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【ゆかり節】珍しくキレッキレ! 説明のマシンガントークも切れ味良かったなぁ…

「あのときは世の皆さん、ごめんなさい」


妻のゆかりちゃんが、謝罪したのです。
場所は車の助手席でした。運転しているのは僕です。


小一時間ほど時間を戻します。

僕たちは、アルペン春日井店にやって来ました。
僕が欲しいモノを購入するためです。


僕は、こんなのを探していました。


キャンプなどで寝るときに使うマットです。
これがイイかな? と思ったのが3,100円でした。思っていたより安く済みそうで、僕はホッとしました。

店員さんに声をかけると、バックヤードも確かめた上で、「在庫がありませんので、現品で良ければ」とのこと。

同じような商品は、安いモノでも5,000円以上していたので、僕は迷わず、「これで構いません」と、購入を決めました。

お会計のときに、「現品なので10%オフにしました」と嬉しい一言を添えられました。

(店員さん、ナイス!)と僕は、心の中でツブヤキました。
そんなツブヤキを、知ってか知らずか、店員さんはこう言ったのです。

「税込みで、3,060円になります」


店を出て、駐車場の車に向かいながら、僕は頭の中で計算を始めました。
2,700円くらいになると思っていたので、少し驚いたのです。

そして、それとは別に、疑問がわいていたのです。
(10%引きで、10%の消費税なら、3,100円に戻るんじゃないの?)と。

そこで、イチから計算したのです。
(3,100円は、これは税抜き価格だったんだなぁ)
(3,100円の10%は、310円。これを引くから商品価格が2,790円)
(2,790円に、ここに消費税の10%を掛けるんだな…)
(消費税は、279円で…、ええっと、足し算すると…)
(3,069円か。端数を切り捨ててくれてるんだぁ…)

結果、僕の口から出た言葉は、

「消費税って、高いね~」


でした。

ゆかりちゃんも、「私も、そう思った~!」と同感を表明。

そして、

「あのときは世の皆さん、ごめんなさい」


と、世間に謝罪したのです。

僕の脳内は「???」です。
それを察したゆかりちゃんが、一気に説明してくれました。

「いや~、あの時は、そうは思ってなかったけど~
 やっぱ、消費税10%は、高いわ~!
 でも、あの時は、
 たった2%上がるだけで、
 買い溜めするオバちゃんや、オバアちゃんたちの、
 あさましい行動のニュースを観てさぁ~、
 …私、
 『世のオバちゃん、オバアちゃんたちはオカシイ!』
 『間違っている!』
 『たった2%やん!』
 『買い溜めするなんてアカン!』って思ってたの。
 そうも言ったし…。 
 だから、
 『世の皆さん、ごめんなさい』
 『あのとき悪く言ったオバちゃん、オバアちゃんたち、ごめんなさい』
 …ってことなのよ」


そういえば、ゆかりちゃん、テレビに向かって息巻いていました。
うっすら記憶があります。

「ちゃんと謝るの、偉いね~。記者会見、やろうか?」

と、僕が言うと、

「文句言ったのも【カゲ】だったから、謝るのも【カゲ】でイイの。
 車の中が、調度イイくらいやわ~!」

と、キレッキレのゆかり節が返ってきました。


僕たちは、そのあとスーパーで買い物をしました。
レジ待ちの列で、ゆかりちゃんが僕にピッタリくっ付くのです。
それを指摘したなら、照れて、ゆかりちゃんは離れちゃいました。

今度は、余計な指摘をしないようにします。

僕は、ゆかりちゃんが大好きです。







おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1158話です
※この記事は、過去記事の書き直しです

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