そういえばパワハラ上司も、「お前のことを思って」とか、言うんだよなぁ
少しまえに、ニトリの『野菜水切り器』を買った。
購入した理由は3つ。
1つは、マコなり社長がYouTubeで「スゴク良い」と絶賛していたから。
2つ目の理由は、税込み523円と激安だったから。
3つ目は、シャキシャキのレタスサラダを美味しく食べたいから。
この商品の最大の特徴は、
野菜の水気をバッチリ切る！
ということなのだ。
つまり、ドレッシングが薄まらない！ サラダが美味い！
サラダの水分を一切残さない。
遠心力で水分を飛ばすだけなので、野菜の葉にダメージなどはない。
レタスの葉はシャキシャキしている。
画期的な商品なのだ。
しかも523円。電池も不要。ランニングコストも0円だ。
妻のゆかりちゃんが、僕の想像以上に、この『野菜水切り器』を気に入っている。しょっちゅうグルグル回している。しかも、楽しそうに。
今日も、サラダを準備しているゆかりちゃんが、この【野菜水切り器】を使い出した。
僕は、横で見ていた。
ガガッ！
回らない。
ガガッ！
ちょっと回って、フタが外れた。
それを、2回繰り返した。
（内側にセットするザルが、ちゃんとハマってないのでは？）
と、僕は推察した。
横から見ているので、中のザルがずれているのが分かった。
でも、ゆかりちゃんは、中のザルのことなど一切気にしていない。
フタの押さえが弱いと思っている様子だ。
フタを強く押さえながら回す。
ガガッ！
回らない。もう、さすがに気づくか？
ゆかりちゃんは、（コイツ根性が足りんなぁ）という顔で『野菜水切り器』を見つめた。
僕は、（それ、軽い力で回るモノだから）と思った。
（何度も使って、知ってるよね～）とも思った。
ついに、ゆかりちゃんが言った。言葉に出した。
「頑張れ～～～！」
って、野菜水切り器に言ったのだ。
僕は思う。
根性の問題じゃない、と。
物が動かなかったなら、物より自分を疑え。
物は、忠実に動く。素直なんだ。
セットした自分のミスを疑え。
物に優しく、丁寧に扱え。
キチンと正しくセットしろ。
言わんけど。
ガガッ！
ガガッ！
ついに僕は、耐えられなくなった。
ゆかりちゃんに言ってしまった。夫婦ゲンカも覚悟した。
「相手は、物だからさ。理屈が大事だと思うんだ」
「んん？ どゆこと？」 （おっ？ 怒らない？）
「中のザルが、ちゃんとハマってないと思うよ～」
「そう～？」 （おお？ 素直だなぁ）
ゆかりちゃんは、中のザルを荒っぽい動作で取り出し、また入れる。
フタをし、ハンドルを回す。
回った！
野菜水切り器は、ガガッ！という音を立てることもなく、
滑らかに「ブーーーン」と歌って、
超高速で回転し続けた。
そして、レタスに付いた水を完璧に切ってくれたのだ。
野菜水切り器が勢い良く回っているときに、ゆかりちゃんが、のたまった。
「物にもね～、感情って大事なんやて～」
それはね。物を、優しく、丁寧に、扱う人のセリフだよ。
言わんけど。
雑に扱い、荒っぽくセットし、フタを押さえつけ、「頑張れ～」って言うのは、パワハラ。
さっきまでパワハラしていた当人が、なにが「物にも感情って大事」だ。
耳を疑うわ。
言わんけど。
僕が、余計なことを言わなかったがために、ゆかりちゃんは、
（私、今、イイこと言ったわ…）
という表情を、長く浮かべていた。
雑に扱い、
ガガッ！
荒っぽくセットし、
ガガッ！
フタを押さえつけ、
ガガッ！
「頑張れ～」と言葉は選んだが、
その心の中は「動けコラッ！」というパワハラ精神だだ漏れ。
ガガッ！
僕のアドバイス
高速回転
「物にも感情って大事」と、のたまい、
高速回転
（私、今、イイこと言ったわ…）と得意顔。
『野菜水切り器』よ、申し訳ないが僕は、おもしろい、と思ってしまった。
『野菜水切り器』よ、ゴメン。
僕は、ゆかりちゃんが大好きなのだ。
おしまい
※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1503話です
PS. 僕のKindle本 ↓『いいかい、タケルくん』【考え方編】です。
読むと、恋人ができてしまう自分に変わります。
恋愛とは、若者だけのものではありません。
人生100年時代。
40代、50代、60代、70代でも、恋愛って必要です。（僕の主観です）
そばにいるパートナーは、誰にだって必要ですよ。（僕の感想です）
「考え方」ですから、若者だけでなく中年にも参考になります。
もちろん若い男性には、モロ、参考になります。
女性にも参考になります。
【男の思考】が詳しく書かれていますから。
「男性って、そんな考え方をするんだぁ」と、きっと参考になります。
ご一読いただけたら幸いです。
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