第88話 座右の銘
ゆかりちゃんには何度か語ったけれど、おそらくは忘れているだろうから、僕の座右の銘をここに記す。
座右の銘とは【自分を律するための格言】という意味だ。
なせじょーじの座右の銘
1つ 和して同ぜず
1つ らしく ぶらず
1つ 田代のように
現時点では、以上の3つだ。
和して同ぜず
僕の人間関係の理想だ。
『和』を大事にする。でも『同じ』である必要はない。そういう人間関係を、僕は理想とし目指す。
これは、昔、教育訓練会社『ジェック』の業績魂強化訓練という1日セミナーで学んだ言葉だ。
貧弱な人間関係はこの逆で、【同じて和さず】だ。
「同じだ~」「同じだね~」と集まるが、そこには和はない。
同じだから仲が良い、というのは貧弱な人間関係と言われても致し方ないだろう。文句ばかり言う人の集団や、セレブ同士のママ友とか、「同じ考えだ!」とか「同じ価値観だね~」とか言いながら、その人がいなくなると陰口を言い出すなど、アルアルな気がする。
和を尊ぶのに、同じかどうかは関係ない。
考え方が違っても、好みが違っても、その人の考え方や好みを尊重すれば良い。そもそも自分と同じ考えの人なんていないし、もしいたなら、その人からは何も刺激は得られない。だって自分と同じなんだから。
和を尊ぶなら、それだけで、和を尊ぶということだけで充分なのだ。
逆に、テイカーは拒絶する。テイカーは和を尊ばないのだから。尊ぶふりをして尊ばない。テイカーは【和して同ぜず】の中には入れないのだ。
らしく ぶらず
これはたぶん、立川談志の言葉。もしくは、故談志師匠が愛した言葉。
ゆかりちゃんと一緒に観た、劇的ビフォーアフターの故談志師匠の家のリフォームで、チラっと映った書。
それが【らしく ぶらず】だった。
僕はこれに、この言葉に一目惚れしたのだ。
僕は、僕らしく生きる。なんかぶった生き方はしない!
やさしい人ぶったりしない。やさしくなる。寛大ぶったりしない。良い人ぶったりしない。知ったかぶりとか絶対しない。
田代のように
僕の目標は、田代のような人間になることだ。
あいつは、誰にでも優しかった。誰をも尊重していた。
小学校3年生の頃から、僕は田代に憧れていたんだ。田代のように人気者になりたかった。
ちゃんとやさしい人間にならないと、田代ぶった生き方になってしまう。そうなると、一つ上の座右の銘に背いてしまう。
でも、やはりこれは、僕の座右の銘だ。
「田代なら、こんな意地悪な言い方をしない」とか「田代なら、こんなときどうするだろうか?」とか、僕を僕が律するために、こんなにもちょうど良い戒めの言葉はない。
右に置くのにピッタリなのだ。
おまけ
ゆかりちゃんは覚えているかな? 何年かまえに僕は聞いたんだ。「ゆかりちゃんの座右の銘は?」ってね。
ゆかりちゃんは「1日1笑!」と即答したんだよ。これは、ゆかりちゃんらしく、本当に素晴らしい座右の銘だと思う。
1日に、最低でも1回、笑ってください。
1日に、最低でも1回、誰かを笑顔にしてください。
ほんと、素敵な座右の銘だ。
あの時、「僕、今日はまだ笑ってないなぁ」とつぶやいたら、ベロを出す変顔をゆかりちゃんはしたんだよ。
ゆかりちゃんの変顔は、ほぼほぼ100%、ベロを出すんだよね~。
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。
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