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伝道者の書第92話だれが知者のようになり得よう。

(原文:第8章1)
だれが知者のようになり得よう。だれが事の意義を知り得よう。人の知恵はその人の顔を輝かせ、またその粗暴な顔を変える。

言い換えれば、人は知者のようにはなり得ないし、事の意義も全て知り得ることはない。
しかし、人が身につけた知恵は、その人の顔を明るくするとともに、粗暴な顔を柔らかくする。

確かに人間の能力には限界があり、完全にはなりえない。
しかし、何かを知ることによって、見知らぬ不安が解消されることもある。
不安が故に、粗暴になっていた顔、固くなっていた顔も、柔らかくなる。

目的地に行くまでの道がわからず、不安や焦りのために、表情が固くなったり、あるいは自暴自棄の顔が、道を知ることによって安心し、元々の輝きを取り戻し、また柔らかく変化する。

物事を知らない人ほど、後先を考えず、粗暴になる。
これもまた、真実と思う。

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