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伝道者の書第46話わたしは日の下に歩むすべての民が、かのわらべのように王に代って立つのを 見た。

(原文:第4章15、16)
15 わたしは日の下に歩むすべての民が、かのわらべのように王に代って立つのを 見た。
16 すべての民は果てしがない。彼はそのすべての民を導いた。しかし後に来る者は彼を喜ばない。たしかに、これもまた空であって、風を捕えるようである。

貧しくても賢い若者が、王の後継者になると決まった瞬間、世の人々は全て新王の側につく。
もはや過去の成功体験に凝り固まってしまって、他者からの忠言を受け付けない過去の老王には見向きもしなくなる。
人々の欲求は果てしなく、新王がそのすべての民を導いたけれど、彼の次の世代においては、彼を支持しない、
結局、期待された新王も、老王と同じ状況に陥ってしまう。

地位や名声は、移ろいやすいもの、空虚なものである。
過去の成功体験だけにすがりつき、現在と未来を見ない、他者からの忠告を聞かない狭量な権力者など、すぐにその地位を追われてしまい、名声も泥にまみれる。
ただ、世を眺めてみると、そんなことの繰り返しである。

日本の表現で言えば、「おごれるもの 久しからず」なのだろうか。

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