第392話 この間違いに、なんか、凄い天才性を感じるのだが… (書き直し集-その5)
僕はインドア派だ。
昔から、僕は、完全なインドア派だ。
家の中での遊びが、大スキなのだ。
マンガを読む。
プラモデルを作る。
絵を描く。
間取り図を書く。
子どものころ、正に、これらに夢中になったものだ。
陽が落ちて、部屋が暗くなっているのに気づかないとこが、しょっちゅうあった。
ゆかりちゃんは、完全にアウトドア派。
1日に、何度でも外出する。
僕は、外出が面倒くさいので、できれば外出しないし、どうしても外出するのなら、絶対に1回で済ませる。
そのように計画する。
ところが、ゆかりちゃんは、何度も外出しては戻り、また外出してと、それを、一切悔やむことなく繰り返す。
最初見たときは、かなりのカルチャーショックを受けた。
カミナリが、10㎞先に落ちたくらいのショックを受けたものだ。
* * *
緊急事態宣言中は、行ける場所もなく、行って良い空気もなく、自然、自宅ですごす。
TV大好きのゆかりちゃんだが、さすがに芸能人の悪口ばかりを、どの局もくり返すというTVには、いささか飽きてきたようだ。
そして今。
届いたばかりのノートパソコンで、YouTubeを観はじめた。
YouTubeを観ながら、ゆかりちゃんが僕を呼んだ。
「じょーじ! 観て! めっちゃオモシロイよ~~!」
「バーニャカウダ!」
ん?
バーニャカウダ? 料理系YouTube? 野菜スティック?
「美味しそう!」とかじゃなく、「オモシロイよ~~!」、って、なに?
僕は、ダイニングテーブルから、ゆかりちゃんのいるリビングへ移動して、ゆかりちゃんのノートパソコンを覗いた。
その動画は
「が〜まるちょば」
だった。
なんか、似てはいる。
バーニャカウダ、・・・が~まるちょば、
似てはいる。
文字にしてわかった。
濁点の位置と数がおなじ。伸ばすボーの位置もおなじだ。
位置はちがうが、『ニャ』と『ちょ』という、ちっちゃい文字があるのも共通だ。
文字数もおなじ。
この天然ボケは、僕のツボに「ずぼっ」っと入った。
僕は、この間違いに、なんか、凄い天才性を感じた。
ピカソ的な、ダリ的な、バンクシー的な、
そんな、『個性』や『天才性』を感じたのだ。
ひらったく言うと、「普通じゃない」のだ。
(センスあるわ~、この間違い)って、僕は思った。
計算してできる間違いと違う。
なにより、言い切るところがスゴイ!
「ば~にゃ、あれ? なんか違う、なんだったっけ?」ってならないところがイイ!
「バーニャカウダ!」と、潔く言い切り、ビックリマークまでつけちゃうところが、凄くイイ!
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。
PS.僕の妹のラッキーが、イラストを描いてくれました。
第24話はコチラ ↓ からどぞ
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