします』って紙を入り口に貼っているから」

僕は素直に、ゆかりちゃんのアドバイスに従いました。

5分後。
ゆかりちゃんが、ケーキ屋さんの行列を解説します。

「外出がためらわれるから、今はテイクアウトが人気なのよ~。あと、並ぶときに、一組ずつ間隔を空けるから、、行列が長くなるのよ~」

確かに、店内に入ることを待つお客さんの、その行列の間隔が空いていました。詰めれば、半分くらいに縮まりそうです。勉強になりました。

30秒後。
ゆかりちゃんが不快をあらわにします。

「路上駐車はダメ。ああいうの見るとイラつく~」

人気ケーキ店では、駐車場がいっぱいで、車道にまで順番待ちの車が並んでいます。
その車の列には並ばずに、路上駐車するドライバーを目撃したのです。

ケーキ屋さんの前に、ある意味堂々と路上駐車した車からは、「いかにも」という一言が相応ふさわしい、オラオラ系中年男性が降車しました。
そして、やはり堂々と、店内に入る人の列に並びます。

人の列に横入りはしていませんが、車の行列を考慮すると、これはやはり、横入りでしょう。
僕は、怖いので注意などできません。見て見ぬフリです。ゆかりちゃんのコメントにも、控えめな同調しか返せませんでした。

45秒後。
ゆかりちゃんが言いました。

「派手な格好のおばちゃん! 車、停めるの下手すぎ!」

僕たちは、ケーキ屋さんの向かいにある、コインランドリーに来たのです。
洗濯したシーツが、雨で外に干せないから、乾燥機に入れます。
コインランドリーの駐車場に僕たちの車を停めて、降りて隣の車を見たならば、その車はかなり雑な停め方をしていました。
駐車場の枠の線を、ナナメにまたいでの駐車です。2台分を使っちゃっていました。


これまでの、ゆかりちゃんの発言は、完ぺきです。
全くもって正しい。
意識の高さゆえの発言でしょう。


僕たちは、コインランドリーに入ります。
オバちゃんが、1人だけいました。きっと、車を超ナナメに停めたオバちゃんです。

そのオバちゃんは、推定ですが、年齢は55歳~65歳。
紫色のアイシャドウが、すごく目立っています。

僕は、「目、…誰かに殴られたみたい」と、ゆかりちゃんに耳打ちしました。超~小声です。
オバちゃんに聞こえたらマズイと思いましたからね。

ゆかりちゃんは、

「にゃはははははは~~~!」

と大爆笑!

コインランドリー内には、僕たちと、その紫色のアイシャドウのオバちゃんしかいないのです。

ここでは、ゆかりちゃんは、意識が高くありませんでした。
オバちゃんは、(アンタら、私のことを笑ったな)と思ったハズです。

ちなみに、
本当に、青アザに見えるアイシャドウでした。



僕は、公憤こうふんを覚えるゆかりちゃんも好きです。
コインランドリー内で大爆笑するゆかりちゃんは、もっと好きです。

僕は、ゆかりちゃんが大好きです。






チャオ!


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1122話です
※この記事は、過去記事の書き直しです


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